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瑕疵担保責任とアフターサービスの違いを説明できますか?

2015年07月02日

平賀功一

瑕疵担保責任とアフターサービスの違いを説明できますか?

平賀 功一の最旬コラムNo.41

瑕疵担保責任とアフターサービスの違いを説明できますか?

回復基調とはいえ、全国平均では7年連続で下落する路線価

7月1日、国税庁から2015年の路線価が公表されました。昨年から2府県が増加して、10都府県が上昇。東京、大阪、愛知といった大都市圏を中心に、地価の上昇基調が確認されました。

しかし、全国平均ではマイナス0.4%(前年比)と、7年連続で下落しており、本格的な回復傾向とはいえません。地価(鑑定評価)が、その土地から生じる収益性を裏付けとして評価されるようになったことで、高い収益性が期待できる利用価値の高いエリアしか、地価の上昇が見込めなくなっています。「上昇するエリア」と「下落するエリア」―― 今後、さらに“二極化の波”は拡大するものと予想されます。

では、どうすれば反転攻勢できるのか?―― 私は低未利用不動産ストックへのテコ入れが有効と考えます。顕在化した「空き家問題」を筆頭に、先進諸外国に比して流通量が少ない中古住宅の利活用の促進が地価の自律回復を促します。

中古住宅の購入に際し、消費者が最も気にするのが建物の欠陥です。すでに住宅品質を担保する仕組みとしては「瑕疵(かし)担保責任」と「アフターサービス」がありますが、営業マンが丁寧に説明していないのか、あるいは説明されても、きちんと理解できていないのでしょうか。残念ながら消費者の不安解消には直結していません。

そこで、本稿では2つの住宅品質を担保する仕組みを対比しながら、その制度を整理することにします。両制度をフル活用できれば、中古住宅のマイナスイメージは刷新され、「新築」か「中古」といった二者択一の呪縛から解放されます。ひいては不動産ストックの再生にもつながり、本格的な地価上昇の到来が期待できるようになります。

宅建業法に定める瑕疵担保責任では、欠陥の無料修理は請求できない

それでは用語の解説から始めることにしましょう。

売買契約において、取引の目的となる土地建物に隠れた瑕疵(=欠陥)がある場合、売り主が買い主に対して負う責任を「売り主の瑕疵担保責任」といいます。ひと口に瑕疵担保責任といっても、根拠法によって内容に違いがあり、民法と宅建業法では売り主に請求できるのは「損害賠償」と「契約の解除」のみです。買い主は欠陥部分を無償で修理するよう、売り主に請求することはできません(図表1)。

一方、アフターサービスとは一定期間、一定の欠陥部位について売り主が無償で修理することを約束した営業上のサービスのことです。不動産業界が独自に定めたアフターサービス基準に従い、たとえば「壁紙のはがれは2年間」「雨漏りは10年間」といった具合に、買い主は売り主に対して欠陥の「修補請求」ができます。いくら欠陥の程度がひどくても、アフターサービスでは損害賠償や契約解除の請求は認められていません。

そこで、両者の“いいとこ取り”をしたのが住宅瑕疵担保履行法です。そもそもの出発点は2005年11月に発覚した耐震強度偽装事件がきっかけでした。これにより、本法の施行後(2009年10月)に引き渡された新築住宅に欠陥が見つかった場合、買い主には「損害賠償請求」「契約の解除」「修補請求」のいずれもが認められるようになりました。宅建業法では責任追及期間を「引き渡しから2年間」と定めていますが、住宅瑕疵担保履行法では「10年間」へと拡大されています(図表2)。

民法を含めた3つの瑕疵担保責任は“併存”するため、新築住宅の引き渡しから2年間は宅建業法を適用し、3年目から10年目までは住宅瑕疵担保履行法を適用することも問題ありません。民法は任意規定のため、「知ったときから1年間」という期間制限は当事者の合意により、買い主に不利益とならない範囲で条件変更が可能です。

注意点として、住宅瑕疵担保履行法は新築住宅のみを対象とし、構造耐力上、主要な部分または雨水の浸入を防止する部分で発生した欠陥しか責任を追求できません。また、2009年10月以前に引き渡された住宅も対象外です。こうした各法の横断的な知識がないと、上手な活用は困難になります。

瑕疵担保責任は「法的責任」、アフターサービスは「約定責任」

さらに補足しておきたいのが「法的責任」と「約定責任」の別です。法定責任とは文字通り、法律に定められた責任のこと。これに対し、約定責任とは売り主と買い主が約束して初めて成立する契約上の責任です。

そのため、約定責任であるアフターサービスは売り主が破綻すると、その履行が事実上、不可能になります。サービス契約である当事者の一方(=売り主)が倒産により消滅してしまうわけですから、買い主は修補請求ができなくなります。アフターサービスは、あくまで当事者同士の“約束事”であるという認識が欠かせません。法定責任のような法律上の裏付けは何もないのです。

加えて、一般個人が売り主となる中古住宅の売買では、アフターサービスが受けられることは稀です。資力の乏しい一般個人がアフターサービスを履行することは常識的に考えて不可能だからです。

他方、同じ中古住宅の売買でも、売り主がリノベーション会社などの再販業者の場合は、通常、アフターサービスが受けられます。売り主側が“善意”として、アフターサービスを提供しているからです。

また、今般では取引を媒介した不動産仲介業者が自社責任において、一定のアフターサービスを提供する例が散見されるようになりました。瑕疵保険への加入を条件に、一定期間の修補請求を買い主に認めています。

今回は専門的な話になってしまいましたが、しっかりと頭に入れておいてください。転ばぬ先の杖として、知識武装を心がけてください。

最終更新日:2015年07月02日


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