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住宅ローン減税の控除期間3年延長! 改正内容を詳しく解説

2019年02月11日

平賀功一

住宅ローン減税の控除期間3年延長! 改正内容を詳しく解説

平賀功一の最旬コラムNo.134

住宅ローン減税の控除期間3年延長! 改正内容を詳しく解説

(写真:アフロ)

「住宅ローン減税を控除し過ぎていた」―― 税務署の見落としが発覚!

不動産業界では蛮行・愚行が後を絶ちません。2015年には東洋ゴム工業が建物に使われる免震ゴムの性能を偽装し、昨年にはKYBが免震・制振装置の検査データを改ざん。さらに、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開するスマートデイズによるサブリース家賃の不払い問題など、業界の信用を失墜させる横行がいくつもありました。


加えて、政界でも不祥事の連鎖が止まりません。年金記録のずさんな管理が発覚した「消えた年金問題」を筆頭に、裁量労働制をめぐる厚生労働省の労働時間調査の不備、さらに年明けには毎月勤労統計の不正調査の実態までもが明らかになりました。


そうしたなか、今度は国税当局による見落としが発覚しました。住宅ローン減税による還付金を“払い過ぎていた”というのです。国税庁によると、還付申告者のうち過分に税金が控除された者が2013年~16年の4年間で約1万4500人いたそうです。もともとは住宅ローン減税の確定申告者側にミスがあり、申告内容そのものに誤りがあったのですが、その申告書類を受理した税務署側も誤りに気付かず、結果、本来の金額より多く還付してしまったというのです。 


(写真:アフロ)


同庁は「是正を要すると見込まれる納税者の皆様に対しては、所轄の税務署から、今一度ご自身の申告内容を見直していただき、申告誤りのあった内容の是正と不足分の税額の納付を行っていただくことをお願いしています」と呼びかけています。払い過ぎた還付金を返してほしいというわけです。報道によると、返金額(追加納税額)は1人あたり数万円~数十万円程度になる可能性があるそうです。累次の改正が災いし、住宅ローン減税の仕組みを複雑化させてしまった弊害といえるでしょう。

控除期間が3年延長 恩恵を受けられるのは消費税10%が課された住宅の取得者のみ  

さて、その住宅ローン減税が2019年度も改正されます。今年10月に予定される消費税率10%への引き上げを視野に、増税前の駆け込み需要とその反動減を防ごうと、マイホーム検討者の“購入意欲を損ねない”ための見直しが行われます。改正点は大きく2点です。


【住宅ローン減税 2019年度の改正点】

  1. 控除期間が現行の10年から13年に3年間延長される
  2. 延長される期間3年間の控除額の計算方法が改められる


住宅ローン減税はこれまで累次の改正がなされており、かつては選択制で控除期間15年間という時期(2007年・2008年入居)がありました。ただ、創設以来、控除期間は10年間というのが既定路線になっており、13年間への延長は稀有なケースです。控除期間が延長された分、還付される控除額も増えることになります。


なぜ、こうした大盤振る舞いが必要かというと、消費増税8%時(2014年4月)の景気変動を繰り返さないようにする狙いがあります。マイホームは購入価格が高額なため、増税による負担増も大きくなります。そのため増税前に需要が集中し、増税後には需要を先食いした結果、反動減で新設住宅着工戸数は減少を余儀なくされました。増税とほぼ同時(2014年3月)に前年同月比はマイナスへと暗転しました(図表1)。


※(出所)国土交通省「新設住宅着工戸数」     2014年4月1日:消費税率5%→8%


政府は同じ轍(てつ)を踏まないよう、愚直なまでに増税に対する負担増の軽減に力を入れています。そのため、消費税10%を支払って住宅を手に入れた人だけが支援されるよう、徹底した“メリハリ”(区分け)を付けました。消費税率10%が適用された住宅を取得した人のみ、3年間延長した住宅ローン減税の恩恵にあずかれます。増税前に駆け込み、税率8%の適用住宅を取得した人は対象になりません。もともと非課税の中古住宅を個人間売買した人も適用外です。税率10%が課されない住宅の取得者は、これまで通り控除期間は10年間です。

延長される3年間の控除額の計算方法

続いて、2つ目の改正点「延長される3年間の控除額の計算方法の見直し」に話を進めます。これまで、住宅ローン減税は控除額の金額を「各年の住宅ローンの年末残高×1%」という算式によって計算していましたが、改正後は次のように改められます。


【住宅ローン減税の控除額の計算方法】一般住宅の場合

  • 控除期間1年~10年は現行制度通り
  • 延長される11年~13年の各年は以下の(イ)(ロ)どちらか少ない金額
  • その際、所得税から控除しきれない場合は個人住民税(最高13万6500円)から控除される


(イ)住宅ローンの年末残高(4000万円を上限)×1%

(ロ)建物取得価格(4000万円を上限)×2%÷3


控除期間が3年間延長される分、控除額は増えるのですが、計算対象を「建物取得価格」とした算式(ロ)が新たに加わり、(イ)(ロ)いずれか少ないほうの金額が還付されます。


その際、気になるのがどうやって建物取得価格を調べるのか?―― 住宅価格は内税表記が一般的であり、分譲マンションでは土地・建物それぞれの価格(内訳)を開示していません。どうすれば建物価格が分かるのでしょうか。


実は「消費税額」と「消費税率」が分かれば簡単に算出できます。消費税は建物のみに課税され、土地は非課税という仕組みを利用して計算するのです。「消費税額」÷「消費税率」=「建物価格」となります。


たとえば、マンションの1室が4000万円で分譲されているとします。この4000万円には消費税10%分の250万円が含まれ、内税表記で4000万円(税込み)だったとします。すると、消費税額250万円を消費税率10%で割った2500万円(250万円÷10%)が建物価格になります。そして差し引き、販売価格4000万円-建物価格2500万円-消費税額250万円=1250万円が土地価格となります。


<販売価格4000万円(税込み)の内訳>

  • 建物価格:2500万円
  • 土地価格:1250万円
  • 消費税額:250万円


よって、延長される控除期間11年~13年の各年の控除額は、算式(ロ)から建物価格2500万円×2%÷3=約16万6600円となります。(イ)「住宅ローンの年末残高×1%」と比較し、どちらか少ない金額が還付されます。


この金額が多いと感じるか少ないと感じるか。つまり、増税前に駆け込むか、それとも慌てず住宅ローン減税の恩恵にあずかるか?―― 読者の皆さんの判断です。本コラムを参考に“最適解”を見つけてください。


最終更新日:2019年02月11日

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