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家賃は月額金額だけで決めるな!「めやす賃料」を活用しよう

2018年01月17日

平賀功一

家賃は月額金額だけで決めるな!「めやす賃料」を活用しよう

平賀功一の最旬コラムNo.126

家賃は月額金額だけで決めるな!「めやす賃料」を活用しよう

(写真:アフロ)

IT活用による宅地建物取引が本格始動 昨秋から賃貸契約のみ運用開始

安倍政権の掲げる「生産性革命」が不動産の分野にも広がりを見せ始めています。


昨年(2017年)10月から宅地建物の賃貸借契約にかかる重要事項説明が、パソコンやタブレットなどのITツールを介して行えるようになりました。賃貸住宅の検討者はインターネットを活用して、契約締結前に自宅でも重要事項説明を受けられるようになったのです。


重要事項説明には宅地建物の契約に関する紛争を未然に防止する目的があり、契約当事者が安全・安心な取引を実現できるよう、業法によって契約前の実施が義務付けられています。契約するか否かの判断材料となる、文字通り“重要な事項”についての説明となるため、国家資格者である宅地建物取引士が取引の相手方に「対面」で説明しなければなりません。


そのため、たとえば遠方に住む人が都心の大学に進学する際、その大学の近くの賃貸住宅を借りようとすると、これまでは不動産賃貸会社を何回か訪問する必要がありました。


それが、ITの活用によって遠隔対応できるようになったお陰で、移動にかかる時間や交通費の負担が軽減され、加えて平日の夜でも説明が受けられるなど、契約日程の柔軟化にもつながっています。


手続き上、その実施には重要事項説明書の事前送付や、双方向でやり取りできるIT環境の整備が必要になりますが、重要事項説明の状況が記録(録画・録音)されることで、トラブル発生時には責任の所在を明確にする効果が期待できます。現状、IT活用は賃貸契約にかかる取引に限定されていますが、いずれは売買契約にも利用範囲が拡大されると思われます。

(写真:アフロ)

珍しくなくなった「仲介手数料が半額」「礼金ゼロ」といった賃貸広告

こうした生産性の向上は借り主同様、不動産賃貸会社にも及ぶわけですから、仲介手数料を始めとする賃貸借契約を取り巻く費用負担関係にも変革が訪れることは想像に難しくありません。


現行法では不動産業者が賃貸借の仲介に関し、依頼者の双方(貸し主と借り主)から受けとることができる報酬の合計額は、賃料の1カ月分に相当する金額以内(別途、消費税)と定められています。私事にはなりますが、社会人になって一人暮らしを始めようと賃貸マンションを借りたとき、家賃1カ月分の仲介手数料(報酬)を請求され、何の疑いもなく支払ったのを今でも覚えています。それが当然だと信じ込んでいたからです。


しかし今般、こうした商慣行に変化の波が押し寄せています。「仲介手数料が半額」「礼金ゼロ」「家賃1カ月分を無料(フリーレント)」といった広告が随所で散見されるようになりました。「部屋を借りる際、借家人は家賃1カ月分相当の仲介手数料を支払うのが当たり前」といった“手数料神話”が徐々に崩れ始めているのです。


近年、相続税対策を一因に賃貸住宅が建設ラッシュとなり、「供給過剰」=「借り手市場」の様相を呈しています。限られたパイ(見込み客)を奪い合うには、ライバル業者との差別化が欠かせません。そこで、目にする機会が増えたのが「仲介手数料ゼロ」の賃貸広告です。


ただ、営利企業である不動産賃貸業者が、どうして仲介手数料をゼロにできるのか気になるところです。そこで、首都圏で賃貸住宅を専門に取り扱う業者に取材したことがあるのですが、その仕組みは「すべて貸し主から徴収することで、借り主の仲介手数料ゼロを実現している」との説明でした。空室の長期化を嫌がり、仲介手数料を負担してでも早く借り主を見つけたいという貸し主が少なくないといいます。


また、別の業者は「仲介手数料無料の物件が増えれば増えるほど、当社だけが借り主から手数料を請求することはできなくなる。顧客の目を引くためには、無料化の流れから取り残されては他業者に勝てない」と本音を打ち明けてくれました。空室リスクのヘッジ手法として、賃貸住宅のオーナーにとっては「仲介手数料ゼロ」=「自己負担」が苦肉の策となっています。

(ペイレスイメージズ/アフロ)

4年間の「トータルコスト」を比較して賃貸住宅の割安・割高を総合評価しよう

こうした環境の変化を受け、賃貸住宅を借りる側も既成概念を見直す必要があります。毎月の賃料が高いか安いかだけで適正水準かどうかを判断するのは早計と自覚すべきです。次に紹介する「めやす賃料」を評価方法の1つに加えてほしいのです。


めやす賃料とは賃貸住宅を4年間借りたと仮定し、その間の「賃料」「共益費(管理費)」「フリーレント」「敷引金」「礼金」「更新料」の合計額を48カ月で割って算出した1カ月当たりの金額を指します。借り主が賃料の多寡を比較する際の1つの“ものさし”となるよう発案されました。下表の試算例で、ご説明します。


※4年間まったく設定条件が変動しないと仮定した場合の試算例

※敷引金とは、敷金の償却や保証金の償却など、預かった金額から退去時に差し引く金額を指す。


賃貸借契約にかかる「賃料」「共益費(管理費)」「フリーレント」「敷引金」「礼金」「更新料」の金額や有無が、それぞれ異なるA~Cの賃貸マンションがあるとします。図表の1番目「賃料」だけを単純に比較すれば、Cマンションが月額8万円と最も高くなるのですが、9番目の「めやす賃料と賃料の差額」を見ると、Aマンションが4033円で最も高くなっています。つまり、めやす賃料で比較した場合、相対的にBマンションが最も割安になるのです。


めやす賃料は毎月の賃料以外に必要な負担金も考慮し、4年間という時間軸で「割安」「割高」を総合評価しよういう発想です。私が東京23区内で賃貸マンションを借りたときは「敷金2カ月」「礼金2カ月」「仲介手数料1カ月」「前家賃1カ月」と、合計6カ月分の初期費用(イニシャルコスト)が必要でした。


関西方面では「敷引き」や「保証金」と呼ぶなど、地域によって古くからの慣習による違いはあるものの、適正賃料の評価方法は「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」を合計した「トータルコスト」で比較する考え方に違いはありません。北海道から沖縄まで全国共通です。


下記の参考サイトに、めやす賃料を簡単に試算できるホームページを載せておきましたので、ぜひ活用してみてください。今日、マーケットは「借り手市場」です。今なら強気の交渉も不可能ではないでしょう。


<参考サイト>

最終更新日:2018年01月17日


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