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元営業マンが激白!セールストーク「あおり」のテクニック

2015年07月16日

平賀功一

元営業マンが激白!セールストーク「あおり」のテクニック

平賀 功一の最旬コラムNo.43

元営業マンが激白!セールストーク「あおり」のテクニック

「マイホーム、いつ買うの?」「今でしょう!」

今年(2015年)4月に宅建業法が改正され、「宅地建物取引主任者」が「宅地建物取引士」(以下、宅建士)へと改称されました。「士業」へとライセンスを格上げし、さらなる不動産取引の信頼性と透明性の向上を目指そうというわけです。

その一環として6月8日には都内で「宅建士スタートアップフォーラム」が開催され、太田昭宏・国土交通大臣が開会のあいさつに来ていました。当日、宅建士の1人として私も出席していましたが、歓喜の声が各所から聞こえてきました。業界関係者にとっては長年の要望が結実した記念日となり、“忘れられない1日”になったようです。

しかし、こうした名称変更によって不動産取引が劇的に改善するかといえば、過剰な期待はしないほうがいいでしょう。住宅展示場や販売センターで営業している販売員全員が宅建士ではないからです。不動産取引を行うのに特別な資格は必要ありません。新卒の社会人1年生が入社数日後にモデルルームでマンションの販売をしても何の問題もありません。業界未経験の新人が簡単に高額なマイホームを売ることができるのです。

もちろん、誰もが真剣に仕事に向き合っています。販売物件の知識はもとより、関連する税制や法律、市場動向など、日々の勉強・努力は怠っていないはずです。決して資格が万能であるとも思っていません。重要なのは「知識」より「意識」と「良識」の向上であると個人的には考えています。

営業マンは、どうやったら住宅を買ってもらえるか?―― この一点に全神経を集中させます。企業戦士として、涙ぐましいほどの愛社精神を感じさせます。それゆえ、時として“行き過ぎた”営業トークに走ってしまう場合があります。某予備校の有名先生の言葉を借りれば

 「マイホーム、いつ買うの?」「今でしょう!」

といった“あおり”の常套(じょうとう)句が連発します。「人気物件ですので、すぐに申し込まないと明日には売約済みになってしまうかもしれません」「まだ未公開の物件です。今なら優先的にご案内できます」といった具合です。

顧客の利益となる内容だけを説明し、不利益となる事実を故意に告げなかった場合、たとえ契約締結に至ったとしても、顧客の事実誤認を誘発したとして、消費者契約法では契約解除(クーリングオフ)を認めています。宅建業法にも類似の規定があり、悪意を伴ったセールストークは法律に抵触するおそれがあります。

以下、本稿では“あおり”の常套句を3例、ご紹介します。今後、営業マンと対峙する際の自己防衛策として、ご活用ください。

(1)金利動向や税制を持ち出し「あせり」を誘う

「金利が低いのは今だけです。景気が回復すれば、再び利上げに転じるのは間違いないでしょう」「2017年4月には消費税率が10%に引き上げられます。今年がラストチャンスです」――。このように金利や税制といった情報を持ち出し、早期決断を迫るのが常套句の代表例です。

金利動向や税制といった現象は本人(買い主)の自由になるものではありません。その意味においては「タイミングに乗り損ねないようにする」という点で、営業マンのアドバイスには一定の有益性が感じられます。しかし、金利や税制だけで買い時を判断するのは早計です。マイホームは投資物件ではありません。経済状況に振り回されないようにしてください。

(2)家賃との比較で、マイホームの優位性ばかりを強調する

「家賃は掛け捨ても同然。払い続けるのはもったいないと思いませんか?」というのが続いての常套句です。毎月、多額の家賃を払っている人には共感を呼ぶセールストークでしょう。確かに、家賃は掛け捨てという発想は間違いではありません。しかし、この比較はあくまで「毎月の負担額」についての議論です。目先の返済計画に翻弄(ほんろう)されるのは、とても危険です。

たとえば近い将来、実家へ戻る(二世帯同居)可能性がある場合、こうした人達は「帰省し、住まなくなったらどうするのか?」まで見越した購入計画を立てないと、かえってマイホームに縛られかねません。希望の価格で売却できるかどうか、不確定要素を抱え込むことになるからです。将来同居に悪影響を及ぼしては元も子もありません。

目の前の損得勘定ばかりに気を取られず、自身の人生設計を加味したプランの立案が必要です。掛け捨てには、掛け捨てなりの意味があります。やみくもに家賃をもったいないとする議論は避けなければなりません。

(3)将来不安をあおるセールストーク

そして最後、将来不安をあおる話題も営業マンが得意とするセールストークです。「定年までに完済するには、少しでも若いうちに購入するほうがいいでしょう」「高齢になると賃貸住宅は借りにくくなります」、さらには「共働きで返済能力の高い今のうちにローンを組み、繰り上げ返済してどんどん返していくと安心です。子供が生まれると出費が増えます」などというのが典型例です。

ただでさえ年金不安や政治不信などで、将来が見通しにくい日本経済。せめて老後の住まいだけは早めに確保しておきたいと考えるのは自然なことです。その点では良心的なアドバイスとも解せます。

ただ、こうした不安心理をあおるセールストークは、一歩間違えると「○○商法」といった詐欺的な行為を想起させます。人の弱みにつけ込むような営業は慎むべきです。

繰り返しになりますが、営業マンに必要なのは「知識」より「良識」です。宅建士の誕生を契機に、高い倫理観を持ち、不断の研鑽を重ねるよう期待したいところです。

最終更新日:2015年07月17日


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