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敷金は返ってくる! 民法改正で賃貸・住宅購入周りに大きな変化...

2017年06月07日

コージー林田

敷金は返ってくる! 民法改正で賃貸・住宅購入周りに大きな変化が

瑕疵担保責任と敷金に注目しよう

敷金は返ってくる! 民法改正で賃貸・住宅購入周りに大きな変化が

民法とは、六法(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法)のひとつで、私権に関する法の総称。契約や売買など、一般人が社会生活を営むうえで必要な法律が定められている。(写真:アフロ)

金銭のやりとりが発生する契約に大きな変更が発生

4月14日に衆議院本会議で可決した民法改正案。今後、参議院での審議が残っているが、このままいけば、今国会で成立する見通しだ。成立すれば、抜本的な改正は明治以来、約120年ぶりとなる。


今回の大きなポイントは、債権法関連規定の見直しだ。簡単にいえば、金銭のやりとりが発生する契約に大きな変更が発生する。実際、10年一昔という言葉もあるのに、明治時代の法律では、現在の複雑な契約や取引に対応しきれるはずもない。現実的には判例で定着したルールに基づいて運用されているが、この判例で定着したルールを法案に反映させるという。


改正案には様々なポイントがあり、一般消費者に関係がありそうなところでは、 

  • 消費者保護の観点による約款の見直し
  • 買主保護の観点による瑕疵対応の見直し
  • 法定利率の見直し
  • 金銭の貸し借りの時効を統一。原則5年に設定
  • 敷金トラブル解消のために敷金ルールを明文化
  • 認知症の高齢者など、判断力が弱い人が結んだ契約を無効にできる
  • 個人が連帯保証人になることを原則禁止。必要があれば公正証書の作成が必要 


などがある。

今回は「おうちマガジン」ということもあり、とくに住宅購入や賃貸に関係する、「瑕疵対応の見直し」と「敷金ルールの見直し」、「認知症の高齢者など、判断力が弱い人が結んだ契約を無効にできる」の3項目のポイントについて取り上げたい。

民法改正でも瑕疵にはしっかりと対応

最初に、「瑕疵対応の見直し」について触れておこう。「瑕疵(かし)」とは、売買の対象とされた商品に対して、通常あるべき品質や性能を有していない欠陥のこと。住宅の場合、一般人では簡単に発見できないような瑕疵、いわゆる「隠れた瑕疵」があった場合は、売主に損害賠償の請求、または、契約の解除といった対応を求めることができる。つまり、瑕疵担保責任(欠陥があったときに売主が負うべき責任)である。


まず、平成27年3月31日に国会に提出された「民法の一部を改正する法律案(法律案要綱)」では、この「瑕疵」という表現が改められた。現在の民法では「仕事の目的物に瑕疵があるとき」とされているが、改正後は「仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないものであるとき」と、わかりやすい表現に変更されている。


では、「契約の内容に適合しないものであるとき」には、売主にはどういった責任が発生するのか。「民法の一部を改正する法律案(法律案要綱)」では、

引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができるものとすること。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができるものとすること。

とされている。
住宅の場合は同じ商品が存在しないので、代替品は不可能。欠陥があれば、しっかりと補修をする必要があるということだ。
これは、現在の民法にある

請負人の担保責任

仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる。ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない。

と共通するので、「瑕疵」という表現がなくなっても、消費者に不利益になることはないので安心してほしい。


隠れた瑕疵にあたるかどうかは、ケースバイケースだが、過去の判例では、新築マンションの防水工事の不完全や中古物件における過去の自殺などが認定されている。(写真:アフロ)


あわせて、保証や賠償を請求できる期限(=債権の消滅時効)が変更された。

現在の民法は、第638条1項で、建物や地盤の瑕疵について、木造なら引き渡し後から5年まで、コンクリート造や鉄筋造などなら10年まで売主への請求が可能とされる。改正案では、請求の期限が次のように統一された。

1 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。

2 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。


簡単に言えば、住宅の構造に関わらず「瑕疵に気づいた時から5年間」は、売主に請求できるようになるということ。引き渡しからある程度時間が経っても、買主の債権を一定期間守るものと言えるだろう。ただし、現在の民法で下された判例から予想すると「引き渡しから10年」が経ってしまうと、それ以降に瑕疵に気がついても、権利が消滅している可能性もある。引き渡し後に気になることがあれば、早めの点検を心がけたい。 

敷金のルールが法律で明確にされる

敷金とは、賃料が滞納されたり、賃借人の不注意等によって損害を受けたりした場合に、賃借人がその損害等を支払わないことがないように、担保として賃貸借契約に付随して賃貸人が賃借人から預かるお金のこと。(ペイレスイメージズ/アフロ)


賃貸物件の退却時にトラブルが多い敷金についても、ルールが明文化されることになった。


基本的には、借家を出るときに、大家は家を借りた人に敷金を返還することが義務付けられた。また、借りた側の原状回復義務については、

通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く

という一文が明記されたことで、通常使用した場合の損耗と経年変化については修理しなくてよくなった。

認知症患者を狙った悪徳リフォームに効果を発揮する一文

最後は、「認知症の高齢者など、判断力が弱い人が結んだ契約を無効にできる」。これは高齢者をターゲットにした悪徳リフォームなどに効果を発揮する。改正案には、

法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しないときは、その法律行為は、無効とする。

と明記された。意思能力を有しないとは、認知症などを想定している。


今国会で成立した場合、3年以内に施行されることとなっているので、2020年頃を目処に運用が始まることとなる。その頃に家を買ったり引っ越しをしたりするときには、少なからず関係してくる法律なので、成立した場合は、最低限の内容は確認しておきたい。


最終更新日:2018年08月31日

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