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マンションでのペット飼育 なぜトラブルが絶えないのか?

2014年10月27日

平賀功一

マンションでのペット飼育 なぜトラブルが絶えないのか?

平賀功一の最旬コラムNo.7

マンションでのペット飼育 なぜトラブルが絶えないのか?

ペット飼育を全面的に認めているマンションは、わずか2.9%


先進諸外国に比して急速に進展する人口減少、さらに今や約4人に1人が65歳以上という高齢社会の日本 ――。総務省の人口推計によると、2014年4月1日現在、15歳未満の子供の数は1633万人で、33年連続して減少しているそうです。少子化といわれて久しい現状が数字の上からも確認できます。

一方、ペットフード協会によると2013年10月現在、わが国で飼われている犬と猫の合計数は2061万5000匹(犬が1087万2000匹、猫が974万3000匹)と推計されており、子供の人数をはるかに上回っています。ペットの社会的地位が「単なる愛玩動物」ではなく「家族の一員」として認知されるようになり、また、お子さんの情操教育(心を育てるための教育)や、癒(いや)しの効果も期待されるようになったことが背景にあると考えられます。

そのため、マンションでもペットを飼う人が増えるようなり、これまで「集合住宅でペットを飼うことはタブー」とされてきた既成概念に変化が訪れています。人間とペットの距離が目に見えて縮まっているのです。

しかし、多様な価値観を持つ人が1つ同じ屋根の下で暮らす分譲マンションでは、ペット飼育を歓迎しない人も少なくありません。国土交通省の「平成25年度マンション総合調査」によると、47.4%の管理組合がペット飼育を禁止しており、全面的に認めているのは2.9%に過ぎません(下記参照)。ペットと共存することの難しさを痛切に感じさせられます。

 <分譲マンションでのペット(犬と猫)飼育について>

 ・禁止している…………………………………………47.4%
 ・種類や大きさなどを限定して認めている…………42.5%
 ・全面的に認めている …………………………………2.9%
 ・規約はない、不明 ……………………………………7.2%

そこで、本稿では、なぜペットトラブルは起こるのか、どうすれば居住者間の摩擦を解消できるのか考察してみることにします。

損害賠償の支払いを命じた一方、犬の飼育禁止については請求を棄却

ペットトラブルの本質を探るにあたり、最初に考えなければいけないのがトラブルの原因です。反対派からの苦情として頻繁に挙がるのが(1)吠え声、(2)抜け毛、(3)におい ―― の3点です。

吠え声(犬の場合)については訴訟に発展したケースもあり、2002年には上階の住戸で飼われていた犬の鳴き声や足音で下階の住民が不眠になったとして、飼い主に損害賠償と犬の飼育禁止を求めた訴訟が名古屋地方裁判所でありました。

このマンションでは管理規約でペット飼育を禁止しているにもかかわらず、加害者は勝手に犬を飼っていました。飼育禁止という規約の違反に加え、犬の吠え声による健康被害を原告(被害住民)に与えたのです。

判決として、名古屋地裁は飼い主に損害賠償金100万円の支払いを命じました。しかし一方、犬の飼育禁止については「犬の飼育や騒音によって占有権までが侵害されたとは言い難い」として原告の請求を退けました。健康被害は認定したものの、加害者からペットを取り上げることまではできないという司法の判断です。「ペットは家族同然」との社会的通念が浸透する中で、被告(犬の飼い主)にも一定の配慮がなされた格好です。

ペット問題の根幹は、突き詰めれば「人間同士のトラブル」だった

こうした判例からも分かるように、分譲マンションでのペット飼育は「全面禁止にすれば、すべて解決する」といった単純な問題ではないのです。禁止しても隠れて飼育する人が少なからずいるからです。

では、どうすればペットと居住者が共存できるのでしょうか?――

これまでマンションとペットは合い入れない関係のように考えられていましたが、実は飼い主が規約を守らなかったり、マナー違反することで居住者間に摩擦が生じてきました。ペット問題として扱われてきたトラブルの多くは、突き詰めれば「人間同士のトラブル」だったわけです。

犬に向かって「うるさいから吠えるな!」と犬に文句を言う人はいません。ペットに対して「管理規約を守れ!」と怒鳴る人もいないでしょう。必ず飼い主に注意します。トラブルの責任は、すべて飼い主に帰属するのです。

つまり、ペットトラブルの根幹は「人ありき」なのです。ペット飼育に関するマナーをどうやって周知徹底するか、その啓蒙が欠かせません。と同時に、管理規約やペット使用細則を整備し、飼育ルールを明文化することも重要です。あいまいな管理規約がペットトラブルを誘発します。

今や、子供の人数より犬猫の頭数が多い現状において、やみくもにペット飼育の全面禁止は時代に逆行します。上述のような遵守事項を明文化し、また、マナー啓発に尽力することで、ペットとの共存は実現できます。

最終更新日:2014年10月27日


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