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中古住宅購入+エコリフォームで補助金が最大65万円交付

2017年03月17日

平賀功一

中古住宅購入+エコリフォームで補助金が最大65万円交付

平賀功一の最旬コラムNo.107

中古住宅購入+エコリフォームで補助金が最大65万円交付

(ペイレスイメージズ/アフロ)

ついに新築と中古の販売戸数が逆転「脱ガラパゴス化」進展の予兆

不動産関係者の間で、年明け、あるデータが話題となりました。

2016年1年間に供給された首都圏の新築マンション戸数が3万5772戸(不動産経済研究所)だったのに対し、中古マンションの成約戸数は過去最高の3万7189戸(東日本不動産流通機構)となり、中古マンションが新築マンションを上回ったのです。

同機構によると、すべての都県・地域別で中古マンションの成約戸数(前年比)が伸びており、特に東京都区部では2ケタ増(11.1%)を記録しました。中古住宅の流通シェアが主要諸外国に比べて極めて低く、新築に偏在するという、日本特有の「ガラパゴス化」した状況から脱却する予兆が見え始めたのです。

とはいえ、高値警戒感のある新築マンションを嫌気したマイホーム検討者が中古へと流れた側面はあるでしょう。無論、楽観は禁物です。ただ、住宅政策の効果は無視できません。「住宅ローン減税」制度は累次の改正により、中古住宅への適用条件を緩和(適用範囲を拡大)し続けています。また、2010年3月から3回にわたって導入された「住宅エコポイント制度」(すでに終了)も良策として機能しました。

私事にはなりますが、東日本大震災の被災地復興支援などを目的に、2012年1月に再導入された「復興支援・住宅エコポイント」の時にポイントをもらいました。当時、住んでいた分譲マンションの共用部分が一部、地震の被害を受けたため、その修復のための工事を対象に約330万ポイントの付与を受けました。

共同住宅の場合、発行されるポイント数は「1戸あたり最大30万ポイント」でしたので、工事種別や工事部位、工事対象となったマンションの部屋数などに応じてポイント数を計算。その結果、私のマンションの場合では約330万円相当が管理組合に付与されました。

さらに、現在、住んでいる一戸建て住宅でも2015年2月に再々導入された「省エネ住宅ポイント」を上手に活用しました。省エネ、バリアフリーおよび耐震工事を設計に盛り込み、合計45万ポイント(45万円相当)の付与を受けています。せっかくの制度を活用しない手はありません。

耐震性や省エネ性能に優れた住宅ストック拡大のための補助金制度がスタート

実は現在、すでに類似の制度がスタートしています。若者による中古住宅の取得を支援し、耐震性や省エネ性能を確保・向上させるリフォームあるいは建て替えを促進すべく、該当事業に補助金を交付する「住宅ストック循環支援事業」が始まっています。

本事業は以下の3つのケースを補助対象にしており、それぞれの適用条件と補助額を整理すると下表のようになります。

【図表】住宅ストック循環支援事業の適用条件と補助額(概要)
1.良質な既存住宅の購入 【適用条件】
  • 住宅購入者の年齢が2016年10月11日(予算成立日)時点で40歳未満であること 
  • 自ら居住するための中古住宅を購入すること 
  • インスペクションを実施すること 
  • 既存住宅売買瑕疵保険に加入すること 

※エコリフォーム実施の有無は問わない

【補助額】
  • インスペクション:一律5万円 
  • エコリフォーム:最大50万円(インスペクションの5万円を含む) 

※耐震改修工事を同時に行うと、15万円が加算されて最大65万円が補助される。
2.住宅のエコリフォーム 【適用条件】
  • 自ら居住している住宅をエコリフォームすること 
  • 工事請負契約に基づき、リフォーム業者に発注した工事であること (セルフリフォームは不可) 
  • エコリフォーム後の住宅が耐震性を有すること 

※年齢制限はなし

【補助額】
  • 最大30万円 

※耐震改修工事を同時に行うと、15万円が加算されて最大45万円が補助される。
3.エコ住宅への建て替え 【適用条件】
  • 耐震性を有しない住宅を除却すること 
  • 除却の対象は住宅(居宅)に限定し、付属する離れや小屋、納屋などは対象外とする。 
  • 自己居住用のエコ住宅に建て替えること 

※年齢制限はなし

【補助額】
  • 最大50万円

「良質な既存住宅の購入」の適用対象者は40歳未満の人だけ 補助金は5万円のみ

(ペイレスイメージズ/アフロ)

(ペイレスイメージズ/アフロ)


以下、一般消費者(既存住宅の新規購入者あるいは居住者)の立場に立ち、注意点を主眼に話を進めますが、最初の「良質な既存住宅の購入」とは、適用条件に従い中古住宅を購入すると、一定額の補助金が受け取れる制度です。

特筆すべきは適用対象者が40歳未満の人に限られている点です。おそらく住宅購入適齢期である30歳代後半の人たちに訴求したいのでしょう。1976年(昭和51年)10月12日以降に生まれた人だけが補助金の交付を受けられます。

また、この適用を受けるには、インスペクション(建物の現況検査)の実施と、既存住宅売買瑕疵保険への加入申し込みが売買契約締結前に終了している必要があります。瑕疵保険に加入するには、耐震性を始めとする住宅性能が審査基準を満たしていなければなりません。高品質な住宅ストックを流通・拡大させたいという思いが本事業には込められています。

なお、保険に加入するのは不動産仲介業者、あるいはインスペクション業者となり、一般消費者は関係してきません。交付申請の実務は業者が行ってくれるので、中古住宅の買い主に特段の手間は掛かりません。

その分、インスペクションの実施に伴い交付される補助金は5万円のみです。しかも、本事業に定める補助金の目的や適用対象が同一であり、国費が投入されている他の補助金との併用はできません。従って、すでにインスペクション費用に対する別の補助金を受けている場合(予定を含む)には交付申請できません。同時にエコリフォームをしないと、本事業の恩恵は皆無に等しいといえます。

補助金をもらいながら住宅の性能向上リフォームができるチャンス!

続いて、2番目の「住宅のエコリフォーム」に話を進めましょう。このエコリフォームは、上段「良質な既存住宅の購入」と同時に行うエコリフォームと内容は共通です。適用条件は、自己居住用の住宅を工事請負契約に基づき、工事業者に発注したエコリフォームであることが必須となります。

そのうえ、エコリフォーム後の住宅が耐震性を有することも条件としています。これは「リフォーム後(のみ)」に耐震性を有していればよく、「リフォーム前」の耐震性の有無は一切問わない、という意味です。

もともと新耐震基準に適合している住宅であれば、それ自体(=新耐震住宅であるという事実)で「耐震性を有している住宅」と事務局はみなしてくれます。登記簿によって「1983年(昭和58年)4月1日以降の新築」であることが確認できれば、その日付が記載された登記簿を提出するだけで「耐震性を有している住宅」であると証明されます。「耐震性を有することを確認できる書面」は不要となります。

では、新耐震基準に適合していない住宅の場合はどうでしょう。

この場合は検査機関によって耐震診断を行い、エコリフォームと同時に耐震リフォームも実施。その結果、耐震性を有することとなり、「耐震性を有することを確認できる書面」が取得できれば、その書面の提出によって補助金の交付条件を満たします。この場合はエコリフォームと耐震リフォームを同時に行いますので、最大45万円の補助金が交付されます。

ただ、注意点として分譲マンションを耐震リフォームする場合は共用部分の工事を伴うため、管理組合を工事発注者とする大規模な耐震リフォームになります。専有部分単位で工事をしても、交付条件は満たせません。その点は勘違いしないよう、ご留意ください。

補助対象工事については具体的に以下の(1)~(3)いずれか1つが必須となり、(1)~(3)のいずれかと併せて実施する(A)~(E)の改修工事も対象となります。 

【エコリフォームの対象工事(必須)】
(1)開口部の断熱改修(ガラス交換、内窓設置、外窓交換、ドア交換)
(2)外壁、屋根・天井または床の断熱改修
(3)設備エコ改修

3番目の設備エコ改修とは、「太陽熱利用システム」「節水型トイレ」「高断熱浴槽」「高効率給湯機」「節湯水栓」のうち3種類以上を設置する改修工事のことです。

注意点として、(1)(2)(3)および下記(B)いずれの改修工事を実施するにしても、事務局に登録された製品しか使用できません。工事を発注する際、一般消費者は自由に住宅設備を選べないのです。お気に入りの製品が未登録の場合、補助金の交付をあきらめるか、あるいは登録されている第二候補の製品を選ぶしかありません。 

【エコリフォームの対象工事(任意)】
(A)バリアフリー改修
(B)エコ住宅設備の設置
(C)木造住宅の劣化対策工事
(D)リフォーム瑕疵保険への加入
(E)耐震改修工事

補助金は(1)~(3)と(A)~(D)の合計で最大30万円が交付されます。これに(E)耐震改修工事を追加すると15万円が加算され、最大で合計45万円が交付されます。

私自身、過去2回「住宅エコポイント」制度を活用した際に感じたことですが、事務局は極めて厳格に補助金交付の審査を行います。国民の税金(国費)が原資ですので、当然、審査に不手際があってはならないわけです。交付フローの間違いや書類の不備があると書類が送り返されてきて、その指示通りに手直しをした後、送り返すよう指示してきます。これは、私の実体験でもあります。

事務局の職員はすべて提出書類に基づき交付の可否を判断します。すべての必要書類が整って初めて交付審査のテーブルに乗ります。

そのため、工事を請け負ったリフォーム業者が交付申請に不慣れだと、交付条件を満たさない設計・施工をしてしまったり、また、書類の作成でも提出書類の不備や記載のミスなど、すべて補助金交付の欠格要件となります。補助金の交付決定の前に工事は着手する必要がありますが、この順番を間違えたら、即、欠格要件となります。

それだけに、書類の不備や交付フローの順序を間違えないよう、事前準備が欠かせません。リフォーム業者との事前の打ち合わせが、とても重要となります。補助金が円滑に交付されるよう、リフォームの適用条件に合わせてリフォーム工事の内容を決定するのが正しい手順です。1つでも交付条件を満たさないと補助金は支給されません。リフォーム業者任せにせず、両者間での知識と情報の共有を怠らないようにしてください。

分譲マンションの耐震改修工事最大「45万円×総戸数」分の補助金が交付される

マンションの外壁工事 (ペイレスイメージズ/アフロ)

マンションの外壁工事 (ペイレスイメージズ/アフロ)


これまでは一戸建て住宅と分譲マンションの区別なく説明してきましたが、分譲マンションの共用部分をエコリフォームするにあたっては管理組合との絡みが発生します。そこで、最後に管理組合が補助金の交付を受ける場合の注意点をまとめておきます。

管理組合を発注者とし、分譲マンションの共用部分をエコリフォームする場合、補助対象となる各共用部分の工事(保険加入を含む)は次の通りです。

  • 開口部の断熱改修(ガラス交換、外窓交換、ドア交換)
  • 外壁、屋根・天井または床の断熱改修
  • リフォーム瑕疵保険への加入
  • 耐震改修工事

エコリフォームの実施にあたっては総会で決議を行い、その確認書類として議事録などを提出できることが求められます。また、交付申請手続きは、管理組合の代表者である理事長が行うことになります。交付される補助金は、エコリフォームだと「30万円×総戸数」、耐震改修工事だと「45万円×総戸数」が上限となります。

上述したように、以前に私が住んでいた分譲マンション(総戸数67戸)では「復興支援・住宅エコポイント」制度を活用して約330万ポイント(330万円相当)の交付を受けました。総戸数が多いほど、受け取れる補助金も多くなります。

本事業の予算は250億円で、上限に達した時点で申請を打ち切ります。中古住宅の購入やエコリフォームを検討している人は上手に本制度を活用してほしいと思います。

最終更新日:2017年03月17日


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