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マンションに電気自動車の充電器を無料で設置できる!? 行政と...

2018年07月09日

コージー林田

マンションに電気自動車の充電器を無料で設置できる!? 行政と民間の取り組み

EV普及の壁はマンションにあり

マンションに電気自動車の充電器を無料で設置できる!? 行政と民間の取り組み

(写真:アフロ)

マンションがネック? 電気自動車(EV)が普及しない4つの理由とは

電気自動車(EV)購入を検討しながらも、マンションに住んでいるためEV充電器がなく断念したという声は多い。新築マンションでは設置が検討されることはあるだろうが、都内に10万棟以上といわれる既存マンションでの設置数は十数例とも言われている。実際、経済産業省の調べではEV購入者の9割が戸建てに住んでいる。


EVの普及は中長期的にみれば増加するだろう。100年に一度の大転換期を迎えたと言われる自動車業界は、「電動化」すなわちEVの普及に舵をきりつつあるからだ。世界各国も政策として力を入れており、今後は普及に弾みがつくと予想されている。


しかし、現状では街中でEVを目にすることは少ない。EVの代表格と言える『日産リーフ』でも、国内累計販売台数は約10万台(ちなみに世界では30万台以上を販売しており、これは世界で最も売れているEVである)。ハイブリッドカーである『トヨタ プリウス』が2017年だけで約16万台を販売したことを考えると、まだまだ、珍しいクルマと捉えられることが多いだろう。


写真は新型リーフ。プレスリリースより抜粋。


なぜ現状では普及が進まないのか。理由は、大きく4つあると考える。


一つ目は、走行距離が短いと思われていることだ。しかし、2010年に発売された初代リーフに比べると、2017年10月に発売された二代目リーフは、格段に走行距離が伸びていて、日常のほとんどのシーンで不便がない。


二つ目は、充電スポットの普及が進んでいないと思われていることだ。「ガソリンスタンド並みにあれば安心」という声も聞かれるが、実は充電スポット数は、すでにガソリンスタンドに迫っている。経済産業省によれば、現在の充電スポット数は、普通充電と急速充電を合わせると約2万8500基。一方、ガソリンスタンド数は、2017年3月末現在で3万1467カ所。ガソリンスタンドは減少傾向にあるので、逆転は時間の問題だろう。


一つ目と二つ目は、EVのことを調べれば購入のデメリットにならないと判断できる。しかし、三つ目と四つ目は、二の足を踏む要因になりそうだ。


三つ目とは、充電時間の長さである。新型リーフの場合、急速充電器ならバッテリー残量警告灯が点灯した時点から約40分で80%までの充電が可能。標準装備の3kW普通充電器なら16時間、オプション設定の6kW普通充電器なら8時間ほどで満充電だ。自宅に6kWの普通充電器を設置すれば、夜間に充電が完了することになる。マンションなら、急速充電器があれば、効率的に充電ができるだろう。また、電池性能は今後向上するので、充電時間は短くなるはずだ。


四つ目は、冒頭でも触れたとおり、マンションなどの集合住宅に普通充電器がないことだ。東京カンテイが2018年1月31日に出したプレスリリース「全国の分譲マンション普及率」によると、全国の世帯数に占める分譲マンション戸数の割合を示す「マンション化率」は12.41%。首都圏は21.79%、東京都は27.20%とされている。ある意味、EVの普及には集合住宅への充電器設置が欠かせないのだ。そんななか、東京都が注目の取り組みを始めた。

マンションへのEV充電器設置の負担額が実質ゼロ!?

東京都は、環境基本計画で、都内の温室効果ガス排出量を2030年までに2000年比で30%削減することを目標に掲げており、その一環で、EVを含む排出ガスゼロの車の普及促進に積極的に取り組んでいる。最終的には、東京都は2040年代までに都内でのガソリン車販売ゼロを目指すという。その諸施策のなかに、2018年度から「集合住宅における充電設備等導入促進事業」が加えられた。


この事業は、集合住宅でEVやPHV(プラグインハイブリッド自動車)の充電設備を設置する場合、経費の一部を助成するというもの。充電設備の電源として太陽光発電システムを設置する場合も、経費の一部または全部を助成してくれる。対象となるのは、集合住宅の所有者、マンションデベロッパー、マンション管理組合、集合住宅でカーシェアリングを行う事業者などで、国と都の補助金を合わせると、設備購入費と設置工事費が実質、住民負担ゼロになる。


都市部のマンションには機械式の駐車場も多い。(ペイレスイメージズ/アフロ)


また、経費の助成だけでなく、住民の合意形成のために、マンション管理士などの資格を持ったアドバイザーの派遣を行うのもポイントだ。


もし、既存のマンションに充電設備を設置しようとしたら、電気容量や設置場所、費用などを管理会社などと協議した上で、管理組合の決議にかける必要がある。もし共用部分に設置するなら、管理組合の過半数、大規模改修の場合は3/4以上の同意が必要になる。


しかし、この決議で頓挫するケースも多いという。理由は簡単で、EVを所有していない、もしくは今後所有するつもりがない人にとっては、必要のない設備だから。一部のEVユーザーの利益を住民全体で負担する不公平感があるのだ。また、現状では普及が進んでいないので、必要ないという声も多いという。住民の自己負担が実質ゼロで合意形成のアドバイスももらえるようになれば、これまでよりは設置のハードルが下がるのではないだろうか。

民間企業も既存マンションへの充電器設置を進める

民間でもマンションへ充電器を設置する取り組みが始まっている。日産自動車とNEC、大京アステージは、分譲済みマンションにEV用の充電器を設置する実証実験を開始。大京アステージが管理する首都圏の分譲済みマンションから対象物件を選定し、管理組合の合意が得られたマンションで、実効性を検証するという。


内容は『日産リーフ』の購入者が居住するマンションの駐車場に、初期費用実質負担ゼロで充電器を設置するというもの。ユーザーは、月々のサービス基本料と電気料金のみで利用可能となる。初期費用実質負担ゼロなので、マンション管理組合における費用負担は発生せず、また、管理規約の改定や理事会、総会の調整は大京アステージがサポート。NECはEV充電器の設置、運用・保守、EVクラウドによる充電設備の遠隔管理を担当する。


写真は実証実験のスキームを図にしたもの。リリースより抜粋。


経済産業省の「EV・PHVロードマップ」では、「2020年に国内のEV・PHV保有台数を最大100万台とする」といった目標が設定されている。その普及策として「国民の約4割が居住している集合住宅への充電器設置が重要である」とも記されている。


現在、EVといえば『日産リーフ』がすぐに思い浮かぶかもしれないが、欧州メーカーが音頭をとりながら、EVシフトは確実に加速していく。当然、電池の進化で走行距離が伸び、充電時間も短くなっていくだろう。今以上に、EVはクルマ選びの選択肢として存在感が生まれるはずだ。今後、設備にEV充電器があるというマンションが増えていくのではないだろうか。


最終更新日:2018年07月09日

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