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あの住所が“高級”住宅地となった理由とは?

2015年04月20日

コージー林田

あの住所が“高級”住宅地となった理由とは?

松濤や田園調布は元々どんな土地?

あの住所が“高級”住宅地となった理由とは?

数々の会社社長や芸能人、文化人が住む田園調布。写真の田園調布駅は、1923年に調布駅として開業。中世ヨーロッパの民家を模した旧駅舎も復元されている

一度は住んでみたいあの高級住宅地の始まり

「田園調布に家が建つ~」といえば、星セントルイスのギャグ。分かる人は、アラフィフ世代だろうか。これは誰もが、「田園調布=高級住宅地」という認識を持っていたから成立した笑い。大田区の田園調布に限らず、高級住宅地といえば連想される土地は少なくない。東京なら、渋谷区松濤や港区白金・麻布、千代田区番町、世田谷区成城・二子玉川など。関西では兵庫県芦屋市六麓荘町や大阪市阿倍野区帝塚山が有名だろう。

もちろん、需要があるから土地が高くなり、富裕層が住むことでさらに価値が上がるという好循環なのだろうが、そもそも、なぜこれらの土地は高級住宅地に成り得たのだろうか。

高級住宅地の起源には2つのパターンがある。ひとつは、大名屋敷の跡地から発展したパターンだ。以前に掲載した、「古地図を片手に住みたい街を散歩してみたら・・・」の記事での取材中、高級住宅地の多くに、江戸時代は大名屋敷や武家屋敷が建っていたことに気がついた。

明治維新がきっかけで高級住宅地が誕生

例えば、松濤は紀州徳川家の下屋敷。明治初期に払い下げを受けた鍋島家が、「松濤園」という茶園を開き狭山茶を栽培したことから、松濤という地名がついたと言われている。麻布には伊達家や南部家の下屋敷を始めとして、多くの武家屋敷が連なっていた。白金も同じく大名の下屋敷が存在していた。

ここでポイントになるのが、下屋敷。下屋敷とは、本邸以外の大名屋敷で、江戸城から離れた江戸近郊に建てられた。明治以降の都市拡張で、郊外へと土地が広がる過程で、大名の土地だったというステータスから富裕層が住宅を建築しはじめたのだ。

大名屋敷は江戸城からの距離により、上屋敷、中屋敷、下屋敷に分けられ、江戸藩邸とも呼ばれる


では、冒頭の田園調布は、いかにして高級住宅地となったのだろうか。それが、2つめのパターンである、意図的に作れた高級住宅地である。

ホワイトカラーや富裕層に向けて作られた高級住宅地

そもそも田園調布は、実業家である渋沢栄一らが、大正初期に田園都市計画に基づいて開発した住宅地。イギリスのエドワード=ハワードが唱えた、都市生活と田園生活の両方の良さを享受できる「田園都市構想」が根底にある。都市に働きにでるホワイトカラー層に向けたベッドタウンで、緑地や広場、広い道路などを備えて居住環境を整えた。

元々は中堅層向けだったが、当時のホワイトカラーはエリート層。また、住宅地としての住環境の高さ、関東大震災後に地盤の強さが評価されたことなどにより、徐々に高級住宅地として認知されるようになった。

一方で、西における高級住宅地の代名詞、芦屋も田園調布と同じく意図的に造成された土地。起源は、「東洋一の住宅地」を目指して香港の九龍半島やそ香港島の白人専用街区をモデルに開発が行われたのが、なかでも高級住宅地として名高い六麓荘町だ。一定の敷地面積以上を有する豪邸や広い道路、地中化された電線類などにより、芦屋=高級住宅地のイメージを印象づけた。

写真は芦屋市山手町にあるヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)。芦屋市街を一望できる高台に建つ。フランク・ロイド・ライトの設計で、1924年に竣工。国の重要文化財

住民達の合意で守られる景観と住みやすさ

田園調布と六麓荘町に共通するのは、街を守り続ける姿勢。田園調布は、開発当初の理念を受け継いだ紳士協定である「田園調布憲章」を、六麓荘町は「六麓荘町地区建築協定」により、敷地面積の最低限度や建物の高さなどが厳しく規制されており、乱開発がされないようにして、格式を保っている。

それなりの歴史と理由がある高級住宅地。しかし、今でも周囲の利便性や新興住宅地としての再開発などで、新たな高級住宅地が続々と誕生している。一方で、今は高級住宅地でも、将来の人口動態によっては、その価値が毀損されてしまう可能性もある。ステータスだけで選ぶのではなく、生活スタイルと将来も鑑みた上で、慎重に選びたいものだ。

最終更新日:2018年08月30日

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