ページトップへ

Yahoo!不動産おうちマガジン は家探しのヒントが満載の情報サイトです!

>
>
資産価値に直結⁉ 知っておくべきマンション管理組合の仕組み

2019年09月04日

平賀功一

資産価値に直結⁉ 知っておくべきマンション管理組合の仕組み

マンション管理の実務ノウハウ#2

資産価値に直結⁉ 知っておくべきマンション管理組合の仕組み

写真:アフロ

管理の良し悪しは、管理組合の運営状況を見て判断すべし

分譲マンション生活において、管理が重要なことは言うまでもありません。マンション管理の良し悪しが、資産価値の良否をも決定付けます。そのせいか、管理の良し悪しをチェックする方法が市販本やネット上に溢れています。よく目にするのが「エントランスにゴミが落ちていないか」「駐車場や駐輪場が整理整頓されているか」「ゴミ置き場が清潔に保たれているか」――すべて「YES」のマンションは管理が行き届いている、という説明です。確かに“見た目のきれいさ”は、おろそかにできません。


しかし、見た目だけで管理レベルを判断するのは危険です。エントランスや駐輪場・ゴミ置き場の整頓具合は十分条件であって、必要条件ではないからです。エントランスやゴミ置き場が整理されているのは、管理人らが一生懸命、働いているに過ぎません。清掃員らの真面目さが分かるだけです。今般、不安視されている「修繕積立金は足りているか」「理事会は毎月開催されているか」、さらに「独居高齢者への生活サポートは」「避難訓練の実施や防災備蓄は十分か(巨大地震への備えは万全か)」―― こうした目に見えない部分の管理状況を確認せずして、マンション管理の良否は判断できません。そもそも、理想の管理組合運営における“必要条件”とは何なのか?―― その答えを知らずして、マンション管理は語れません。


ひと口にマンション管理といっても守備範囲は広く、さらに専門知識も求められます。一夜漬けで何とかなるほど、簡単なものではありません。


しかし、マンション生活をする上では避けて通れません。他人任せにもできません。無知・無関心は最大の大敵です。そこで、始めの一歩として管理組合の仕組みから勉強しましょう。マンション管理の全体構成を理解せずして、円滑な組合運営はできません。興味を持てれば、自然と知識も身に付いてきます。本稿を、その取っかかりとして役立ててください。

管理組合の法的位置付けは“あいまい” ⁉

写真:アフロ


管理組合という言葉は日常、よく目にします。マンションの購入検討者、あるいは区分所有者なら初耳というはずはないでしょう。しかし、その説明を求めると正確に答えられる人は多くありません。自治会と混同している人も、しばしば見かけます。


無理もないでしょう。学校では教わらないし、マンション販売している営業マンも詳しく説明しません。マンションの憲法と称される区分所有法にも管理組合という言葉は出てきません。法的な位置付けは、かなり“あいまい”なのです。


一例を挙げると、マンション名で銀行口座を開設できません。『○○マンション管理組合 理事長△△』という預金口座名が求められます。また、共用部分にかかる火災保険(マンション保険)の契約締結も同様です。区分所有法には「管理組合の理事長は、損害保険契約に基づく保険金の請求および受領ができる」と明記されています。契約主体(当事者)が管理組合ではなく、理事長である旨を規定しているのです。そのため、理事長名が記載された銀行口座は、理事長が交代するたびに口座名義も変更しなければなりません。


ただ、ややこしいのですが、契約の当事者は理事長個人という意味ではありません。理事長は管理組合を代理しているだけで、実務上(契約実体)は管理組合が契約の相手方と見なされます。もし、銀行口座が理事長の個人名義だとしたら、区分所有者から毎月徴収され、口座に入金される管理費や修繕積立金はすべて理事長の個人財産になります。そんなはずは、ないですよね。理事長名は形式的な意味合いが強いのです。本当に、管理組合はつかみどころのない存在なのです。

マンション管理組合の目的は、住み心地をよくすることと資産価値を上げること

写真:アフロ


このように法的解釈にはあいまいさが残る管理組合ですが、その役割は明確です。分譲マンションとは不可分の関係にあります。


まれに「管理組合には加入したくない」という区分所有者の声を耳にします。管理費や積立金を支払いたくないというのが、主な理由です。しかし、加入は強制であり、本人の意思は関係しません。管理組合は新築分譲マンションの契約者(区分所有者)が2人以上誕生した時点で、法律上、当然に成立します。そして、区分所有関係が生じた段階で自動的に管理組合員になります。すべて手続きを要せず、自然発生的に進行します。区分所有者本人に選択の余地はありません。


区分所有法には「区分所有者は全員で、建物ならびにその敷地・附属施設の管理を行うための団体(=管理組合)を構成し(以下、省略)」とあり、法律で管理組合への加入を義務付けています。もしも本人の希望が尊重され、管理組合に「加入する人」と「加入しない人」が存在したら、合意形成は困難になり、負担と受益のバランスも取れなくなります。良好な住環境が確保しにくくなるのです。


管理組合の役割は明確です。住み心地を追求し、共有財産の資産価値向上をミッションとします。自分の財産は自分で維持管理するとの考えに基づき、区分所有者全員が一致団結して快適性や安全性、資産性の向上に資する必要があります。マンションを共同管理するための組織が管理組合です。 

マンションは「理事会」が主体となってマネージメントしていく

写真:アフロ


管理組合の日常業務は多岐にわたります。しかも、マンションの管理・運営には区分所有者間の利害が絡みます。そのため、俎上(そじょう)に挙がった問題に対しては、居住者全員が一堂に会して議論を尽くすのが理想ですが、たとえば総戸数1000戸のマンションで全員を集めて会合を開いたら、多種多様な意見が噴出し、意見集約は困難を極めます。会場探しも、ひと苦労でしょう。


そこで、全区分所有者の中から代表者を選抜し、多岐にわたる管理業務を各代表者が分担して執行するようにします。合理的かつ実践的な組合運営を目指そうというわけです。そして、先の代表者を「理事(役員)」と呼び、理事を構成員とする会合を「理事会」といいます(図表参照)。理事会は管理組合の業務執行機関と位置付けられ、組合活動の中心的な役割を担います。分譲マンションをマネージメント(経営)する機関とも換言できるでしょう。マネージメント力の差が生活レベル(住み心地)の差となって表れてくるのです。


それほど理事に課された責任は重く、反面、期待される役割も大きくなります。そのため、一極集中しないよう理事の業務は分担され、「理事長」「副理事長」「理事」「会計担当理事」「監事」に役職分けされます(図表参照)。理事は総会決議(後述)によって選ばれ、各理事の役職は理事会で互選によって決められます。


補足として、監事は理事会の構成員ではありません。理事との距離を置くことで、適正かつ公正な職務の遂行を図るためです。監事の仕事は大きく2つあり、「業務監査」と「会計監査」を担います。管理組合の業務の執行状況をチェックするのが業務監査で、管理組合の財産状況をチェックするのが会計監査です。区分所有者ではありながら、常に“第三者”の目線で客観的に管理組合をチェックしようという発想です。企業の社外取締役をイメージするといいでしょう。監事はとても重要なポストなのです。 


決議事項は「総会」で多数決で決める

上段で理事会の位置付けや構成員について説明しました。理事会の機動力がマンションの住み心地にも影響を及ぼすと申し上げました。しかし、理事会はあくまで執行機関であり、最終権限(決定権)は有しません。


では、最終権限を有する機関はどこかというと、「総会」が該当します(図表参照)。管理組合は決議事項を多数決で決めるルールを採用しており、各区分所有者が議案の賛否を決し、一票を投じる場所として総会が用意されています。最高意思決定機関の役割を担います。


その総会に出席できるのは区分所有者と利害関係者に限られます。利害関係者とは管理会社の担当者のほか、たとえば大規模修繕工事の決議であれば工事施工者になります。部屋を借り受けている賃借人は出席できません。そして、その中で一票を投じられるのは議決権を持つ区分所有者のみです。“最高機関”だけあって、総会運営は厳格なルールのもと、実行されます。


年齢も仕事も考え方も異なる居住者が、ひとつ同じ屋根の下で共同生活を送るのが分譲マンションです。当然、利害や価値観のズレから意見対立が起こることは避けられず、常に何かしらのトラブルが起こっています。こうしたすべての諸問題に対して解決策を見つけるのが理事の仕事であり、その責務には実に重いものがあります。しかし一方、理事には大きな期待も寄せられています。有能な理事が活躍すれば、トラブルの早期解決が望めるからです。“マンション管理は人となり”と言ってもいいでしょう。


努力は必ず報われます。マンション管理の良否が資産価値をも決定付けるのです。これを機会に無知・無関心とは“お別れ”し、主体的に組合活動に参加するようにしてください。 

最終更新日:2019年09月05日

キーワードを入力してください

キーワードから探す


本文はここまでです このページの先頭へ

Yahoo!不動産 おうちマガジンとは?

不動産にまつわるマジメな記事からおもしろ記事まで、家さがしが楽しくなる情報をお届け!新しい暮らしのヒントが満載のマガジンです。