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なぜ「頭金は2割必要」と言われるのか?その理由を独自分析

2015年05月21日

平賀功一

なぜ「頭金は2割必要」と言われるのか?その理由を独自分析

平賀 功一の最旬コラムNo.35

なぜ「頭金は2割必要」と言われるのか?その理由を独自分析

マイホーム取得者の自己資金比率は平均して約32%

マイホーム検討者の多くが高い関心を示す「頭金はいくら必要か?」―― 国土交通省が今年(2015年)3月に公表した「平成26年度住宅市場動向調査」によると、自己資金比率は平均して約32%であることが分かりました。思っている以上に多額の自己資金を用意している印象を受けます(下記参照)。

【マイホーム一次取得者の自己資金額と自己資金比率】
・注文住宅(土地取得を含む):1,242万円(30.8%)
・新築一戸建て住宅(建売り):934万円(25.6%)
・中古一戸建て住宅(建売り):765万円(33.4%)

・新築マンション:1,156万円(33.0%)
・中古マンション:790万円(37.5%)

折りしも、総務省が5月19日に公表した1世帯あたりの平均貯蓄額(2014年)は1798万円で過去最高になりました。アベノミクスによる株高効果が一因と考えられており、個人の金融資産は総じて拡大傾向にあります。

こうした調査結果からすれば「頭金は3割必要」と言っても不自然ではないのですが、市販本を読んでも住宅雑誌を見ても、「頭金は2割必要」といった表現が頻繁に目に付きます。1割でも3割でもなく、どうして2割なのか?―― その根拠が明快かつ説得力を伴って説明されている文献は目にしません。

そこで、本稿では筆者の考える「頭金2割」の根拠に迫ることにします。「少なくとも頭金は2割用意しましょう」と提唱する理由は2つ存在しました。以下、その理由を1つずつ解き明かします。

理由1/住宅金融公庫「融資上限8割」のなごり

2007年4月に組織変更があり、現在は「住宅金融支援機構」に改称されましたが、以前は「住宅金融公庫」と呼ばれており、最盛期は住宅ローン融資全体の新規貸出額の約4割を1機関で占めるほど、誰もが住宅ローンといえば住宅金融公庫から借りるのが基本セオリー(規定路線)とされてきました。

その住宅金融公庫には「融資上限8割」という条件があり、たとえば4000万円(税込み)の新築マンションを購入しようと考えた場合、4000万円の8割(3200万円)までしか住宅金公庫は貸さない決まりになっていました。

そのため、頭金が1割しか用意できないと、住宅金融公庫から8割、残り1割を民間銀行から借りなければならず、融資審査の面倒や融資本数が2本になったことによる諸費用額の増額が嫌気されました。

住宅金融公庫は政府系金融機関という立場上、職種や性別、年収の多寡などによって融資の可否を判別することはありませんでした。自営業であろうとサラリーマンであろうと、規定の融資条件に合致すれば誰でも融資が受けられました。他方、民間金融機関は勤続年数や給与形態など、各行の融資条件をすべてクリアしないと融資審査を通過できず、このことが資金計画の立案を妨げてきました。

こうした事情や背景があるため、「住宅ローンは住宅金融公庫1本にしよう」=「頭金は2割が必要」という発想が広く行き渡り、今もって引き継がれています。「融資上限8割」という住宅金融公庫時代の“なごり”が尾を引いているのです。

理由2/新築マンションの建設原価は8割、粗利益2割という価格構成

さらに、もう1つの理由として新築マンション建設時の工事原価や粗利益が「頭金2割」説の根拠として挙げられます。

都内の新築マンションの価格構成は、敷地の取得費用と設計・工事費を合計した建設原価が価格全体の8割を占めると言われており、差し引き2割がマンションデベロッパーの粗利益とされています。4000万円(税抜き)の新築マンションを売ると、デベロッパーは800万円(4000万円×20%)の粗利益が得られるのです。

このことが一体、何を意味するかというと、「分譲価格4000万円の新築マンションには本来3200万円の価値しかない」という理論が当てはめられます。2割はデベロッパーの儲けですので、理論上、建設原価である8割相当が新築マンションの真価となります。引き渡しを受けた途端に、マンションの資産価値は2割減価するわけです。

そのため、理論上の債務超過を避けるべく、「頭金2割」説が台頭してきました。本来有する価値以上の借金(債務超過)をしてしまうと、返済困窮時に家計の圧迫要因となります。また、売ろうと思っても借金残高が上回ってしまうといった悪弊が想起されます。

そこで、こうした弊害を回避しようと「少なくとも頭金は2割用意しましょう」といったアナウンスがなされるようになりました。とても理にかなった格言といえます。これからも「頭金2割」を1つの基準として、返済プランの立案を心がけてほしいと思います。

最終更新日:2018年08月30日

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