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写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート
ネット証券でも買えるREIT商品で不動産投資デビュー
住宅は人生で最も高額な買い物。多くの人にとっては一生に一度のことだろう。しかし、なかには不動産投資で、不動産を何度も売買している人も存在する。「自分とは縁遠い話」と思ってしまう一方、人生100年時代、老後資金2000万円などといわれる昨今、資産運用の一手段として、気になる部分もあるかもしれない。不動産投資は気になるけれど、実際に物件を購入するのはリスキーだし資金もない。そんな人は「REIT」を検討してみてはどうだろうか。
REITはReal Estate Investment Trustの頭文字を取った略語。日本では「不動産投資信託」と訳される。その名の通り、投資信託の仲間である。元々はアメリカで誕生した金融商品で、国内REITは「J-REIT」という言われ方もしている。
投資信託は、投資家から集めたお金をまとめて大きな資金にして、運用の専門家である投資法人が株式や債券などに投資・運用して、その配当益を投資家に分配する商品のことだ。これを、不動産に特化させたのがREITと考えれば分かりやすい。
つまり、REITとは、投資家から集めたお金をまとめて大きな資金にして、運用の専門家である投資法人がオフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品である。証券取引所に上場している金融商品なので、ネット証券に口座を持っていれば、スマホやパソコンで購入可能だ。
REIT商品を購入するかは、「目論見書」と「資産運用報告」を参考に
もう少し分かりやすいように、実際のJ-REIT商品をひとつ例にとって説明しよう。
「星野リゾート・リート投資法人 投資証券」は、星野リゾート・アセットマネジメントを投資法人とするホテル特化型のREIT商品で、基本的には、星野リゾートの物件を中心に投資を行っている。価格は2019年11月22日時点で一口57万3000円。2019年10月期の予想分配金は1万3110円、2020年4月期の予想分配金は1万3230円になっている。
写真は星野リゾート・リート投資法人のホームページ
この「星野リゾート・リート投資法人 投資証券」を一口購入すれば、そのお金は星野リゾートのホテル開発や運営に回される。そこから生み出された利益のうち、一口あたり約2万6000円が毎年、分配されるというわけだ。いい方を変えれば、星野リゾートのホテルの一口オーナーといったところだろう。
このようなREIT商品は60銘柄以上存在しており、いくつかのタイプにわけられる。例えば、「星野リゾート・リート投資法人 投資証券」はホテル主体型。ほかには、大型マンションなどに投資する住居主体型、オフィスビルに投資する事務所主体型、サービス付き高齢者向け住宅などの老人ホームなどに出資するヘルスケア主体型、倉庫などの物流施設に出資する物流施設主体型、さまざまな施設に分散投資する総合型などだ。
どのREIT商品を購入するかは、「目論見書」と「資産運用報告」を参考にしよう。目論見書は、投資法人の仕組みや運用方針、運用体制、投資リスク、手数料や申込み方法、換金方法などを記載したもの。資産運用報告書は、「保有物件」「投資法人の運用状況等の推移」「分配金等の実績」「今後の運用方針」「主要な保有資産」「借入状況」などが記されている。
REITのメリット・デメリットとは
REITにはメリットと同時に、もちろん、リスクもある。
メリット
デメリット
ただし、これらのリスクは実際の不動産投資や株、債券にも通じるものだ。上記のメリットとデメリットを踏まえると、REITに向いている人は、次のような人と言えるだろう。
REITに向いている人
現在は高値圏のREITだが、投資は慎重に
個別の情報だけでなく、REIT全体の値動きを示す値もある。それが、「東証REIT指数」。東京証券取引所に上場するすべてのJ-REITを対象とした時価総額の加重平均指数で、株で言えば「日経平均株価」と同じようなものだ。
2019年年初の東証REIT指数は1750.87。11月22日時点では2211.21と約3割上昇している。これは、日経平均株価の約1割上昇よりも2割近く高い値だ。その理由には、株の代替としての購入や分配金の利回りの高さ、長期金利が低いことによる不動産市場の活況、オフィスやホテル需要が堅調なことなどが上げられる。
写真は2019年年初から11月半ばまでの東証REIT指数の動き。東京証券取引所のホームページより抜粋
しかし、これらは必ずしも永続するものではない。東京オリンピック・パラリンピック以降は、オフィスやホテル需要にも一段落が訪れるという予想もある。REITは分配金も高く、現物の不動産投資よりも手軽だ。だからといって、すぐに飛びつくのではなく、吟味してよく検討の上、投資することが重要だろう。
参考サイト
最終更新日:2019年12月25日
ライター
コージー 林田
雑食系ライターとして、インタビュー記事を中心に執筆。住宅を始めとして、経済、ビジネス、自動車、最先端技術など、様々な分野の媒体に寄稿している。住宅では、リフォームや注文住宅、賃貸物件を中心に取材。ほかの分野の視点と住宅を組み合わせることで、少しだけためになる記事を目指してます。
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