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世界遺産に人が住む!? トルコ、カッパドキアに紀元前から存在...

2020年01月20日

コージー 林田

世界遺産に人が住む!? トルコ、カッパドキアに紀元前から存在する「洞窟住居」

なぜ人々は洞窟で暮らしたのか?

世界遺産に人が住む!? トルコ、カッパドキアに紀元前から存在する「洞窟住居」

世界遺産に人が住む!? トルコ、カッパドキアに紀元前から存在する「洞窟住居」

洋の東西が交わる国、トルコ。日本でも観光人気が高い渡航先だが、なかでも、一生に一度は見たい景色として名高いのが「カッパドキア」である。今回、機会があり訪れたその地には、日本では考えられないような住居があった。

地球の息吹と数百万年の歴史が作り上げた芸術作品

カッパドキアとは、トルコの中央部に位置するアナトリア高原、その真ん中に位置する地方の通称だ。有名な街はなんといっても、世界遺産「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩石群」を有するギョレメだろう。この奇妙な巨大岩石群が、一生に一度は見たい風景として名高い。


巨岩の形は千差万別、有名なものは、キノコ岩だが、ラクダ、ナポレオンの帽子、妖精の煙突などさまざまなものに形容されるユニークな形の岩が至る所に存在している。なぜ、このような岩が自然に出来上がったのだろうか。


実は、カッパドキアには3つの火山がある。1000万年以上前、これらの火山の噴火によって堆積した凝灰岩が、カッパドキア大地を作り上げた。柔らかい凝灰岩は、長い年月の間、雨風や川の流れに浸食され、硬い地層の部分だけが残った。その結果が、今の奇妙な巨大岩石群なのだ。まさに、地球が作り上げた芸術作品と言ったところだろう。


写真はゼルベ野外博物館。キリスト教徒とイスラム教徒が同じ場所で共存していた場所で、キノコのような奇岩が特徴的。

 洋の東西を結ぶ交通の要衝だからこそ洞窟住居が生まれた

この巨大な岩石と周囲の岩山は、紀元前から人々の住まいにもなっていた。カッパドキアは、東西を結ぶ交通の要衝。この地を侵略しようとする勢力が多く、人々は身を守るために、洞窟住居を生み出したと言われている。なかでも有名なのが、「カイマクル」や「デリンクユ」にある地下都市である。


カイマクルの地下都市跡は地下8層に及び、最盛期には約2万人が暮らしたという。古くはヒッタイト人が、その後、ローマ帝国の宗教弾圧から逃れたキリスト教徒が隠れ住んだと言われるが、正確な歴史は未だもって解明されていない。長い年月をかけて広げられた地下空間には、教会、学校、ワイナリー、食料貯蔵庫、トイレ、通気口などが備えられている。


写真はカイマクル地下都市跡の模型


カイマクル地下都市跡の内部。各部屋は細い通路と階段でつながれている

 

迫害から逃れてきたキリスト教徒は、地下都市だけでなく地上の洞窟住居でも暮らした。凝灰岩を削り教会を作り、フレスコ画を描く。ギョレメ一帯には数百の教会があったと言われ、その一部は「ギョレメ野外博物館」として世界遺産に認定されている。


ギョレメ野外博物館にある女子修道院跡。巨岩の内部をくり抜いている

洞窟住居に住むのは難しいが、洞窟ホテルに泊まることはできる!

初期は身を隠すためだった洞窟住居だが、オスマン帝国の成立以降、徐々にポピュラーな形態となっていく。凝灰岩の岩山を削り作られた家は、1970年代の前半までは普通に住まれていた。


この洞窟住居群を見たいなら、オルタヒサル村に足を運んで欲しい。ギョレメほど観光地化が進んでおらず、まさに地元の家を見ることができる。名所は、市街地の中心にそびえ立つオルタヒサル城。ヒッタイト時代には要塞として使われており、オルタ=中央、ヒサル=要塞という意味を持つそうだ。


写真中央がオルタヒサル城


そのオルタヒサル城を最上段に、裾野に向かって住居が広がる。ガイドの方によると「400年以上昔から変わっていない」という。それは、日本では決して見られない独特な景色だ。洞窟住居と一般の住居が入り交じっているが、住民の多くは一般の住居に住んでいるようだ。


洞窟住居から人が減ったのは、トルコ政府の近代化政策がきっかけとされているが、今でも少数ではあるが洞窟住居で暮らしている人は存在している。そこには、電気やガスも通っており、夏は涼しく冬は暖かい、過ごしやすい環境だという。


一方、住民がいなくなった洞窟住居は、洞窟ホテルへと変貌した。今でも多くの洞窟住居は売りに出されており、町中を歩くと、「for sale」と書かれた洞窟住居もあった。値段を聞くと安いもので10万ドル、高いモノでは50万ドル以上だという。穴の数が多いほど部屋数が多く、高値が付くそうだ。


実際に売りに出されていた洞窟住居。これは約8万ドルだという


ちなみに、洞窟ホテルで有名なのが、世界初の洞窟ホテル「ウチヒサール カヤ ホテル」だ。岩山に穴を掘り鳩の住処にした絶景「鳩の谷」やカッパドキア名物の気球ツアーで浮かぶ気球をホテルから見ることができる。洞窟住宅に住むのは難しくても、ホテルに泊まればその雰囲気を味わうことはできるだろう。


ウチヒサール カヤ ホテルの客室。写真は公式ホームページより


今年のサマーダイヤ期間中、ANAは日本の航空会社で初めてイスタンブールに直行便を開設する予定だ。これまで以上にトルコへ行きやすくなることだろう。数年前から減少傾向にあった観光客も、2017年頃から回復の兆しを見せ、多くの人で賑わってきている。今年は、日本でも改めて注目される渡航先になると見られている。


トルコ観光では、カッパドキアは目玉のひとつ。もし、足を運ぶことがあったら、地質が作り出した奇岩の風景だけでなく、歴史が生み出した住宅にも目を向けてみてはどうだろうか。


最終更新日:2020年01月20日

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