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10%消費増税の救世主となるか? 次世代住宅ポイント制度の背...

2019年05月16日

平賀功一

10%消費増税の救世主となるか? 次世代住宅ポイント制度の背景と概要

次世代住宅ポイント完全解説 #1

10%消費増税の救世主となるか? 次世代住宅ポイント制度の背景と概要

写真:アフロ

10%消費増税を「令和元年」に実施したいという政府の本気度がうかがえる

今年10月に予定されている10%への消費税率引き上げを無難に乗り切ろうと、オールジャパン(施策の総動員)による動きが鮮明になっています。


3月27日、2019年度予算が可決・成立しました。一般会計の総額は過去最大の101兆円超えとなり、この中には消費増税対策として約2兆円が盛り込まれました。内訳としては、すまい給付金に785億円、創設される次世代住宅ポイント制度に1300億円が割り振られており、加えて、わが国初となる軽減税率の導入やキャッシュレス決済時のポイント還元など、「10%増税の再々延期はしない」という政府の強い決意が感じられます。


それも、そのはずです。政府は税率10%への引き上げを過去2回延期してきました。当初は2015年10月に10%へと引き上げる予定でしたが、2017年4月へと1年半延期。その後、「再延期はしない」との発言も虚(むな)しく、さらに2019年10月へと2年半、再延期されました。


これだけ慎重にならざるを得ないのには理由がありました。5%から8%への税率引き上げ時(2014年4月)、景気は一時的にマイナス成長となったからです。8%増税直後の2014年4月~6月期GDP(国内総生産)成長率は前期比マイナス6.8%(年率)となり、7月~9月期も同マイナス1.6%を記録しました。住宅市場は駆け込み需要とその反動減に襲われ、新設住宅着工戸数が大きく落ち込んだのは周知の通りです。当時も住宅ローン減税の最大控除額を倍増したり、フラット35の金利引き下げ幅を拡大。さらに、すまい給付金や贈与税の非課税措置などの刺激策を用意したものの、痛税感の緩和は失敗に終わりました。


そのため、「2度あることは3度ある」と揶揄(やゆ)されないよう、安倍総理は消費税率引き上げとそれに伴う対応について、「2019年10月以降の住宅購入にメリットが出るよう施策を準備します」と臨時閣議で発言(宣言)しています。背水の陣を敷くことで、国民への理解を得たい考えです。“令和元年”に決着(10%増税の実施)を付けたいという政府の本気度がうかがえます。

住宅市場の需要喚起を目指し、今度で4回目となる住宅ポイント制度

写真:アフロ


こうして創設されたのが次世代住宅ポイント制度です。税率引き上げ前後の需要変動の平準化を図り、もっと良質な住宅ストックの形成に資する住宅投資の喚起を目的に導入されました。


ただ、ここで気になるのが「創設」という表現です。この表現は正しくなく、「4回目」というのが正確です。なぜなら過去3回、すでに類似の制度が導入されているからです(下表参照)。


                                    (2019年4月時点)


これまでの制度を比較してみると、導入趣旨としてすべてに共通しているのが住宅市場の需要喚起(本筋=総論)です。そして、各論として省エネ性能や耐震性能の向上、高齢者にやさしい住宅への改修促進、さらに東日本大震災による被災地支援などが含まれます。個人的には、築30年も経過すると市場価値がゼロになるような住宅を温存(放置)させるな!―― というメッセージにも受け取れます。

「健康寿命・高齢者対策」「子育て支援、働き方改革」の概念が取り入れられる

写真:アフロ


改めて、次世代住宅ポイント制度とは一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能などを満たす住宅や、家事負担の軽減に資する住宅の新築・リフォームをした人に対し、様々な商品と交換できるポイントを付与する制度です。主な対象住宅と発行ポイント数は以下の通りです。


住宅ポイント制度

  • 注文建築による一定性能を有する新築住宅の取得(上限35万ポイント)
  • 一定性能を有する新築の分譲住宅(マンションを含む)を購入(上限35万ポイント)
  • 旧耐震基準の住宅を取り壊し、新たに注文住宅による建て替え、あるいは新築の分譲住宅(マンションを含む)を新規購入(上限15万ポイント)
  • 40歳未満の若者世帯が中古住宅(マンションを含む)を購入し、同時に一定のリフォームを行う場合(上限60万ポイント)
  • 自ら住む住宅(分譲マンションを含む)で、一定のリフォーム工事を行う場合(工事内容に応じてポイント数は異なる)


そして今回、特筆すべきはリフォーム工事の対象に「健康寿命・高齢者対策」「子育て支援、働き方改革」の概念を取り入れた点です。文頭の「次世代」という3文字に、こうした意味が込められているのでしょう。具体的な工事内容と発行ポイント数を例示すると、次のようになります。


【バリアフリー改修の例(高齢者対策)】

  • トイレや浴室、廊下、居室などへの手すりの設置:5000ポイント
  • 玄関や廊下、トイレ、浴室などの段差の解消:6000ポイント
  • 車いすの走行を容易にするための廊下幅の拡張:2万8000ポイント
  • ホームエレベーターの新設:15万ポイント
  • 衝撃を緩和する畳の新設または入れ替え:1万7000ポイント


【家事負担の軽減に資する設備の例(子育て支援)】

  • ビルトイン食器洗浄機:1万8000ポイント
  • 掃除しやすいレンジフード:9000ポイント
  • ビルトイン自動調理対応コンロ:1万2000ポイント
  • 浴室乾燥機:1万8000ポイント
  • 掃除しやすいトイレ:1万8000ポイント
  • 宅配ボックス:1万ポイント


【家事負担の軽減に資する設備の例】では、今般、社会現象にもなっている「時短」を意識した住宅設備がラインナップされています。何をもって「掃除しやすい」と判断するのか、その基準は明らかになっていませんが、次世代住宅ポイント事務局が独自に判別した登録設備のみが対象になります。すべて商品(設備の型番)は事務局に指定されてしまうわけです。いずれも高機能商品ですので、価格も“それなりに”なることが容易に想像できます。


それでも過去3回、いずれも住宅ポイント制度は好評でした。そのため早々に予算の上限に達してしまい、期限前に申し込みは打ち切られてきました。参考までに、それぞれの予算を見てみると、最初の住宅エコポイントが約2450億、2番目の復興支援・住宅エコポイントが約1450億円、そして省エネポイントが約900億円、今回の次世代住宅ポイントが約1300億円です。前回(省エネ住宅ポイント)は2014年度補正予算で805億円を計上したものの、申し込み殺到のあまり15年度予算で100億円を追加計上しています。今回も同様の人気ぶりが予想されます。


今秋以降、再び消費増税の洗礼(景気の腰折れ)を受けないよう、次世代住宅ポイント制度が下支え役として機能することを期待したいところです。


参考サイト

最終更新日:2019年06月11日

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