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高校生のエレベーター死亡事故 シンドラー社に「無罪」判決

2015年10月06日

平賀功一

高校生のエレベーター死亡事故 シンドラー社に「無罪」判決

平賀 功一の最旬コラムN0.55

イメージ写真です。本文とは関係ありません。

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維持保全の主体者は「所有者」「管理者」または「占有者」

9月29日、東京地方裁判所から1つの判決が言い渡されました。9年前の2006年6月、東京都港区のマンション「シティハイツ竹芝」に住む男子高校生(16)がエレベーターにはさまれて死亡した事故で、当該エレベーターの製造元であるシンドラー社に対して無罪の判決が出されました。

「シンドラーの悲劇」とも形容され、エレベーターの安全神話を根底から揺さぶるほどのネガティブ・インパクトを社会に与えた悲惨な圧死事故。法廷では「いつ事故原因とされるブレーキ部品の異常な磨耗が始まったのか」「事故を予見することはできなかったのか」が主な争点として争われ、一審で裁判長は「異常磨耗が発生・進行したと認められる科学的な根拠はない」と判示。検察側による禁固1年6カ月の求刑を退けて、業務上過失致死罪に問われたシンドラーエレベーターの点検責任者への過失責任を否定しました。

『16歳の尊い命が奪われたにもかかわらず、メーカー側に法的責任はない』――

この判決を耳にして、私は驚きを隠せませんでしたが、建築基準法では「建築物の所有者、管理者または占有者は、その建築物の敷地、構造および建築設備を常時、適法な状態に維持するように努めなければならない」(第8条1項)と維持保全に関する規定を設けています。

また、同法ではエレベーターの報告や検査などについても規定しており、「所有者は国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士もしくは二級建築士、または国土交通大臣が定める資格を有する者に検査(損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない」(第12条3項)と定めています。

条文を丹念に見てみると、この中に「建築物の製造者」という表現は含まれていません。つまり、維持保全や検査・報告の主体者は「所有者」「管理者」または「占有者」であるとしています。

エレベーターに乗る前に、異常がないか確認してみよう

東京地裁の判決内容に話を戻すと、エレベーターのメンテナンス会社「エス・イー・シーエレベーター」の3人に対しては、「人身事故が発生する恐れがあることを予見でき、適切な保守管理体制を構築すべき義務があったのに怠った」と指摘。3人すべてに執行猶予付きの有罪判決を言い渡しています。エレベーターの「保守管理」を請け負ったメンテナンス会社に過失責任が課される結果となりました。

エス・イー・シーエレベーターは判決を不服として控訴しており、法廷闘争は東京高裁へと移ります。シンドラー社製エレベーターでは過去に何度もトラブルが発生しており、乱暴な表現をすると「常習犯」なわけです。お灸をすえる意味でも、個人的には二審でメーカー責任が問われることを切に願います。

最後に、自分自身がエレベーター事故に巻き込まれないようにするにはどうすればいいのか、注意点を以下に列記します。危機意識を常に持ち、想像力を働かせることで、身の安全は確保できます。

<エレベーター事故に遭わないための確認ポイント>
・エレベーターに乗り込む前、かごの停止位置がずれていないか?
・いつもは聞こえない異音がしていないか?
・扉が閉まりかけているのに、無理やり乗ろうとしていないか?
・地震や火災発生時の避難手段として、エレベーターの使用が極めて危険なことは言うまでもない。

最終更新日:2015年10月06日


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