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土地の権利にはどんな種類がある? 家を買うときに関係する所有...

2019年02月28日

夫婦漫才

土地の権利にはどんな種類がある? 家を買うときに関係する所有権・借地権とは?

プロに習う基本の不動産用語

土地の権利にはどんな種類がある? 家を買うときに関係する所有権・借地権とは?

契約のときでは遅い! 住まい探しを始める段階からしっかりチェックしておきたい(写真:アフロ)

土地の権利にはどんなものがある? 

更地の土地はもちろん、一戸建てやマンションなど不動産を購入する際には必ず関係する「土地の権利」。物件情報にも必ず明記されていますが、権利の違いがどう影響するのかよくわからない人も多いのではないでしょうか。さくら事務所の不動産コンサルタント、田中歩さんに教えていただきます。


──土地の権利にはどのような種類がありますか?


田中さん:大きく分けると「所有権」と「借地権」の2つ。「借地権」は「地上権」と「土地賃借権」に分かれますが、「土地賃借権」に関してはかなり細かく分かれます。個人に関連する権利は全部で6種類になります。


借地権の法律改正なども経てかなり複雑になっている


──6種類!自宅用として土地を購入する場合、どれが関係するのでしょうか。


田中さん:全部です。図で色をつけている「所有権」と、「地上権」「旧法借地権」「新法普通借地権」「一般定期借地権」「建物譲渡特約付き借地権」の5種類の借地権のいずれかになります。「土地賃借権」に関しては1992年に法改正が行われ、「旧法」と「新法」に分かれています。


──物件概要などには「旧法」「新法」などと書かれているものがあります。今も両方が存在するのはなぜですか?


田中さん:法改正以前に決まった土地の種類が自動的に切り替わるわけではないため、現在は新旧両方の権利が混在した状態です。いま流通しているいわゆる「借地権」物件のほとんどは「旧法借地権」。また、「定期借地権」の分譲マンションは「一般定期借地権」のものが大半を占めます。

「所有権」と「借地権」、それぞれに魅力がある  

見た目ではわからないが、さまざまな権利の種類がある「土地」(写真:アフロ)


──「所有権」と「借地権」は買う側にとってどう違うのでしょうか?


田中さん:「所有権」は文字通りその土地を「自分のものとして所有する」という排他的な権利ですが、「借地権」は「建物を建てる目的で土地を借りる」権利。ですから、所有権より借地権のほうが購入側の自由度は低くなります。どちらがよいかは住む期間や用途、将来の売却予定の有無などによって大きく変わります。


──価格にも関係するのでしょうか?


田中さん:そうですね。一般的に「所有権」の物件は最も価格が高く、税金などの費用がかかります。「借地権」の物件は「所有権」の物件より価格が安く、税金もかかりません(地主が払うため)。一方で、いわば“土地の家賃”である地代や更新料がかかります。さらに、建て替えや増改築は地主の承諾が必要です。リノベーションでも承諾が必要となる場合もあります。建物を売却したい場合は、地主の承諾を得たうえで、借地権とセットで売却することになります。


所有権の物件

【メリット】

(一戸建ての場合)

  • 土地も建物も自分のものなので、売る・貸す・建て替える・増改築なども自由。

(マンションの場合)

  • 専有部分(部屋の内部など)は売る・貸す・リノベーションなどは自由。※土地は持ち主全員で共有するので、専有面積に応じて持ち分が決まる。


【デメリット】

(一戸建て・マンション共通)

  • 「借地権」の物件よりも価格が高い、固定資産税や都市計画税を自分で払う必要がある。


マンションの場合、土地と建物を切り離して購入・売買することはできない

押さえておきたい、5つの「借地権」の特徴 

──複雑なのが4種類もある「~借地権」。さらに、「地上権」というのもあります。個人が自宅用に購入する場合の「借地権」だけでも5種類もあるのですね。


田中さん:はい。「地上権」は物に対する権利=物権(土地を使うことができる)、「土地賃借権」は人に対する権利=債権(地主から土地を借り受ける権利)という違いがあります。

借地権の物件:5種類の概要とメリット・デメリット

5種類の概要とメリット・デメリットをまとめました。


旧法借地権(一般に「旧法借地」と呼ぶ)

1992年7月31日まで使われていた「借地法」にもとづいた権利。建物の種類によって存続期間(契約が効力を持つ期間)が定められているが、回数の制限なく更新が可能。「借地権」の物件のほとんどがこれに該当する。

  • メリット
    半永久的に住み続けることが可能。

  • デメリット
    所有権に比べて流動性が低い(建物の持ち主は、建物を売却する場合土地に関して地主の制約を受けるため、売るハードルが高く、つまり積極的に買おうという人も少ないために取引自体は少ない)。地主は借地人の承諾を得ずに土地売却ができるため、どんな地主になるかわからない。バブル期は地上げ業者などが底地(借地権の対象となる土地)を買い取り、立ち退きなどが横行したこともある。


(新法)普通借地権

旧法借地権とほぼ同じだが物件数は極めて少ない。


(新法)一般定期借地権

更新なし・50年以上の存続期間を持つ借地権。満了後に更地で返還する必要がある。定期借地権の分譲マンションは一般定期借地権が使われている。

  • メリット
    都心部などの好立地マンションが供給されやすい(土地を手放したくない地主にとっては自分で建物の建設費用を借り入れる必要のない相続対策、土地運用策の1つになっているため)。

  • デメリット
    取り壊し費用がかかる(マンションの場合は積立金として毎月徴収)。中古マンションなどで存続期間の残りが短い場合はローンが組みにくいケースもある。そのため、購入後に売りたい場合も残存期間が短くなると不利。歴史が浅いため、50年経過したときにどのような問題が発生するか未知数。


(新法)建物譲渡特約付き借地権

更新なし・30年以上の存続期間を持ち、満了時に地主が建物を買い取ることを契約時に決めておく借地権。物件数は極めて少ない。

  • メリット
    解体費用や売却の手間がかからない。

  • デメリット
    30年以上で設定された満期時点で建物を地主に譲渡しなければならないため、譲渡後に住み続けるならば賃借となる。そのため、住まいとして中古で購入しようという人が少ない(売却しにくい)。


田中さん:借地権は地主とのおつき合いが長く続くので、どんな地主さんか確認しておきましょう。 


地上権

新法ではなく、民法でも古くから規定されている権利。借地権の1つだが、所有権に近い権限を持つ。存続期間は地主と決める。物件数は極めて少ない。

  • メリット
    売る・貸す・建て替える・増改築などは自由(地主の承諾も不要)、地代はかからない場合もある。価格は「所有権」の物件より安く、地代がゼロかとても低い場合は、「借地権」の物件より高くなる。

  • デメリット
    ほとんどないが登記する手間がかかる。


田中さん:売却を考えているなら所有権の土地のほうが売りやすいです。売りやすさやローンの組みやすさには、立地や購入者の資産状況ももちろん影響します。40年、50年住めれば天寿を全うできる年齢で購入し、換金できる資産として子供に遺す必要はないという考えであれば、借地権の家を選ぶケースもあります。地代などを払っても借地権のほうが割安となることもあります。借地権の取引は所有権に比べて数が極めて少ないので、取引経験が豊富な不動産担当者にお願いしましょう。


購入時の物件価格や条件だけでなく、先々のライフプランや資産の状況なども考慮する必要がありそうですね。大きな2つの分類を基本に1つずつ知識を身につけて、ベストな住まい探しに役立てましょう。


(取材・文/高柳涼子)


【取材協力】

  • 株式会社さくら事務所 不動産コンサルタント 田中歩さん

信託銀行にて企業向け不動産のコンサルティング、不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事したのち、2009年不動産コンサルティング会社を起業。2014年から「さくら事務所」の不動産コンサルティング事業サポートに参画。NPO法人日本ホームインスペクターズ協会理事/公認ホームインスペクター。

保有資格:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

最終更新日:2019年02月28日

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