ページトップへ

Yahoo!不動産おうちマガジン は家探しのヒントが満載の情報サイトです!

>
>
>
マンション引渡し前のオプション会 注意点と上手な活用法

2017年03月29日

平賀功一

マンション引渡し前のオプション会 注意点と上手な活用法

平賀功一の最旬コラムNo.109

マンション引渡し前のオプション会 注意点と上手な活用法

(写真:アフロ)

オプション会とは新居への入居時に必要な商品が比較・購入できる展示会のこと

唐突ですが、会社勤めの読者の皆さんは2月24日の金曜日、何時に会社を退社しましたか?――

この日は停滞する個人消費を喚起し、同時に政府が掲げる「働き方改革」にもプラスの効果が及ぶよう、行政主導で始まった「プレミアム・フライデー」の初回日でした。日本では昔から「ニッパチ」といって、毎年2月と8月は消費が低迷する月といわれています。その点を意識してか、2月からのスタートとなりました。

とはいえ、すべての業界が販売不振に陥るわけではありません。たとえば3月3日のひな祭りに関連した業界は、この時期に繁忙期を迎えます。また、新年度からのスタートに向けて、不動産賃貸業者も忙しくなります。さらに、3月末に引き渡し日が集中する新築マンション関連でも業者の動きが活発になります。その関連業者とは、マンション契約者のためのオプション会に参加する住生活関連業者のことです。

そもそも、オプション会とはエアコンや照明・カーテンの販売から、キッチンの食器棚やリビングの壁面収納といった造作家具のオーダーまで、新居への入居時に必要となる多様な商品やサービスが比較検討・注文できる展示販売会のことです。

新築マンションの契約者には引き渡し日の数か月前になると、オプション会の案内(商品カタログやスケジュールのお知らせなど)が郵送されてきます。年度末を前に、この時期は関連業者の動きが慌ただしくなります。

私も不動産会社での営業マン時代、何度となくオプション会に顔を出しましたが、フローリングのコーティング(キズや汚れを防ぐための表面塗装)をするか・しないか悩む人が多かったのを思い出します。

また、マンションによっては火災保険や地元ケーブルテレビ、新聞購読の勧誘までする展示ブースもありました。マンション分譲業者の意向や系列・取引会社との兼ね合いにより、その都度、参加業者の顔ぶれは異なっていました。

マンションの契約者はせっかくの機会ですので、上手にオプション会を活用したいものです。そこで、本稿では利用上の注意点ならびに賢い活用法について、ご紹介します。

オプション価格の妥当性など、事前の下調べが成功への第一歩

まずは注意点から見ていきましょう。最大のネックはタイトなスケジュールです。オプション会は開催日時が限られており、また、多くの契約者が訪れるため、会場でゆっくりと時間を掛けて比較検討するのは難しくなります。そのため、あらかじめ郵送されてきた商品カタログで“予習”(品定め)をしておき、事前にチェックリストを作成しておくと、時間のロスを防ぐことができます。

事前に商品カタログでチェックすることがおすすめです。(ペイレスイメージズ/アフロ)

事前に商品カタログでチェックすることがおすすめです。(ペイレスイメージズ/アフロ)


また、誰もが気になるのが価格の妥当性です。「オプション価格というだけあって、一定の割引はされているものの、それでも安いのかどうか分かりにくい」と、あるオプション会の参加者は口にしていました。オプション価格が適正なのか、素人がその妥当性を判断するのは容易ではありません。

それだけに、前もって市場価格を調べておく用意周到さが欠かせません。オーダー品は難しいとしても、市販の既製品なら価格比較サイトを活用することで相場観がつかめます。短期での購入判断が求められるだけに、事前準備を怠らないようにしましょう。

また先日、参加者から次のような相談を受けました。

「私は天井にある照明の設置場所の移動と、バルコニーに照明器具の新設、ガス栓の増設も希望したのですが、どれも不可能と断られてしまいました。契約した住戸の内装工事は途中の状態なのに納得できません。他のマンションも同様な感じなのでしょうか?」

確かに未完成の状態であれば、追加工事に支障はないと考えがちです。しかし、新築ならではの目に見えない障壁があるのです。それは建築確認申請です。

ご存じ、建築物の新築工事には役所への建築確認申請が必要です。建築基準法や各自治体の条例に違反していないか、その適合性を図面上で確認するためです。従って、申請が認可された後に電気配線の変更やガス栓の増設をすると、申請した内容と竣工後の内容が異なってしまいます。一契約者だけのために、修正申請することは考えられません。その結果、オプション工事を断わらざるを得なくなってしまうのです。

対応策として、マンションの引き渡しを受けた後であれば可能性があります。というのも建物が完成し、検査済証を取得した後(竣工後)であれば、建築確認という制約に必ずしも縛られなくなるからです。

建築基準法では竣工後に「増築」する場合、新築の場合と同様に建築確認申請が義務付けられています。また、竣工後の「改修」も“原則として”確認申請を要します。「原則として」というのは改修工事の規模が、たとえばエレベーターのリニューアルや耐震補強工事のように、建物の基本構造部分に手を加える大規模な改修工事に限って確認申請を要する、という意味です。

よって、専有部分内での電気配線の変更やガス栓の増設など、大規模な改修工事に該当しなければ、竣工後に図面と異なる仕様にしてしまっても問題は生じません。特段、役所への届け出は必要ありません。

ただ、消防法や保健所の指導など、建築基準法以外にも関係法令がありますので、確認申請は不要だとしても、消防面や衛生面での届け出が別途、必要になる可能性はあります。

また、マンションの管理規約によってはコンクリートに手を加えるなど、共用部分の変更を伴うリフォームは「禁止」あるいは「総会の承認を必要」としているマンションも少なくありません。たとえ専有部分内のリフォームであっても、管理組合に要確認というわけです。

それだけに、オプションとして用意されてない宅内工事を望む場合、売買契約前に営業担当者だけではなく工事担当者(現場監督など)にも適否を確認しておくべきでしょう。同時に管理規約も確認しておくと、契約後に「失敗した……」という事態だけは回避することができます。

それでも強いこだわりがあり、自分好みの設備や仕様を手に入れたい人は、オーダーメイド型の分譲マンションを検討するという手もあります。コスト面での負担増は避けられませんが、自由設計によって理想に近いマイホームが手に入れられます。

面倒くさがり屋の人にこそ、上手に活用してほしい

(ペイレスイメージズ/アフロ)

(ペイレスイメージズ/アフロ)


続いて、長所も見ていきましょう。最大の魅力は手間と時間を削減できる点です。

照明やカーテン選びなど、時間的に余裕があり、面倒に感じない人は問題ないでしょうが、たとえば休日の異なる共働き夫婦や未就学児のいるご家庭では、家族そろってショールーム巡りするのは一苦労です。

オプション会では販売員が、そのマンションのデザインや仕様を把握していますので、各家族のイメージするインテリアにふさわしい商品を提案してくれます。特に忙しくて十分な時間が確保できない人や面倒に感じる人は、オプション会の活用が有効です。

また、2番目として、引っ越してきた時点でそろっているのも有難い話です。たとえばエアコンを取り付けようとした場合、すべて自分たちで手配するとなると、まずは家電量販店で商品を購入し、その後、取付け業者に来てもらわなければなりません。

正直、わざわざエアコン設置のためだけに時間を割くのは避けたいと感じるものです。オプション会で事前に注文しておけば、引っ越してきたその日から使用が可能です。4月(3月末引渡しの場合)といっても、まだまだ寒い日が続きます。エアコンのない空白期間を作らないためにも、前もって注文しておくと安心です。

そして、3番目として造作家具をオーダーしたい場合も有効活用できます。引き渡し後の工事となると、せっかくきれいに貼られた壁紙をはがさなければならなかったり、造作工事が完了するまで部屋の整理が終わりません。また、同じメーカーや建材でないと、デザインの統一感にも影響するおそれがあります。強いこだわりをお持ちの人は活用の検討が欠かせません。

「たかがオプション会、されどオプション会」―― その目的に応じて利用価値は変動します。上述したメリットとデメリットを勘案しながら、必要に応じて上手に活用してほしいと思います。

最終更新日:2017年03月29日


キーワードを入力してください

キーワードから探す

本文はここまでです このページの先頭へ

Yahoo!不動産 おうちマガジンとは?

不動産にまつわるマジメな記事からおもしろ記事まで、家さがしが楽しくなる情報をお届け!新しい暮らしのヒントが満載のマガジンです。