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太陽光発電は売電から蓄電に。売電期間が終了したらどうすればい...

2019年04月01日

コージー林田

太陽光発電は売電から蓄電に。売電期間が終了したらどうすればいい?

「2019年問題」の対応方法

太陽光発電は売電から蓄電に。売電期間が終了したらどうすればいい?

(GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ)

FIT終了が始まる「2019年問題」。もう売電はできないの?

住宅設備としての太陽光発電が普及したきっかけは、2009年11月に始まったFIT(固定価格買い取り制度)によるところが大きい。この制度は、太陽光パネルで発電した電気のうち、自宅で使用しなかった余剰分を、10年間にわたり電力会社が一定価格で買い取るといったもの。当初は太陽光パネルが高額だったこともあり、売電価格も48円/1kWh(住宅用)という高い金額が設定された。売電価格は、2009・10年が48円、2011・12年が42円、2013年が38円と年々、低下していき、2019年は26円となっている。


勘の良い方なら、これだけでピンとくるだろう。今年、2019年11月から、FITが終了する住宅が順次出てくるのだ。資源エネルギー庁によると、2019年の11月・12月だけで約53万件、累積では2023年までに約165万件が終了。これは、原発約7基分(670万kWh)に匹敵する電力だという。俗にいう「2019年問題」だ。

 

図は、資源エネルギー庁のスペシャルコンテンツ「住宅用太陽光発電にせまるFIT買取期間の満了、その後どうする?」より抜粋。


では、「2019年問題」に直面している家庭では、どういった対策を取ればいいのか。ひとつは、売電できる事業者と新たに相対・自由契約を結ぶことだ。この事業者には、既存の電力会社と新たに電力を買い取ってくれる会社のふたつがある。


既存の電力会社は、徐々にFIT終了後の買取りについての対応を発表し始めている。いち早く発表した中部電力は、2018年8月より開始したカスタマー参加型取引サービス「これからデンキ」において、FIT制度の買取り期間が満了する家庭を対象とした新たな買取プランを導入。ただ売電するだけでなく、太陽光で昼間に発電した電気を夜に利用したり、離れて暮らすご家族や応援したい企業にシェアしたりできるという。また、イオンと提携し、買い取りした余剰電力に応じて「WAONポイント」を提供するサービスを2019年11月に開始する予定だ。


「これからデンキ」が考えるサービスの概要。図は中部電力が発表した「「これからデンキ」サービス概要」より抜粋。


その他の電力会社も買取り継続は表明しているが、具体的な買取メニューの発表は4月以降のところが多い。資源エネルギー庁のホームページに、各電力会社の対応を記したサイトへのリンクがあるので、ここから自分の家が契約している電力会社のサイトにアクセスして確認するといいだろう。

積水ハウスはオーナーから電気を買って自社の事業に使用

電力を買い取ってくれる会社と新たに契約する方法もある。卒FIT太陽光買取り契約実績 No.1を謳い、再生可能エネルギー事業や電力卸事業を手掛ける「スマートテック」は、「スマートFIT」を発表。太陽光で発電した電力を10円(消費税相当額を含む。固定価格買取制度の適用を受けており、太陽光発電設備の設備容量が10kW未満(余剰買取))で買い取るという。契約期間は、買取り開始から2年間。2年目以降は1年ごとの自動更新となる。


丸紅新電力は、小売電気事業などを手がけるパネイルとともに、丸紅ソーラートレーディングを設立。2019 年11月から、FITが終了した家庭から余剰電力を買い取り、卸電力取引所(JEPX)等へ販売する予定だという。


積水ハウスでは、積水ハウスで家を建てたオーナーから太陽光発電の余剰電力を11円/kWhで買取り、自社グループの事業用電力として利用する「積水ハウスオーナーでんき」を開始する。積水ハウスでは、一戸建住宅や賃貸住宅などに累計で700MWh以上の太陽光発電システムを設置しており、その年間発電量は約700GWhに達するという。これらの約2~3割の卒FIT電力を買取ることで年間約120GWhの積水グループの事業用電力を賄い、事業活動において使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す。

 

写真は「積水ハウスオーナーでんき」の概要。リリースより抜粋。

電気は地産地消の時代に。蓄電池や電気自動車に貯めて自宅で使う

「2019年問題」に直面している家庭が取れるもうひとつの対策。それは「自家消費」だ。つまり、できるだけ、太陽光で発電した電気を家で使うということ。昼間に発電して家電などの電力に使用しつつ、余った電力は蓄電池や電気自動車などに貯めることで夜間に使用する。


次世代エネルギー業界の発展のための調査研究及び広報活動等を行う「タイナビ総研」が調査した「太陽光発電の満足度と卒FITに関するアンケート調査」によると、太陽光設置者の54%が「FIT終了後、蓄電池やエコキュートなどを購入して自家消費する」と回答したという(住宅用太陽光発電一括見積りサイト「タイナビ」の利用者で自宅に太陽光発電を設置している全国のユーザー967名を対象に調査)。


自家消費のために電気を貯める手段には、大きく蓄電池と電気自動車の2つがある。「太陽光発電の満足度と卒FITに関するアンケート調査」では、蓄電池保有者は回答者の9%だった。その9%に購入目的を質問したところ、「非常用電源としての使用のため」が最も多く47%、そして「光熱費削減のため」が36%、「売電期間が終了するため」が13%で続いた。ちなみに、蓄電池保有者の86%は「購入したことに満足」と答えている。


図表は「太陽光発電の満足度と卒FITに関するアンケート調査」より抜粋


とはいえ、蓄電池の導入は手軽にできるものではない。その理由のひとつが、導入にかかる費用だ。一般的に言われる蓄電池本体の価格相場は、1kWhあたり約20万円前後。4人家族で半日程度の電力を賄える6.0kWhの中規模蓄電池の場合、単純計算で120万円となる。これに、設置費用や電気工事費用などがかかる。地方自治体などによる補助金もあるが、ある程度のまとまった出費は覚悟しておかなくてはいけない。


ちなみに、経産省は家庭用蓄電池に対して、2015年度に約22万円/kWhだった実績価格に対して、2020年度には9万円/kWh以下という目標価格を提示している。この目標価格は、太陽光電気の自家消費の拡大により、15年程度で投資の回収が可能となる数字だ。国もFIT終了後は電気の地産地消が必要と考えており、導入のための後押しを期待したいところだ。


蓄電池を購入しなくても、電気自動車で代替するという考えもある。これは「V2H(Vehicle to Home)」と呼ばれる仕組みで、太陽光発電による電力を電気自動車やプラグインハイブリッド車の蓄電池に蓄え、必要な時に住宅へと給電する仕組みだ。電気自動車を所持、または購入を考えており、平日はほとんどクルマを使わない家庭などは、検討する余地があるだろう。

 

図表は「リーフ」のホームページより抜粋


FIT価格の下落、そして終了により、今後の太陽光発電は、電気の地産地消が見直されるはず。売電ができなくなる家庭の事情も大事だが、大きな視点では、脱炭素化の切り札であり将来の主力電源となり得る太陽光発電。せっかく設置しているのなら、売電終了後も有効に活用していきたい。


最終更新日:2019年04月01日

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