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住宅営業マンが苦手とする「こんなお客様」7つのケース

2017年09月05日

平賀功一

住宅営業マンが苦手とする「こんなお客様」7つのケース

平賀功一の最旬コラムNo.120

住宅営業マンが苦手とする「こんなお客様」7つのケース

(ペイレスイメージズ/アフロ)

顧客の対応次第では、営業マンといえども丁重な接客には限界がある

商売人の心得として、「お客様は神様です」という理念は今も昔も不変です。商品にしろサービスにしろ、お客様に購入あるいは利用してもらって初めて企業は利益を手にできるからです。収益の源泉となる顧客を横柄に扱う行為は、自らの首を絞めているに等しいわけです。


とりわけ、大多数の人にとって生涯のうち1・2回程度しかないマイホーム購入を手助けする住宅販売の営業マンには、特に高い倫理観が求められます。不動産法規や建築・税務の知識はもとより、顧客の要望を1つでも多く実現できるよう、お客様の声に耳を傾け、そのニーズを結実させるだけの良識や気配りが欠かせません。大げさかもしれませんが、顧客満足度の最大化こそが、引いては自社の利益にも直結(貢献)するのです。


しかし、現実問題、お客様を神様のように丁重に扱うには限界があります。いくら営業マンから提案しようにも、顧客との意思疎通が思うように図れない場合があるからです。どうしても接客に苦慮せざるを得ないケースが現実には多々あります。そこで、本稿では住宅販売の営業マンが苦手とするお客様の事例を7パターン紹介します。敬遠されるお客さんにならないよう、反面教師としてマイホーム購入検討者に役立ててほしいと考えています。

アンケートカードへの記入拒否は営業マンの印象を悪くする

【パターン1】 風水の教えが絶対条件になっている


まず初めは風水を信奉し、たとえば玄関やキッチンの方位など、間取りが風水の教えに合致していないと、即、検討対象外にしてしまう人たちです。


無論、風水には一定の効果が期待できるのでしょう。信奉者の思想観まで否定するつもりはありません。ただ、これは私の営業マン時代の体験談ですが、いくら商品の良さを説明しても聞く耳を持ちません。風水の教えが絶対なのです。これでは営業のしようがありません。そのせいか、契約に至った人は1人もいませんでした。こうした間取りに強いこだわりを持つ人は、注文住宅あるいは中古マンションをリノベーションするなどの選択肢がふさわしいといえます。


【パターン2】 アンケートカードの記入を拒否する


次に、アンケートカードの記入を拒む見学客も営業マンはいい印象を持ちません。


アンケートカードの記入には、(1)顧客の属性を把握する、(2)その属性から顧客ニーズを想像し、最適なセールストークを頭の中で練る ―― という目的があります。頭金と年収が判明すれば購入予算が分かり、年齢や家族構成が把握できれば間取りや部屋数を考慮した住戸タイプの提案が可能になります。相手を知らずして、戦略は立てられません。カード情報は販売員にとって、貴重な武器(営業ツール)になるのです。


にもかかわらず、記入を拒むわけですから、正直、営業マンは「丁寧な接客をしよう」という気にはなれません。強制はできませんので、嫌がる場合は未記入のまま見学してもらいますが、「記入を拒む」=「冷やかし(購入意思ゼロ)」あるいは「ライバル物件の偵察」というのが業界内の通念です。誰しも好んで個人情報を他人に教えたいとは思わないでしょうが、その物件に強い関心があるのであれば、なおさらアンケートカードへの記入を拒むべきではありません。


(ペイレスイメージズ/アフロ)


【パターン3】(買い先行の)買い替えである


さらに3番目として、買い替えを伴うお客様も、特に新築マンションを分譲する営業マンには好かれません。


すでに売却物件の売買契約が成立しているような「売り先行」の買い替えであれば問題はないのですが、引っ越し先の物件を契約し終えている「買い先行」の場合、「売却物件の売買契約が有効に成立しないと、移転先の物件の売買契約を白紙解除できる」という特約を付けるのが一般的なため、契約で取り決めた期間内に売却物件の買い手が見つからないと、この特約により営業マンは自分が販売した物件を契約解除されてしまいます。手付金も全額返金しなければなりません。


買い替えは通常、売却物件の売却代金を新規購入物件の代金の一部に充当するため、「売れないことには買えない」という宿命があります。こうしたなか、無用なトラブルを避けるべく「特約」が存在するのです。顧客保護には有効ですが、営業マンにとっては喜ばしくありません。そのため、解約リスクを伴う買い替えの顧客は、好まれざるお客様となります。


ただ、市況の変化には柔軟に対応せざるを得ない一面もあります。新築マンション販売が受難の時代にある現状において、完売するためには買い替えの顧客も取り込まなければなりません。そのため、特に総合不動産業者の場合、新築分譲部門と仲介部門が連携し、早期売却に向けたサポート体制を敷いています。


たとえば、買い手が見つからない場合には仲介部門が自社の査定価格で買い取るケースも珍しくなくなっています。「買い先行」で買い替えを希望する人はそのような不動産業者の営業マンを味方に付け、二人三脚で早期成約に向けて尽力してほしいと思います。

気の毒ではあるが、住宅ローンが組めない人は「顧客」ではない

さらに、次のようなお客様も営業マンは苦手とします。


【パターン4】 執拗に値引きを要求してくる

【パターン5】 優柔不断な性格で、いつまで待っても決断できない

【パターン6】 やたら難解な質問をしてくる


中古住宅の個人間売買では珍しくない「価格交渉」ですが、新築住宅ではクリアランス物件以外、値引き販売はしません。そのうえ返済計画が確定しており、購入意欲も旺盛ならまだしも、資金繰りが未確定で、買う気があるのかはっきりしない人から値引き要求されても営業マンは首を縦には振れません。交渉を承諾したにもかかわらず、最終的に契約に至らなければ、営業マンの面目は丸つぶれだからです。冷やかしの値引き要求は厳禁といえます。


また、やたら難解な質問をしてくる顧客も対応に苦慮します。一見、購入意欲の表れと捉えられがちですが、実は、自分の知識を自慢したいがための質問攻めというケースが珍しくありません。自ら勉強し、知識を広めているのは感心ですが、“専門家気取り”は営業マンの印象を悪くします。決して、専門的な質問を控えるよう進言しているわけではありません。購入の判断材料として有効な質問に限定してほしいのです。


(写真:アフロ)


そして、最後の7番目として、


【パターン7】 住宅ローンが組めない


気の毒ですが住宅ローンの組めない人は「顧客」と呼べません。失礼を承知のうえで、営業マンはお客様と見なしません。


なぜなら、マイホームを現金購入できる人は限られており、大多数の人は住宅ローンを利用します。つまり、「住宅ローンが組めない」=「マイホームが買えない」わけです。営業活動する意味がありません。


住宅ローンが組めない理由は人それぞれです。年収不足や勤続年数が短すぎる、多重債務者で事故歴あり。また、私もそうですが収入が不安定な個人事業主も審査は厳しくなります。近年、増加傾向にある非正規の労働者も同様です。しかし、いかなる理由があれ、購入資金を工面できない人を相手にはできません。


改めて、マイホーム購入検討者はご自身の“足もと”を見つめ直してください。あなたにとって、今が住宅購入のベストタイミングなのか?――


一定の頭金と長期にわたる安定収入の確保なくして、住宅ローンは組めません。「住宅ローンの審査が通らない」=「住宅購入のベストタイミングではない」と心得るべきでしょう。2008年に勃発したリーマンショックも、返済能力の低い人に多額の住宅ローン「サブプライムローン」を融資したことによる、返済滞納者の大量発生が原因の1つでした。


身の丈に合わないローンの借入は、自らの首を絞めるだけです。無謀な行為に他ならないのです。物件選びは重要ですが、それ以上に資金計画の立案には細心の注意が必要なのです。


以上、7つの例を挙げましたが、これが営業マンの本音です。実情(取引現場の最前線)を知ってほしいというのが本稿の狙いです。繰り返しになりますが、「お客様は神様です」という理念は今も昔も変わりません。反面教師として、マイホーム購入検討者に役立ててほしいと思っています。

最終更新日:2017年09月05日


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