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自由化に伴う電力会社の変更 マンション特有のルールに注意

2015年12月25日

平賀功一

自由化に伴う電力会社の変更 マンション特有のルールに注意

平賀 功一の最旬コラムNo.66

地球の気温上昇を2度未満に抑える「パリ協定」が採択/COP21

今年(2015年)は、フランスのパリで開催された「気候変動に関する締約国会議(COP21)」。熟議を重ねた後、産業革命前からの気温上昇を2.0度未満に抑えるとともに1.5度未満に収まるよう努力し、加えて、出来るだけ早い時期に世界の二酸化炭素排出量の増加を止め、今世紀後半には実質的にゼロを目指す「パリ協定」が12月12日に採択されました。

発展途上国を含む世界196の国と地域すべてが温暖化対策に取り組む初めての国際的な枠組みとなり、わが国は2030年度までに26%削減(2013年度比)する目標を打ち立てました。

議長国となった日本で1997年に採択された「京都議定書」(COP3)では、先進国全体で少なくとも温室効果ガスの排出量5%削減を目指すことを決定しました。しかし、排出量の最も多い中国が発展途上国という理由により、そもそも京都議定書には参加しておらず、また、一度は議定書を締結したアメリカ(排出量世界第2位)が2001年に離脱してしまうなど、京都議定書には波乱の歴史がありました。

それだけに、「すべての国が参加し、公平かつ実効的な枠組みとなるパリ協定が採択されたことを高く評価する」といった声明が各国から聞こえており、今後は「パリ協定」の合意内容がどれだけ実現できるか?―― その実効性が問われることになります。

環境対応とコスト構造の見直し 両者の同時進行が求められる

日本政府は国際的な温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」の合意を受け、2016年度にも全ての電力会社に温暖化対策を義務付けます。国内の温暖化ガス排出量の4割を電力業界が占めるため、26%という削減目標を確実に達成できるよう、電力会社への取り組み強化を実施します。

しかし、東日本大震災による原発事故以来、電源構成が火力中心になっている中で、さらなる温暖化ガス排出量の削減は容易ではありません。

2016年4月からは一般家庭へも電力自由化が拡大され、電力各社は競争にさらされることになります。異業種からの参入も多く、これまでのような地域独占は許されません。おのずと料金の引き下げや料金メニューの拡充が不可欠となり、“選ばれる電力会社”になるためには抜本改革が求められます。コスト構造の見直しや新サービスの導入など、温暖化対策の責任を負いながら、同時に経営のスマート化(競争力の強化)も実現しなければならないのです。

共用部分に関する電力会社の変更には、総会による過半数の賛成が必要

一方で、消費者側にも正確な理解が求められます。目に見えて格段に電気料金が安くなるような幻想を抱いてはいけません。

電気事業連合会は「電気は生活に欠かせない必需財であり、消費者にとって供給の安定性や料金水準の安定性確保が重要な要素を占めていると考えられます。多種多様な事業者が参入し、市場原理によって取引される場合、消費者にとっては必ずしもプラス面だけではない可能性があります」と指摘します。コスト競争の過熱により、停電の頻発や新規参入業者の倒産が相次いでは、かえって消費者利益を損ねます。過度なコストダウン期待を抱いてはならないのです。

こうした点を踏まえ、分譲マンション(共用部分)で電力会社を変更する場合は十分な議論が必要です。事業者の選定にあたっては電気料金ばかりに気を取られず、供給の安定性や電気事業者の経営体力なども加味したトータルバランスが管理組合には求められます。

共用部分に関する電力会社の変更は区分所有法上、「管理行為」に該当するため、「共用部分の管理に関する事項は集会の決議で決する」(第18条)ことになります。その際、スマートメーターへ取り換えるだけであれば共用部分の形状や効能を著しく変更しませんので、総会による過半数の賛成(普通決議)が得られれば十分です。特別決議(4分の3以上の賛成)までは必要ありません。

補足として、共用部分と専有部分は別扱いのため、共用部分の電力会社を変更したからといって、同時に専有部分の電力会社も同じ事業者に変更しなければならないという心配はありません。そのまま(契約変更なし)でも、あるいは共用部分とは異なる事業者に独自で変更しても問題ありません。建物全体で一括の高圧電気契約をしている場合などを除き、専有部分は各区分所有者が自由に電力会社を選べます。

12月25日には大手コンビニのローソンが三菱商事と共同で電力の小売り事業に参入することを正式発表しました。コンビニチェーンの参入は初めてだそうで、自由化によるさらなる競争激化が想起されます。

年明け以降、参加事業者のメニューが次々と公表され始めますので、契約変更を検討しているマンション管理組合は情報収集から取り掛かりましょう。上述したトータルバランスを意識し、最適な電気事業者を見つけてほしいと思います。

最終更新日:2015年12月25日


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