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長期優良住宅の適合証 「偽造」による不正認定が横行

2015年08月08日

平賀功一

長期優良住宅の適合証 「偽造」による不正認定が横行

平賀 功一の最旬コラムN0.46

長期優良住宅の適合証 「偽造」による不正認定が横行

一般住宅と比べ、長期優良住宅は平均2割程度のコスト高

長期間にわたって使用可能な良質な住宅ストックの形成を目指し、2009年6月に「長期優良住宅普及促進法」が施行されてから、6年余りが過ぎました。制度運用開始からの認定件数は今年(2015年)6月末現在、61万6353戸(国土交通省)に達しており、長期優良住宅への理解度は一定の前進を見せています。

長期優良住宅として認定されるには、「構造躯体の劣化対策」「大規模地震力に対する変形を抑制できる耐震性能」「維持管理・更新の容易性」「ライフスタイルに応じた間取りの可変性」「居住環境への配慮」「維持保全計画の策定」―― といった認定基準をすべてクリアしなければなりません。そのため、建設費が一般住宅と比べて平均2割程度のコスト高になることから、普及には時間がかかると考えられていました。

確かに、運用開始直後は認定件数も少なく、スロースタートとなったのは事実ですが、固定資産税や住宅ローン減税などの税制優遇も後押しし、今日ではコンスタントに、その数を増やし続けています。

建物の完成後に偽造が発覚した場合、長期優良住宅とは認定されない

しかし、その一方で普及拡大に伴いトラブルも増加しており、以下のような不正事案が現実に起こっています(国土交通省のHPより引用)。

(1)所管行政庁が発行する長期優良住宅認定通知書の偽造(所管行政庁への申請手続き等を行っていない)

(2)登録住宅性能評価機関が発行する事前技術的審査に係る適合証を偽造し(登録住宅性能評価機関への申請手続き等を行っていない)、長期優良住宅認定通知書を取得した。

(3)住宅の建築工事が完了した旨の所管行政庁への報告書において、添付した検査済証の写しを改ざんした。

(4)筋交いの未設置、性能の劣る防腐・防蟻処理による施工など、現場施工図書における認定基準への不適合

愚行に手を染めた一級建築士は業務停止などの懲戒処分を受けており、事態の深刻さを物語ります。工事の着工前であれば、必要書類の修正・再審査により本工事へと進めますが、最悪、建物の完成後に書類の偽造や改ざんが発覚した場合、その住宅は長期優良住宅として認定されません。

すでに請負契約あるいは売買契約を締結していたとすると、入居予定者は多大な被害を受ける結果となります。住宅の供給者側には「瑕疵(かし)担保責任」とともに「不法行為責任」(※)も課されるため、法的対処としては「契約の解除」ならびに「損賠賠償」の請求が行なえます。

 ※故意または過失により、他人に損害を生じさせた場合に負う責任

類似の事例としては、マンションの耐震強度(構造計算)を偽装した姉歯事件や、東洋ゴム工業による免震装置の大臣認定・不正取得が思い出されますが、長期優良住宅の審査に伴う偽造や改ざんも極めて悪質な行為です。

一般消費者が事前に不正を見つけるのは容易ではありませんが、決して他人事と思わず、「もしかしたら……」という危機意識を持つようにしたいものです。

メンテナンス記録の作成・保存を怠ると、認定が取り消される場合あり

一転、内容は変わりますが、長期優良住宅には次のような注意点もあります。

長期優良住宅として認定されるためには「維持保全計画の策定」が必須となるのですが、その計画に基づいて建物の維持保全(メンテナンス)を行い、かつ、メンテナンス状況に関する記録の作成・保存を行なわないと、認定が取り消される可能性があります。

長期優良住宅普及促進法では、第11条で「記録の作成および保存」を義務付けており、従わない場合は第14条で「計画の認定の取り消し」を定めています。つまり、認定基準通りに建築しただけでは不十分で、長期間にわたって使用可能となるよう、継続的なメンテナンスの実施を計画付けています。

メンテナンス状況や記録内容について、所管行政庁から報告を求められる場合があり、その際に報告をしない、あるいは虚偽の報告をした者は30万円以下の罰金に処せられることがあります。かなり厳格な規定が定められています。

長期優良住宅にお住まいの読者の皆さん。忘れずに定期的なメンテナンスを行い、同時にその記録を作成・保存する習慣を身に付けておきましょう。

最終更新日:2015年08月10日


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