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大都市圏の住宅難を解決!? わずか19平米のおしゃれな狭小ア...

2018年08月07日

夫婦漫才

大都市圏の住宅難を解決!? わずか19平米のおしゃれな狭小アパートメント

極小&快適空間のアイデア#32

大都市圏の住宅難を解決!? わずか19平米のおしゃれな狭小アパートメント

大人ふたりが快適に暮らせることをそれとなく伝えるイメージ写真。壁の色遣いも洗練されている(写真:dezeen.com)

わずか19平方メートルの「高密度空間」

今回は、英国の不動産開発会社とデザイン事務所が協力して考えた、広さ19平方メートルの極小アパートメントの提案について紹介します。

このマイクロ・アパートメントのプロトタイプは、世界各地の大都市で手頃な(家賃や価格の)住宅がますます見つけにくくなっているという問題の解決策あるいは緩和策として提案されたもの──具体的には、U+Iという不動産開発会社が取り組む「Compact Living」プロジェクトの一部として、Ab Rogers Designというデザイン会社に依頼して考案してもらったものだそうです。なお、このプロトタイプはいまのところU+Iの事務所内に展示されている状態、つまりまだ住宅としての実績があるわけではありませんが、思わずちょっと試してみたくなるような洒落たつくりになっているように見えます。


右側の棚を兼ねた階段の先がベッドのあるロフト(写真:dezeen.com)


この部屋の特徴はなんといってもその広さ(あるいは狭さ)。わずか19平方メートルでもこれだけいろんな要素を取り込めるんだなと思わず感心してしまいますが、別の見方をすれば、人間の基本的な生活にはその程度の広さあるいは空間で十分ということかもしれません。


見取り図:1階部分(写真:dezeen.com)

見取り図:ロフト部分(写真:dezeen.com)


この部屋には、ロフトベッドやその下の空間を活用した収納スペース、それに引き出しを兼ねた階段など、この連載で過去に取りあげたいくつかの例との共通点が見つかります。また「横(水平方向)に広げられないなら縦(垂直)方向をうまく活かそう」という空間使いの考え方でも決して目新しいものとはいえません。ただ、そんな考え方や要素の組み合わせはなかなかのものだと思います。国内の不動産物件で天井高がそれなりにある物件(たとえば天井高3メートル前後?)がどの程度あるのかはわかりませんが、もし実際に見つかるようであれば採り入れてみたいアイデアがこの部屋には含まれています。


ベッドはセミダブルくらいの大きさか。右側が納戸のような収納スペース(写真:dezeen.com)


この部屋にある基本的な要素は、ベッド、収納スペース(ストレージ)、シャワーとトイレを含むバスルーム、それにリビング・ダイニングに当てられているスペースの4つ。写真からわかる通り、キッチンこそ至って簡素なものですが、ストレージはベッド下のクローゼットに加えて、バスルームの上部に設けられた納戸のようなスペースもあります。またベッドのサイズもセミダブルで、これならふたり暮らしも十分いけそうに思えます。

ところで。この原稿を書いていてひとつ思い出したのは、自分がちょうど30年位前に一時暮らしていたワンルームマンションのこと。当時増えつつあったフローリング張りのその部屋は、広さがたしか20平方メートルちょっとだったはずで「かなり狭かった」という記憶があります。それよりもさらに狭いというこのプロトタイプは実際にどの程度手狭な感じがするのか(しないのか)。その点がちょっと気になったりもします。

そういえば、いわゆるバブル経済の時代に地価高騰のあおりを受ける形で、ロフト付きワンルームというのが大都市を中心に現れ、6畳くらいの部屋にすべてを詰め込んだ(ただしユニットバスは別)アパートがたくさんつくられたとの覚えがありますが、それと似たような住宅難の解決策が外国の大都市でも真剣に検討されているということでしょうか。


ベッドと一体になったクローゼット。手前の階段型収納も合わせると結構な容量がありそう(写真:dezeen.com)

キッチンカウンターの向こう側にあるバスルームとその上の納戸。天井の高さがわかる一枚(写真:dezeen.com)

深刻化する「ワーキング・ホームレス」の問題

バブル期といえば、片道2時間くらいかけて都心の会社に通勤する人たちの話もよく出ていた記憶があります。また「新幹線通勤」が注目を集めたのもこの頃だったかと思いますが、諸外国の一部の大都市で似たような現象が生じているという話をここ数年よく目にします。

大都市で手頃な価格(あるいは家賃)の住宅がますます見つかりにくくなっているという話はこの連載でも過去に何度か紹介しました。そうした都市の代表例は、住宅の平均価格がついに100万ドルを超えたというサンフランシスコ=シリコンバレー(ベイエリア)かもしれませんが、そのほか前々回の話で紹介したアパートメントのあるニューヨーク、それに中国のお金持ちの資金が流れ込んで不動産が高騰したというバンクーバー(カナダ)、あるいは比較的昔から狭いところに人がひしめいていた香港などもぱっと思いつくところです。いずれにせよ経済のグローバル化に伴って世界を比較的自由に行き来するお金の量が増えた結果、その受け皿となった場所ではいわゆる「持たざる者」があおりを受けている、ということかもしれません。

そんな「持たざる者」に残された選択肢のひとつは、やはり家賃の安い郊外に移るというもの。ただしこれには「とても長い通勤時間を我慢する」という代償が伴います。昨年8月のNew York Times記事には、自宅からサンフランシスコの職場まで約80マイルの距離を片道3時間近くかけて通勤する連邦職員の女性の話が出ていました(約80マイル=130キロメートル弱ですから、関東でいうと東京から宇都宮あるいは高崎くらいの距離)。


サンフランシスコのベイエリア。(写真:アフロ)


またその記事には片道90分以上かけて通勤している人の割合がベイエリアでは全体の約5%まで増加というデータも紹介されています。一方、定職がありながら、高くなりすぎた家賃のせいで家を借りられず、やむなく自動車に常時寝泊まりする人たち――「ワーキング・ホームレス」と呼ばれる人たちも各地で増えているそうです(こうした人たちのなかには駐車場や路肩の駐車スペースなどで暮らす人も少なくないとのこと)。

今回紹介したプロトタイプのような極小アパートメントは、こうしたふつうの人々の問題緩和にも役立つ可能性がありそうです。


(坂和敏)


最終更新日:2018年08月29日

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