ページトップへ

Yahoo!不動産おうちマガジン は家探しのヒントが満載の情報サイトです!

>
>
これって本当に家賃保証(?)頻出するサブリーストラブル

2016年12月02日

平賀 功一

これって本当に家賃保証(?)頻出するサブリーストラブル

平賀功一の最旬コラムNo.99

これって本当に家賃保証(?)頻出するサブリーストラブル

(写真:アフロ)

賃貸経営の安定を求め、高まる「サブリース」ニーズ

11月14日に内閣府から公表された今年7~9月期の実質GDP(国内総生産)速報値は年率換算でプラス2.2%となり、3四半期連続のプラス成長となりました。個人消費や企業の設備投資が年率ゼロ%台の成長にとどまるなか、住宅投資が同プラス9.6%という突出した成長率となり、GDP全体の底上げに大きく貢献しました。

こうした住宅投資の力強さは新設住宅着工戸数(国土交通省)にも表れており、2016年度上半期(4~9月)の着工戸数は50万151戸(前年同期比6.0%増)と、リーマンション以来、8年ぶりに50万戸台を回復しました。その中でも特に「貸家」が大きく伸びており、賃貸目的のアパートやマンション建設が盛んであることを裏付けます。 

しかし一方、旺盛な借家の新設は新たな問題を引き起こしています。借家の供給過剰により需給バランスが崩れてしまい、賃貸マーケットは「借り手市場」に傾倒しています。アパートを借りたい人の数(需要)より貸したい人の数(供給)が多くなり、近年、空室率の上昇や家賃の下落を誘発しています。 

そこで、空室や減収に悩まされたくないオーナーは「サブリース契約」を締結して自己防衛(経営不安の排除)に努めています。サブリース契約とは、オーナーが所有する賃貸住宅を賃貸管理会社に賃貸し、その後、「借り主」となった賃貸管理会社が、今度は同時に「転貸人」となって実際の入居者(転借人)の募集や家賃回収、建物の維持管理、さらにクレーム処理や退去時の敷金精算などを行う契約方法の1つです。

賃貸管理会社が“直接”の「賃借人」になるわけですから、実際に入居者が住んでいても住んでいなくても、賃貸管理会社からサブリース契約通りの家賃がオーナーに支払われます。アパートにしろマンションにしろ、経営者であるオーナーにとっては収益の安定性が重要課題です。賃貸経営の“安全運転”を志向するオーナーにとって、「家賃保証」「空室保証」は強い味方となります。

トラブルの主因は将来の家賃変動に対する説明不足

しかし、安定経営の一翼を担うはずのサブリース契約が、今日、トラブルの誘発原因になりつつあります。今年9月、国土交通省から各不動産業界団体へ「サブリースに関するトラブルの防止に向けて」と題された通知がなされました。

「近年、土地所有者がアパート等の賃貸住宅を建設し、賃貸管理業者が当該賃貸住宅を借り上げて転貸するサブリースに関し、家賃保証をめぐるトラブルが発生しています」

と警鐘を鳴らしています。 

よくある家賃保証をめぐるトラブルとして、たとえば「30年一括借り上げ」といっても、現実問題、30年間にわたって初年度と同額の家賃が支払われ続けるのは極めて稀(まれ)です。賃貸管理会社は定期の契約更新時に、家賃の改定を要求してくるからです。建物の経年劣化や設備の陳腐化に伴い、募集しても入居者が見つからない場合など、オーナーは家賃の値下げを受け入れざるを得ません。両者の合意を前提に、更新時には家賃改定できるよう、契約書には条項が盛り込まれています。 

とはいえ、こうした減額要求を甘受し、仕方ないと納得するオーナーばかりではありません。「そんな話は聞いていない」「説明を受けていない」と訴えるオーナーが目立ち始めています。その原因の1つとして挙げられているのが、将来の家賃変動に対する賃貸管理会社の説明不足です。 

そこで、事態を重く見た政府はさらなるトラブル頻出を抑制すべく、借り上げ家賃の変動にかかる条件を書面で交付し、契約前には重要事項説明するよう「賃貸管理業者登録制度」を改正して規制強化(義務化)に乗り出しました。すでに今年9月1日から施行されています。 

家賃の減額要求に対抗するための3つの判断材料

ただ、それで一件落着というほど話は簡単ではありません。家賃の減額を要求された際、その減額幅が本当に適正なのか、納得を伴った説明なくして賃貸オーナーは同意に応じられません。 

そこで、知っておいてほしいのが家賃設定のノウハウです。賃貸管理会社から家賃改定の話が出た場合、以下の3つの要素を判断材料に減額された家賃(改定家賃)が適正かどうか、自己判定できるようにしておいてほしいのです。 

  1. 同エリア・同条件での家賃の比較 
  2. 賃貸住宅を売却すると仮定した場合の市場価格(時価評価) 
  3. 租税公課(固定資産税や都市計画税など)の変動 

分譲・賃貸を問わず、不動産価格には必ず相場が存在します。そこで、所有している賃貸住宅と築年数や居室の広さ、設備の充実度などが似ている物件がいくらで貸し出されているか、同エリア・同条件での家賃を比較してみることで、改定家賃の適正が判定できます。

と同時に、賃貸住宅のリセールバリューも有効な判断材料となります。ここでいうリセールバリューとは、賃貸住宅を売りに出したと仮定した場合の売却査定価格(市場価格)を意味します。時価評価することで新築時より資産価値がどの程度、下落しているか、その目減り割合と家賃の減額幅が近似していれば、改定家賃が適正であると一定評価できます。逆に、かい離の程度がひどい場合には、減額幅の縮小を賃貸管理会社に要求することができます。 

さらに、固定資産税や都市計画税の納税額の変動も参考になります。というのも、こうした不動産所有にかかる税金は一定期間ごとに評価替えがあるからです。地価や物価に連動して、微調整が行われます。よって、家賃も連動させるのが合理的と考えられます。毎年の納税額の変化にも注視するといいでしょう。 

「家賃保証」に「空室保証」と魅力あるサブリース ――。しかし一方、注意点も多々あります。リスクを十分に把握したうえでの利用が欠かせません。本稿を参考に「傾向」を知り、同時に「対策」を怠らないようにしてください。 

最終更新日:2018年08月30日

キーワードを入力してください

キーワードから探す


本文はここまでです このページの先頭へ

Yahoo!不動産 おうちマガジンとは?

不動産にまつわるマジメな記事からおもしろ記事まで、家さがしが楽しくなる情報をお届け!新しい暮らしのヒントが満載のマガジンです。