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空き家でも賃料が払われる「マイホーム借上げ制度」とは?

2017年03月16日

コージー林田

空き家でも賃料が払われる「マイホーム借上げ制度」とは?

住宅循環社会が構築されるかも

空き家でも賃料が払われる「マイホーム借上げ制度」とは?

「空き家対策特別措置法」では、問題のある空き家を「特定空家等」と定義して、取り壊しや修繕などの指導、勧告、命令が可能になった。こうなる前に、実家の空き家対策をしておきたい。(写真:アフロ)

将来、実家が住みづらい場所になるかも……。「立地適正化計画制度」とは?

私事で恐縮だが、年末年始に実家に帰ったときに、実家の住みづらさが話題に上った。若い頃は良かったが、年を取ると家にたどり着くまでの坂と階段がつらいとのこと。また、子どもが同居していないので、部屋が余っており、子ども部屋は物置状態に。掃除も面倒だという。現在は両親も元気だが、もし何かあれば、実家は空き家になってしまう可能性が高い。同じような状況の悩みを抱えている団塊ジュニア世代は多いだろう。

そんな中、選択肢のひとつとして考えられるのは、早い段階での家の売却。その目安になるのが「立地適正化計画制度」だ。行政と住民や民間事業者が一体となったコンパクトなまちづくりを促進するために、国土交通省が創設した制度である。

コンパクトなまちづくりとは、医療・福祉施設、商業施設や住居等がまとまって立地し、高齢者をはじめとする住民が公共交通によりこれらの生活利便施設等にアクセスできるようにする計画のこと。検討している地方都市は多く、北海道札幌市や熊本県熊本市、岩手県花巻市などは、すでに立地適正化計画を公表している。

札幌市の立地適正化計画による各地域及び誘導施設の設定。(画像は計画書より抜粋)


もし、実家が計画外のエリアにある場合は、将来的に住みづらくなり、地価や家の価値も下がる可能性があるだろう。その場合、早めに手を打った方が賢いかもしれない。現在、筆者の実家がある市は立地適正化計画を策定中だったので、こまめに確認するようにしておきたい。

立地適正化計画のエリア内ならば、交通の便や医療・福祉施設、商業施設へのアクセスがよいということ。将来的には売却もしやすいだろうし、地元に戻った子どもが住み継ぐという選択肢もある。

実家を賃貸に出す手助けをしてくれる「移住・住みかえ支援機構」

売却や相続の前に賃貸に出すという考え方もある。そもそも、4人家族が住む前提の家に年老いた両親が住んでいるのは効率が悪い。貸して得られる収入で、2人暮らしに丁度いい大きさの部屋を借りて、家族で住む家を探している子育て世代に貸すほうが合理的で空き家対策にもつながるのではないだろうか。

そういった考えに基づいて、中古住宅の活用に取り組む団体もある。一般社団法人「移住・住みかえ支援機構(JTI)」だ。JTIは、個人住宅が空室時でも賃料を保証した上で、長期にわたって借上げる「マイホーム借上げ制度」を実施している。

「マイホーム借上げ制度」とは、JTIが家(戸建て、共同住宅、マンションなど)を借上げ、第三者に転貸。転貸収入から借上げ賃料を支払う仕組み。特筆すべきは、契約中は、空き家となった場合も、JTIが査定賃料下限の85%を目安とした最低保証賃料を支払ってくれることだ。また、JTIと入居者との間に建物賃貸借契約が結ばれるので、家賃の徴収など入居者と直接関わる必要がないのもメリットである。

画像は、「移住・住みかえ支援機構(JTI)」のホームページにある「マイホーム借上げ制度」の概要。


契約形態には、制度利用者が亡くなるまで借り上げる「終身型」と、制度利用者があらかじめ指定した期間を借り上げる「期間指定型」がある。「終身型」の場合、入居者とは3年毎に契約が終了して再契約となるので、期間満了のタイミングで利用者から入居者に解約を通知すれば、家に戻ったり、子どもに相続させたり、売却したりすることもできる。「期間指定型」の場合、指定した期間が満了するタイミングで解約できる。

契約条件は複数あるが、主なところでは「50歳以上」、「建物診断を制度利用者負担で受ける」、「1981年6月の新耐震基準以前に建築確認が申請された住宅については、耐震診断を受ける」など。もちろん、「土地の所有権または適法な権利(借地権や長期の定期借地権)を持っていること」、「対象住宅に関する固定資産税の滞納や、不動産関連の支払いが滞っていないこと」、「共同所有の場合は、登記簿に記載された共有者全員が制度利用を承諾し、契約の際当事者となること」などの前提条件を満たす必要がある。

定期借家、家賃保証があることから、賃料は周辺相場より10~20%ほど安くなり、保証原資の積立金も賃料の15%かかる。しかし、現在、部屋数が多かったり、立地条件で不満を抱えていたりするのなら、早めに賃貸に出して住みかえたうえで、ゆっくりと実家の処分方法を考えるのも選択肢のひとつかもしれない。

すでに、実家が空き家になっている場合は「おまかせ借上げ制度」を検討してみてはどうだろうか。これは、JTIが10年以上の定期借家契約で借上げ、耐震改修工事などを行い、入居者に転貸。内装のリフォームなどは入居者の負担で自由に行うというものだ。その分、賃料収入は少なくなるが、初期費用を抑えたうえで、使っていない空き家を賃貸に出すことができる。

ライフステージに合わせた住み替えで住宅を循環させる

野村総合研究所によると、2033年の空き家数は2013年の820万戸から2167万戸に増加。住宅総数に占める割合は30.4%まで高まる可能性があるという。空き家の増加は社会的な課題だが、住宅を世代間で循環させるという考え方があれば、子育て世代の住宅問題解決につながる可能性はある。

子育て世代が賃貸で3LDKの物件を探そうとすると、物件数は1Kや1LDKに比べると減ってくる。結果として、子育て世代は住宅の購入を考えることになる。(写真:アフロ)


日本では、「終の住処」という考え方が強い住宅購入だが、ライフステージに合わせた住み替えが浸透すれば、欧米のように住宅が循環する社会になるのかもしれない。

最終更新日:2017年03月16日


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