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マンション管理組合で多発する不正会計 詐取の手口とは?

2015年07月23日

平賀功一

マンション管理組合で多発する不正会計 詐取の手口とは?

平賀 功一の最旬コラムNo.44

マンション管理組合で多発する不正会計 詐取の手口とは?

ギリシャ危機の発端は、巨額な財政赤字の隠蔽だった

「140年の歴史の中で最大ともいえるブランドイメージの毀損(きそん)と認識している」――不適切会計が発覚した国内大手電機メーカーの「東芝」。7月21日に開催された記者会見の席上で、同社の田中社長が口にした言葉です。

第三者委員会の報告によると、6年半の間に1518億円の当期利益を水増し(かさ上げ)していた事実が判明しました。経営トップを含めた組織的な関与が指摘されており、コーポレートガバナンス(企業統治)のあり方が問われようとしています。

利益の水増しといえば、時代の寵児(ちょうじ)と騒がれた堀江貴文氏の「ライブドア事件」(2006年1月逮捕)が思い出されます。架空の売上を計上するなどして、経常赤字を黒字に見せようと53億円の粉飾決算(利益の水増し)に手を染めました。有価証券報告書に虚偽の内容を記載したとして、ホリエモンには懲役2年6カ月の実刑判決が言い渡されています。

さらに、国を挙げて隠蔽(いんぺい)に走ったのがユーロ圏のギリシャです。今から6年前、巨額の財政赤字を隠していた事実が発覚しました。ギリシャ危機の勃発です。そこで、EU(欧州連合)、IMF(国際通貨基金)、ECB(欧州中央銀行)が支援の手を差し伸べましたが、今年1月に危機が再燃し、デフォルトリスク(債務不履行)やユーロ圏からの離脱が現実味を帯びました。今のところギリシャは緊縮策を受け入れる姿勢を見せていますが、まだまだ予断を許さない状況です。

このように、日本の大企業からヨーロッパの1国まで、不正会計に手を染める例は後を絶ちません。実は、分譲マンション内でも類似の蛮行が多発しており、管理費や修繕積立金といった管理組合預金を私的流用する愚か者が見つかっています。居住者にとっては看過できない重大事案です。一体誰が、どのような手口で横領・着服するのか?―― 本稿では筆者が見聞きした事例を紹介します。

ひそかに狙われるマンション共用施設の利用料金

近年、分譲マンションの高層・大規模化に伴い、共用施設の充実ぶりには目を見張るものがあります。ホテルライクな日常の演出に、今やなくてはならない存在です。

しかし、こうしたマンションの共用施設で利用料金(小口現金)を着服する事件が相次いでいます。2010年3月、業界大手の東急コミュニティーが「同社の社員が管理組合の小口現金収入を着服していた事実が判明した」として公に謝罪報告をしています。管理事務所で収受した現金が入金処理されていないことが複数のマンションで判明し、社内調査をした結果、担当者3名による私的流用が発覚しました。被害額は総額で約360万円にのぼります。

よくある詐取の手口は次のような方法です。たとえばマンション内のゲストルームを利用する場合、宿泊料が宿泊日数に応じてかかります。こうした利用料は予約時や宿泊後に現金の授受によって精算されるため、担当者がゲストルームの利用者から直接、利用料を預かり、担当者自ら入金処理をします。

ところが、この入金処理を怠り、現金を自分のポケットに入れてしまうのです。これが小口現金の着服手口です。金額が比較的、小額のため、管理組合としても気付きにくいという盲点があります。こうした死角を逆手に取り、一部の愚か者が人目を盗んで利用料金を私的流用しています。

通帳を紛失したことにして再発行 口座から不正に引出し

さらに、計画性と悪意を伴った大胆な組合預金の着服事件もありました。埼玉県内の分譲マンションで2014年2月、管理組合の理事長が組合預金1000万円を横領したとして逮捕されました。

そのマンションでは分別管理が徹底されており、口座の預金通帳は管理会社が、印鑑は理事長がそれぞれ管理していました。預金通帳と印鑑を別々に(分別して)管理することで、組合預金の不正な引き出しを防止するためです。

そのため、分別管理の実施によって本来であれば勝手に預金を引き出せないのですが、悪意を持った管理組合の理事長が「通帳を紛失した」と金融機関に嘘をつき、通帳を再発行してもらいました。そして再発行された通帳と、自己管理している印鑑を使って組合預金を不正に引き出したのです。銀行は登録した印鑑さえ持っていれば、通帳をなくしても再発行してくれる仕組みを悪用したわけです。悪知恵を働かせた野蛮な行為として非難は避けられません。

すでに分譲マンションにお住まいの区分所有者の皆さま、そして購入検討者の人も含め、こうした不正会計がマンション内で発生しているという事実を、ぜひ知っておいてください。

最終更新日:2015年07月23日


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