ページトップへ

Yahoo!不動産おうちマガジン は家探しのヒントが満載の情報サイトです!

>
>
>
携帯電話の基地局をマンション屋上に設置 法人税の課税対象

2015年07月09日

平賀功一

携帯電話の基地局をマンション屋上に設置 法人税の課税対象

平賀 功一の最旬コラムNo.42

国税庁が関係各所へ注意喚起 管理組合には納税義務が発生する

今では持っていない人を探すほうが難しいほど、生活の一部として定着した携帯電話。一般社団法人 電気通信事業者協会によると2015年3月現在、フマートフォンを含めた携帯電話の契約総数は約1億4783万件に達しており、わが国の人口を超える規模になっています。

参考までに事業者別の契約数を紹介すると、NTTドコモが約6659万件、au(KDDI)が約4347万件、ソフトバンクが約3776万件です。おそらく、皆さんのご想像通りだと思います。今では3社すべてがiPhoneを取り扱うようになったため、“白戸家”の先行者利益は薄れています。

さて今回、どうして携帯電話の話をしたかというと、6月29日に国税庁から“ある”アナウンスが発せられたからです。携帯電話会社からマンションの屋上に基地局を設置したいという依頼を受け、分譲マンションがそのスペースを携帯電話会社に賃貸した場合、管理組合には納税義務が発生します。賃貸収入は法人税の課税対象だからです。こうした事実を周知徹底させるべく、国税庁が関係各所に情報発信しているのです。

実は、こうした注意喚起は1年前(2014年7月)にもなされており、今回で2度目となります。想像するに、携帯電話会社から基地局を設置させてほしいという依頼が増えており、税務署からの「お尋ね」で初めて管理組合は納税義務の事実を知るのでしょう。トラブルの頻発が関係しているものと推察します。

基地局の設置場所(高さ)は「地上40メートル」が理想的

ところで、なぜ携帯各社は分譲マンションの屋上に基地局を設置したがるのか、とても気になります。そこには、きちんとした理由がありました。

基地局を設置する場合、その位置が高すぎると地上を歩く通行人へ届く電波が弱くなってしまい、逆に低すぎると電波の到達範囲が狭められてしまうため、虫食いのように部分的に電波が届かないエリア(不通話エリア)が出現してしまいます。むらなく均一に最適な強さの電波を発信するには、地上から40メートルの高さに基地局を設置するのが理想的なのです。

この地上40メートルという高さは、分譲マンションだと13階建て相当になります。都市部と郊外では違いがありますが、13階は単棟型分譲マンションの平均的な階数に該当します。つまり、携帯電話の基地局を設置するのに、分譲マンションは最適な高さを有しているのです。設置させてほしいという依頼が増えるのも、うなずける話です。読者の皆さんがお住まいの分譲マンションにも、携帯電話会社から同様の依頼が来るかもしれません。

管理組合に「法人税」「法人住民税」「事業税」が、それぞれ課される

しかし、「これで管理組合の収入が増える」などと安易に喜んではいけません。その先には法人税の納税が待っています。

国税庁は注意を喚起すべく、「マンション管理組合が基地局の設置場所を貸し付けた場合の収益事業判定」と題した独自の見解を示しています。その内容は次の通りです。

【マンション管理組合が基地局の設置場所を貸し付けた場合の収益事業判定】

管理組合が携帯電話会社との間で基地局設置のためにマンションの屋上の使用を目的とした建物賃貸借契約を締結し、管理組合が屋上使用の対価として設置料収入を得た場合、この収入は法人税法上の収益事業(不動産貸付業)に該当する。

<理由説明>
法人税法上、法人に対しては各事業年度の所得について法人税を課すこととしており、他方、各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得以外の所得には法人税を課さないこととしている。したがって、マンション管理組合に対する法人税は、収益事業から生じた所得にのみ課されることとなる。

法人税法上の収益事業とは、販売業、製造業その他の一定の事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいい、この一定の事業には不動産貸付業が含まれている。したがって、マンション管理組合が賃貸借契約に基づいてマンション(屋上)の一部を他の者に使用させ、その対価を得た場合には、収益事業(不動産貸付業)に該当し、その収益事業から生じた所得に対して法人税が課税される。

マンションの管理組合は法性格上、「人格のない社団」あるいは「公益法人」と同類に扱われます。そのため、税率15.0%(年間所得800万円以下の場合)の法人税が課されるほか、「法人住民税」と「事業税」も同時に課税されます。いずれも設置料収入から必要経費を控除した差額に対して課されます。必要経費が設置料収入を上回り、所得が赤字となった場合は課税されません。

そのため、過度に法人税課税を恐れる心配はありませんが、黒字の場合、納税義務が生じる点は承知しておく必要があります。決して「知らなかった」では済まされないのです。基地局を設置しようとする際には綿密な収支計画を作成し、その適否を判断するようにしてください。

最終更新日:2015年07月09日


キーワードを入力してください

キーワードから探す

本文はここまでです このページの先頭へ

Yahoo!不動産 おうちマガジンとは?

不動産にまつわるマジメな記事からおもしろ記事まで、家さがしが楽しくなる情報をお届け!新しい暮らしのヒントが満載のマガジンです。