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あのテーマパークに住める! 実は園内に住宅街があった

2018年04月17日

コージー林田

あのテーマパークに住める! 実は園内に住宅街があった

住所は佐世保市ハウステンボス町

あのテーマパークに住める! 実は園内に住宅街があった

ハウステンボスは長崎県佐世保市にある。ちなみに、行政上の住所は、長崎県佐世保市ハウステンボス町1-1だ。愛知県豊田市や群馬県太田市スバル町のように企業の名前が市名や町名になることはあるが、テーマパークは全国でも珍しいだろう。(写真:アフロ)

森くんのおうちが「ハウステンボス」と呼ばれた理由とは?

学生時代、友人である森くんの家は、仲間内で「ハウステンボス」と呼ばれていた。オランダの街並みを再現したあの有名なテーマパークの名前である。元々、「長崎オランダ村」を発展的に拡張して生まれた観光スポットだ。


実は、ハウステンボスとはオランダ語で「森の家」を意味する。長崎出身である筆者は、オープン当初のハウステンボスでイベントのバイトに携わっており、ハウステンボス=森の家は、仲間内で誰ともなく言いだした身内ネタだった。


ハウステンボスで働いていたのは、20年以上前の話。今とは経営母体が異なるのだが、オランダの宮殿庭園を模した美しい園内の景色や建物はその頃から素晴らしかったし、今と同じく「ホテルヨーロッパ」などの豪華なホテルも複数存在していた。


バイト中は「面倒だから、ホテルに泊まって出勤したいよなー」などと軽口を叩いていたのだが、誰かが「ハウステンボスは家も売っているから、買って住んじゃえば」と言ったことが、なぜか強い印象として残っている。


残念ながらハウステンボスは2003年に経営破綻してしまう。ファンド傘下で再建を模索するが上手くいかず、2010年にHISの経営支援を受けることになった。そこからのV字回復は、さまざまなメディアで報じられているのでここでは割愛しよう。


「ハウステンボスに住む」。実は当時、その言葉と共に「でも、あんまり売れていないんだよね」という地元の声も聞いていた。今でも、ハウステンボスに住むことはできるのか。気になって調べてみた。

園内の分譲区画「ワッセナー」にオランダの伝統住宅を模した家が並ぶ

結論からいえば、ハウステンボスには今でも住むことができる。園内の一区画で、分譲住宅が販売されているのだ。その区画は「WASSENAAR(ワッセナー)」と呼ばれている。

誕生した当初にハウステンボスが掲げた理念は、「通過型の観光施設ではなく滞在型のリゾートを」。豊かな自然環境と共存を目的として、戸建129戸、マンション120戸を含む「ワッセナー」が建設された。写真は佐世保市の風景。(写真:アフロ)


「ワッセナー」は、オランダの都市名だ。ハーグ郊外に位置し、高級住宅街として知られている。個人的には、幕末の長崎で医療に携わったオランダ人医師「フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト」の生まれ故郷であるライデン市(ライデン大学には日本学科が設置されており、市内には日本博物館シーボルトハウスがあるなど、とても日本と関係が深い土地である)にも近いことに縁を感じる。


ハウステンボスの「ワッセナー」は、このオランダの高級住宅街をモチーフにしたもの。住居の眼前には運河があり、ヨットを停留させられる住居も存在する。また、レンガを多用した外観は、まさにオランダの住宅そのものだ。シンメトリーの窓を持つなど17~19世紀のオランダの伝統的な住居をモデルにしているという。

写真は、オランダのKasteel Duivenvoorde(ダイフェンオールデ城)。ワッセナーの建物とよく似ている。(写真:アフロ)


ちなみにレンガは単に見た目の為だけでなく、雨を吸収して大地に浸透させる役割をもつ。一部の道にもレンガが敷き詰められている。これにより、河川や溝、海、運河への負担が軽減され、集中豪雨などによる水害を未然に防いでくれるという。


ハウステンボス内にあるとはいえ、いわゆるアミューズメントエリアとは運河を隔てており区画も異なるので、その喧噪が伝わってくることはないという。その一方で、美しい景観やイルミネーション、花火などは楽しめるので、いいとこ取りといったところだろう。ハウステンボスの反対側には、大村湾の美しい青やその先にある山々の緑が目に入る。


もちろん「ワッセナー」自体も花や緑に囲まれているので、四季折々の自然を感じることができるだろう。「ワッセナー」は、7街区に分かれており、それぞれの通りに咲く花から名前が付いている。「アゼレア」「ベゴニア」「シクラメン」「ダッファディル(水仙)」「エリカ」「フリージア」「ゼラニウム」。一年中、様々な花で彩られるのだ。

ハウステンボスのサイトには売り出し中の住宅が掲載されている

気になるのは「ワッセナー」にある住宅の価格だろう。「ワッセナー」の物件の売買や不動産資産の管理、街全体の運用は、「ハウステンボス・技術センター」という関連会社が行っており、そのホームページには、仲介物件が掲載されている。戸建て物件は、売約済みも含めて4000万~8500万円。最も高いものは、4LDK(敷地面積:640.86m2・延床面積:189.63m2)で船を係留する40フィート(約12m)の桟橋がある住宅だった。


写真はハウステンボス・技術センターの公式サイトの画面キャプチャー(4月4日現在のもの)


「ワッセナー」の魅力は、管理体制にもある。住宅によって決まる管理費(上記物件は約3万円)はあるが、それ相応のサポートが受けられるのだ。その内容は、管理センターによる地区への入退場の24時間監視。ケータリングや室内清掃、植栽管理のサービス、リネンのレンタル、クリーニング、日用品の販売も行っているという。これは、定住者以外にも、別荘や企業の保養所として利用されているからだろう。


「ワッセナー」には、戸建て住宅だけではなくマンションも存在する。こちらは2LDKで2000万円台が中心。2LDK(専有面積:82.95m2)のマンションは2400万円で、別途で管理費・共益費が月額2万4360円、修繕積立金が月額1万200円だった。また、マンションでは、月額13万円の賃貸物件も存在した。


マンションといっても高さはなく、オランダの雰囲気を壊していない。最寄り駅はハウステンボス駅で徒歩13分。写真はハウステンボス・技術センターのサイトより抜粋。

リタイア後の住まいや別荘としての需要でも人気

「ハウステンボスに住める」という話を聞いたとき、同時に聞こえた「でも、あまり売れていない」という地元の声。実際、強気の価格設定やバブル崩壊後の不況、また、ハウステンボス自体の不振もあり、苦しんだ時期もあったようだ。しかし、現在はリタイア後の住まいや別荘需要として、徐々に人気が高まっているという。


「ワッセナー」はハウステンボスというアミューズメント施設内にあることが注目されがちだが、出入りのチェックが管理会社によって行われていることから、日本では珍しい「ゲーテッドタウン」の走りとして捉えると面白い。住人にはある程度、資産に余裕がある人も多いだろうから、田園調布や芦屋のように、ホームオーナーズアソシエーション(住民による街づくりや管理)が生まれる可能性もあるだろう。


ゲーテッドタウンについては、「治安が良くて安心」とか「所得による階層化につながり社会の分断を煽る」などさまざまな意見があるだろうが、「ワッセナー」の街づくりは、ひとつのモデルケースとしてみることができるかもしれない。


【参考サイト】

最終更新日:2018年04月17日

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