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高齢者の孤独死――身寄りがいない場合、そのマンションはどう処...

2018年07月03日

平賀功一

高齢者の孤独死――身寄りがいない場合、そのマンションはどう処分される?

平賀功一の最旬コラムNo.133

高齢者の孤独死――身寄りがいない場合、そのマンションはどう処分される?

(ペイレスイメージズ/アフロ)

2025年には高齢者の5人に1人(700万人)が認知症になるとの推計あり

読者の皆さんは「2025年問題」をご存じでしょうか?―― 


2025年問題とは、戦後のベビーブーム時に生まれた団塊の世代(昭和22年~同24年の3年間に生まれた約800万人)の人たちが全員、後期高齢者(75歳以上)になることによって発生する数々の問題を指します。高齢社会と言われて久しいわが国ですが、総務省の調査(2017年)によると、すでに総人口に占める65歳以上の割合は27.7%、同75歳以上は13.8%にまで拡大しており、主要国で最も高い割合になっています。


平成28年版高齢社会白書によると、2012年時点で約462万人だった65歳以上の認知症患者数が2025年には約700万人になると推計されています。認知症とは記憶障害を中心にいったん発達した知能が後天的・持続的に低下した状態(症状)のことです。2025年には高齢者(65歳以上)の約5人に1人が認知症に罹患する計算です。認知症の人を含む高齢者への理解を深めるとともに、適時・適切な医療・介護の提供ができる仕組み作りが早急に求められます。 

管理費等を滞納したまま死亡した場合、管理組合は誰に請求できるのか?

こうした高齢化の進展はマンション生活にも暗い影を落としています。いまや分譲マンションに住む区分所有者の世帯主年齢は2人に1人が60歳以上(国土交通省「平成25年度マンション総合調査」)に達しており、役員のなり手不足を筆頭に、管理費や修繕積立金など(以下、管理費等)の滞納、また、認知症に伴う室内での奇声やごみ屋敷化、さらに共用部分での徘徊や他の居住者への暴言・暴力など、いずれも快適なマンション暮らしを妨げる要因になっています。 


(写真:アフロ)


そうした中でも極めて深刻なのが独居高齢者の孤独死です。以前、私が住んでいた分譲マンションでも起こりました。6階に住む70歳代の女性が部屋で1人病死していたのです。近くに住む女性の弟が、連絡が付かないのを心配して訪問すると、ひっそりと室内で息を引き取っていました。その女性とは同じ時期に一緒に役員をやったことがあり、親交があっただけに、悲報を耳にしたときはとてもショックでした。


ただ、この高齢女性に管理費等の滞納はなく、親族も近くに住んでいたため、相続の発生に伴う管理組合への影響はまったくありませんでした。住戸を売却して買い請け人を見つけ、その買い主が新たな区分所有者となって新生活を始めています。


では、この女性が管理費等を滞納していたら、管理組合は誰に未収分を請求すればいいのでしょうか。


その場合、「包括承継人」(=相続人)が支払義務を負います。これは民法の相続に関する規定によるのですが、遺体の搬出費用や室内のクリーニング費用なども含め、滞納管理費等とともに包括承継人がすべての責任を引き継ぎます。


加えて、区分所有法では「特定承継人」に対しても滞納管理費等を請求できると定めています。特定承継人とは売買契約による住戸の買い主、あるいは競売による競落人などを指します。マンションを取得した新しい区分所有者と思ってください。管理組合は「包括承継人」と「特定承継人」のどちらにも支払請求できるのです。

請求先がない場合でも、売却すればその代金で滞納金を清算できる

それでは、本稿のテーマでもある被相続人に身寄りがいない場合、あるいは遺族が見つかっても相続放棄して請求先が見当たらない場合に、管理組合はどうすればいいのでしょうか。


(写真:アフロ)


この場合は利害関係人となるマンションの管理組合が家庭裁判所に「相続財産管理人」の選任申し立てを行います。相続人(当事者)が不存在である以上、第三者の力を借りざるを得ません。選任された相続財産管理人が相続財産を管理・処分します。


具体的には、遺留品の処分費用や相続財産管理人(通常、弁護士や司法書士などが担当)への報酬、また、滞納管理費等があればその未収分など、マンションを換価処分(売却)した売却代金で清算します。そして、管理組合が未収分を回収してもマンションの売却代金が余った場合、その残余分はすべて国に納付されます。民法の規定により、清算手続終了後の残余財産は国庫に帰属することになっているからです。管理組合は営利団体ではないので、一連の手続きを通じて“利益(儲け)”を得ることはありません。


「人生100年時代」といえば聞こえはいいのですが、近頃は「多死社会」といった表現も目にするようになりました。高齢化に伴う大量の人口減少時代が迫っているのです。


上述したように、高経年マンションが抱える世帯主年齢の偏在は「社会の縮図」そのものなのです。マンション生活を多死社会(スラム化)にしないためにも、管理組合は居住者の高齢化対策を怠らないようにしてください。 


【参考サイト】 

※「平成25年度マンション総合調査結果」参照

最終更新日:2018年07月03日

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