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人生100年時代、老後の生活は本当にその家で大丈夫? 

2018年11月20日

コージー林田

人生100年時代、老後の生活は本当にその家で大丈夫? 

選んだ土地によっては負動産に……

人生100年時代、老後の生活は本当にその家で大丈夫? 

写真:アフロ

坂の街、長崎で直面した老後の暮らしの問題点

「若い頃は体の自由がきかなくなるなんて、考えもしなかった。分かっていたら、こんなところに家を建てなかったのに……」。これは、筆者が帰省したときに、ご近所さんから聞いた言葉。地元は長崎市。日本でも有数の坂の街で、実家も山の中腹、坂どころか階段の途中にある。足腰が丈夫でもつらいと感じる階段だけに、高齢者は大変かもしれない。もし、足腰が弱ったり、病気になったりすると、途端に外出が難しくなる。そういった事情もあり、長崎市は平地にマンションが増え、そこに引っ越す人が増えているという。


しかし、いざ自分事として考えたときにふと思った。家を購入するときのこだわりや条件はさまざまあるだろうが、「老後」を考えているだろうか。すでに持ち家を持っている知人に話を聞いても、「老後」をリアルに想像している人は少なかった。実は、40代・50代の住宅取得動機をみると「老後の安心のため」という項目が30%前後を占めている。しかし、選び方によっては、老後の安心どころか、悩みの種になるかもしれないのだ。

足腰の弱まりや免許返納で、行動範囲が極端に狭まる

自分の両親や周りの状況を鑑みるに、老後、快適に暮らせなくなる最大のポイントは、立地にあるようだ。例えば、前述の階段。スーパーで買い物をしたあと、重い荷物を持って上がるのは、お年寄りにはしんどい。同じ理由で、坂の上にある土地も厳しいだろう。また、クルマでの移動を前提にしていると、運転ができなくなった途端に買い物難民になってしまう。交通の便の悪さは、一部のニュータウンが廃れつつある理由のひとつだ。


ペイレスイメージズ/アフロ


では、どういった場所に家を購入すればいいのか。目安のひとつとなるのが、「立地適正化計画制度」の実施状況だ。これは、行政と住民や民間事業者が一体となったコンパクトなまちづくりを促進するために、国土交通省が創設した制度。医療・福祉施設、商業施設や住居等をまとめることで、高齢者をはじめとする住民が公共交通を使って生活利便施設にアクセスしやすくなる。北海道札幌市や熊本県熊本市、岩手県花巻市など、すでに立地適正化計画を公表している地域もあるので、自分が住む地域でも確認しておくといいだろう。

足腰が弱まると階段移動は困難。転倒などでケガのリスクも

立地以外でも、気を付けたいポイントはある。それは、間取りだ。一戸建て住宅取材をしていると、1階はガレージや浴室などにしてしまって、2階にリビング、3階に寝室といった狭小住宅をみることがある。しかし、年をとると、洗濯物を干すためにベランダのある2階に上がるだけでも一苦労というケースも多い。「家の中で足腰を動かす動線があれば、体を動かして衰えにくい」という意見もあるが、ケガや病気で体が弱ると、そうも言っていられない。年をとっても移動がしやすい間取りかどうかは、しっかりと考えておく必要があるだろう。


写真:アフロ


間取りに関していえば、リフォームのしやすさも重要だ。老後のリフォームでは、部屋の数を減らす減築やバリアフリー化、寝室とリビングやトイレを近くするなどが多い。減築では、思い切って2階をなくして平屋にするケースもある。また、バリアフリーでは、車椅子が入れるくらいの廊下幅を最初から取っておくとリフォームがスムーズだ。

とりあえず家を貸して、自分たちは小さな住まいに引っ越すという選択も

しかし、若いうちから老後の心配ばかりして家を建ててもつまらない。日本では、「終の住処」という考え方が強い住宅購入だが、いっそのこと、ライフステージに合わせた住み替えを検討してもいいのではないだろうか。


一般社団法人 移住・住みかえ支援機構(JTI)の「マイホーム借上げ制度」は、

50歳以上のシニア世代のマイホームを借上げて転貸し、賃料収入を保証する仕組み。自宅を売却することなく、住みかえや老後の資金として活用できるという。あくまで貸しているだけなので、ある時期がきたら子どもにマイホームを譲ったり、売却して現金化したりもできる。こういった制度を利用して、立地の良い場所にある物件などに住みかえるのも、ひとつの選択肢だ。 


画像は、「移住・住みかえ支援機構(JTI)」のホームページにある「マイホーム借上げ制度」の概要。

健康年齢を過ぎたら、ケガのリスクが急増する

老後を見据えた家づくりに加えて、現役世代の場合、親の住居も気になるところだ。健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を健康年齢という。男性は72.14歳、女性は74.79歳とされているが、この年齢あたりから、家庭内での事故の発生数も増えてくる。


例えば、家庭における65~69歳の「転倒・転落」による救急搬送者数は、男性で290.6人/10万人、女性で291.7人/10万人。これが75~79歳では、男性で744.8人/10万人、女性で983.1人/10万人に跳ね上がる。ちなみに、「転倒・転落」について、事故要因別に見ると、家庭内では「居室」「階段」「廊下」「玄関」「ベッド」などが多かったという。両親の健康年齢が見えてきたら、いままでの住み方や間取りなどを見直してみてはどうだろうか。必要があれば、住み替えやリフォームなども検討するべきだろう。


終の住処として購入しても、加齢によって住みやすさは変わる。自分も老いることを自覚した上で、どういった住まい方をしたいのかを頭の片隅に入れておきたい。


【参考サイト】

最終更新日:2018年11月20日

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