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土地の値段、地価の公示価格とか路線価ってどうやって決めてるの...

2018年06月05日

夫婦漫才

土地の値段、地価の公示価格とか路線価ってどうやって決めてるの?

西村まさゆきのちょっと気になる

土地の値段、地価の公示価格とか路線価ってどうやって決めてるの?

写真:アフロ

路線価は鑑定士の意見が参考にされる

前回、不動産鑑定士という仕事の基本的な内容について西原不動産鑑定で実際に業務をされている西原稔子さんに聞いた。また、どのような道のりを辿って資格を取得されたのかも西原さんのケースを教えてもらった(記事:「不動産鑑定士」ってどんな仕事? どうやってなるの?)。


今回はさらに、不動産の価格を決めるときの基礎となる地価や路線価が、どのように評価されているのか、お話を聞いた。


──不動産鑑定士の方は、例えば道を歩いてたりして、ビルや建物を見て「これはいくらぐらいかな」みたいなことを考えたりしますか?


西原さん「それもよく言われるんですが、骨董の鑑定とは違って、資料がないと鑑定できないので、頭のなかにすべての地価が入ってるわけではないのです。なのでさすがにそれは難しいですねえ」


──そうですか。


西原さん「ネットとかで路線価とか地価公示からあたりをつけて、だいたいこれぐらいかな? と、推測する程度は」


──資料を調べるところが仕事なんですね。現物をパッと見てわかるというものではないんですね。


西原さん「特に、商業地とか都心部になると、数十メートル離れただけで、地価がガラッと変わるんです。道を一本外れただけとかで全然違うんですよ。だから、だいたいこのあたり、ざっくりいくらとか出せないんですよ」


──路線価ってのはよく聞きますが、道路に値段がついてるんですか?


西原さん「道路そのものの値段ではなくて、その道路に面する土地(1平方メートル)がどれぐらいの評価額になるのか? ということですね」


──つまり、建物の建っている土地というのは基本的に道に面しているから、そこから、その土地の価格を評価するための基準ということですかね。


西原さん「そうですね」


──路線価って、年に一回発表されますけど、それは国が決めているということですよね。


西原さん「国が決めてます、ただその価格のベースは不動産鑑定士が意見価格ということで出してます」


不動産鑑定士の西原さん


──え! 路線価の価格って、不動産鑑定士の意見が反映されている?


西原さん「ええ、実は、不動産鑑定士による国税標準宅地の鑑定評価書や、精通者の意見価格などを元に、国税庁が決めているんです。精通者も結局、各地域の不動産鑑定士が選ばれることが多いですね。」


──じゃあ、土地の価格が上がったり下がったりというのは、もう不動産鑑定士が半分決めているようなものですか。


西原さん「そうですね、公表されているもの、地価公示、相続税路線価も……不動産鑑定士の意見が判断の材料にされているものは多いです」


──土地の価格って、結局はすべての物の値段に影響が出ますから、目に見えない部分で重要な任務を背負ってますね……。


西原さん「もちろん、実際に取引された取引事例をベースに取引事例カードというものを作った上で、地元の不動産業者などにもヒアリングして、そういった情報なり資料を収集してから、エリア毎に担当の不動産鑑定士が定期的に集まって……地価公示(国土交通省)の分科会っていうんですけど、みんなで話し合って、最終的に各標準地の公示価格を決めていくんです」

25年以上経つと建物の価値はゼロ

──西原さんは、今まで鑑定した物件で、珍しいものありますか?


西原さん「そうですねぇ……遊園地を鑑定したことありますね……」


写真:アフロ


──遊園地、ということは、おばけ屋敷とかジェットコースターみたいなものも鑑定されるんですよね。


西原さん「そういうものは、再調達原価といって、実際にこれを建てたらいくらするのか? というのを割り出していくんです。でも、工場とかもそうですが、普通の建物ではないので、できるだけそれを作ったときの資料をもらって、今これを建てるならいくらぐらいかかるかを査定していくんです。もちろん、それがそのまま評価額になる訳ではありませんが……」


──建物の鑑定は難しそうですね。


西原さん「そうですね。ただ、木造建物は20年から25年経つと市場価値がゼロになってしまうことが多いんですよ」


──え、ゼロですか?


西原さん「そうですね、ゼロです」


──そうすると、たとえば、姫路城とか、国会議事堂といった文化財みたいな建物はゼロ円なんですか?


ペイレスイメージズ/アフロ


西原さん「文化財になるとまた、意味合いが違って、特殊価格として出すんです」


──海外に行くと、町中でも古い建物がいっぱいあって、しかも現役で使われているものが多いんですが、日本だと壊して建て替えちゃうんですよね。


西原さん「海外だとまたちょっと事情が違うんですよね、日本は、マーケット的に、木造なら20年~25年、鉄筋だったら50年位で市場価値がなくなる、という算定の仕方が今までのオーソドックスだったんです」


──日本独特なんですね。


「ただ、最近中古住宅に関しては見直されつつあって、維持管理がよくて、建物がしっかりしていれば、価値をつけて査定しようという動きもあります」


──築25年ぐらいだったらまだ十分住めますよね。


西原さん「今でいう築25年ってまだまだ新しいじゃないですか? 2017年だったら、1992年の建物ですよ、それで一律価値ゼロというのは乱暴かもしれない。ただ、建物はメンテンナンスの度合いでかなり差が開いてきちゃうんです。だからその辺をちゃんと建物診断して、お墨付きがついたものに関しては、もっと価値を見てもいいんじゃないかという動きになっていますね」


西原さん「これはあくまで推測なんですが、日本で建物の価値が20年ほどでゼロになってしまうのは、金融機関が査定する時に、そのように査定していた流れがあって。それを受けて、不動産業者が『20年経ってるならゼロにしよう』としていたふしがありますね」


──日本だと、車もすぐ価値が下がっちゃいますし。なんなんでしょうね。


西原さん「最近は、とくにマンションなんかはリフォームやリノベーションが流行ってきていて、古い建物だからといって、価値がないという考え方も是正されつつありますね。そうやって価値観が変われば、今後、そういう考え方が査定に影響していく可能性も十分あります」


中古マンションをリノベーション(写真:アフロ)


西原さん「汐留に『中銀カプセルタワービル』ってありますけれど、一時期部屋によっては廃墟状態だったところがリフォームで生まれ変わったりしているみたいで、住民の方々が保存・再生プロジェクトを立ち上げていて、今また注目を浴びているんですよ。」


──黒川紀章の記念碑的な建物ですもんね、あそこは。古い建物でも大事に使うという流れになっていくといいなあと思うんです。


西原さん「少しずつですけれども、そういう流れになってはきていると思いますよ」

不動産鑑定士の輪郭がぼんやりとみえてきた

すべての物やサービスは、必ず場所が必要だ。

インターネットで物を売るにしても、結局は在庫を保管する場所は必要だし、場所が必要ないように思えるウェブサービスも、そもそもそのウェブサービスを管理する人の住む場所が必要だ。

つまり、すべての物やサービスの価格に、多かれ少なかれ土地の価格は影響を及ぼしている。


今まで、名前は知っていたけれど、その実態がわからない資格の筆頭であった「不動産鑑定士」。実は、日本の土地の価格は、不動産鑑定士が決めているといっても過言ではないということがわかった。

不動産鑑定士は、家や土地の査定から、日本の土地の価格まで、日本という国の背骨を支える仕事であった。


(取材・文:西村まさゆき)


最終更新日:2018年06月05日

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