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3Dプリンターで家を建てる!? 建設業界の技術革新に迫る

2018年05月15日

コージー林田

3Dプリンターで家を建てる!? 建設業界の技術革新に迫る

建設とテクノロジーとの融合

3Dプリンターで家を建てる!? 建設業界の技術革新に迫る

ペイレスイメージズ/アフロ

建設(コンストラクション)×テクノロジー=「コンテック」

最近流行りの「○○テック」。○○に入るのは業界の名前で、特定の業界にIoTやAIといったテクノロジーを導入することで、イノベーションを引き起こそうという取り組みだ。例えば、金融(ファイナンス)なら「フィンテック」、農業(アグリカルチャー)なら「アグリテック」、保険(インシュアランス)なら「インシュアテック」といったところ。住宅関係では、不動産(リアルエステート)と組み合わせた「リアルエステートテック」がある。


リアルエステートテックは不動産テックとも呼ばれ、VRやARを利用した内見、ビッグデータとAIを活用した売買、AIによる住宅ローン審査などが挙げられる。基本的には、不動産取引をテクノロジーで便利にしようといった考えである。一方、マンション建設や橋やダムといった土木作業の施工にテクノロジーを導入したのが、建築(コンストラクション)×テクノロジーである「コンテック」だ。


建設業界は50兆円規模の巨大産業だが、少子高齢化による人手不足などが懸念されている。この人手不足は都心部のマンション価格高騰の理由の一因ともなっている。「コンテック」はそういった現状を打破するために期待されているが、テクノロジーをより具体的、有機的につなげて、課題解決に役立てようといった試みがある。


それが、大手建設機器メーカー「コマツ」が提唱する「スマートコンストラクション」や国土交通省が提唱する「i-Construction(アイ-コンストラクション)」だ。いずれも、コンテックの考え方を含んでおり、ICT(情報通信技術)やIoTを活用して、建設生産システム全体の生産性を向上させようといったもの。


国土交通省は、これらの取り組みにより「新3K(給与が良い、休暇がとれる、希望がもてる)」の魅力ある建設現場を実現し、ソサエティー5.0(超スマート社会)を支えるインフラマネジメント(過去に建設された橋や道路といった社会資本を維持管理、修繕すること)を構築するという目標を立てている。

ドローンが空から測量 手間を削減しつつ精度は上げる

具体的には、どういったことができるのか。建設や土木では、「測量」「施工計画作成」「施工・施工管理」「検査」といった手順がある。例えば、測量ひとつとっても、二人一組で数mずつ移動し、2次元の現況図と完成図を見比べながら作成していくという。しかし、「スマートコンストラクション」ではドローンを利用して、数cmピッチで自動測量。LIDAR(レーザースキャナー)なども併用することで、高い精度の測量が可能になるのだ。


写真:アフロ


特に未来を感じるのは、施工の部分だろう。コマツを始めとして、大手建設機器メーカーは、無人の建設機器を次々とリリースしている。GPSや3Dデータ、通信回線を駆使することで、ショベルカーなどを遠隔や自動で操作し、穴掘り、盛土、舗装などを行うという。また、ダンプの自動運転などで搬出の効率化も進んでいる。この技術は、施工現場の人手不足解消だけでなく、人が立ち入れないような災害現場での普及も期待されている。


コマツの無人ダンプトラック運行システムは商用導入から10年になり、稼働台数100台超を達成している。現在は合計3カ国・6鉱山・3鉱石運搬で24時間稼働中。写真はリリースより抜粋


また、全行程の情報や3Dデータを一元管理することで施工を見える化も可能だろう。遠隔でも適切な施工管理が可能になったり、建設後にも効率的な検査管理が可能になったりするといったメリットがある。上手く活用すれば、災害などによる被災箇所修復がスムーズに進むといったことも考えられる。

家や橋を3Dプリンターで建設

「スマートコンストラクション」や「アイ-コンストラクション」では触れられていないが、世界ではさらに驚きの「コンテック」が進んでいる。それが、3Dプリンターの活用だ。スペインでは、世界で初めて、長さ:12m、幅:1.75mの橋が3Dプリンターで作られて話題になった。


また、アメリカの「Apis Cor(アピスコー)」という会社は、38m2の家を特製の建設用プリンターで作ってしまったという。かかった時間は24時間で、費用は約113万円だったというから驚きだ。日本では大林組が、特殊なセメント系材料を用いて、型枠を使わずに建築物や土木構造物の部材をさまざまな形状で自動製造できる3Dプリンターを開発している。


ロボットアームからインクを吐出し積層造形することで、建築物や土木構造物の部材を自動で製造。写真はリリースより。


VRやARの進化も建築の未来に大きく貢献するだろう。「スマートコンストラクション」や「アイ-コンストラクション」によって、精密な3Dデータが取れたら、それを元にVRを作成し、施工前に動線や使い勝手を細かく確認できるようになる可能性もある。


建設や土木は関わる企業も多く、また土地によって施工方法も変わるので、ITによる仕組み化が難しかった。しかし、GPSやLIDAR(レーザースキャナー)の性能向上やクラウドによる工程の一元管理、設計図と全行程の紐付けなどが容易になったことで、加速度的にテクノロジーとの融合が始まっている。


近い将来、マンションの建築現場ではドローンが飛び回り、無人の機器が所狭しと動き回っているかもしれない。


最終更新日:2018年05月15日

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