ページトップへ

Yahoo!不動産おうちマガジン は家探しのヒントが満載の情報サイトです!

>
>
法人税は企業だけではない 実は「マンション管理組合」にも課税...

2019年11月01日

平賀功一

法人税は企業だけではない 実は「マンション管理組合」にも課税される

マンション管理の実務ノウハウ#5

法人税は企業だけではない 実は「マンション管理組合」にも課税される

写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート

基地局不足の打開策として、マンションの屋上に関心が高まる

プライスリーダーとしての地位確保をもくろみ、“第4の携帯電話会社”として名乗りを上げた楽天モバイル。携帯大手3社による寡占状態を打破しようと魅力的な料金プランで価格競争を促し、これまでの業界地図を塗り替えようと新規参入しました。


しかし、ふたを開けてみると腰折れとの印象をぬぐい去れません。消費者の期待に反し、半年間は利用者を限定してサービスを開始。本格稼働は2020年春になる見通しです。その理由について、同社は携帯基地局の整備の遅れを指摘します。自社回線へのこだわりが自分の首を絞めてしまった格好です。「楽天」が「落転」しないよう願うばかりです。


ところで、どうして本コラムで携帯電話事業の話を取り上げるのか?―― 確かに、本題とは何の関係もないように思えます。しかし今般、基地局不足により熾烈な争奪戦(場所取り)が繰り広げられるなか、その打開策として分譲マンションの屋上に注目が集まっています。アンテナを設置したがる携帯電話会社が少なくないのです。とりわけ用地難の都心部においては、マンションの屋上がアンテナ設置に好条件・好都合となっているのです。


その結果、アンテナを設置した管理組合には設置料収入が入ることになりますが、その収入に対して国税庁が「法人税を支払わなければならない」との事業判定を下しました(文末のリンク参照)。この判定、納税する機会がほとんどないマンション管理組合には驚きをもって受け止められました。営利を目的としない団体に対し、課税の必要性を説いたのでした。

課税・非課税の分岐点は、収益事業から生じた収入か否かという点

写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート


改めて、税金の複雑さを痛感させられますが、管理組合が建物の一部を第三者に有償で使用させて対価を得た場合、その収益事業から生じた収入には法人税が課税されます。管理組合を単なるマンション居住者の団体と考えている人からすると、「どうして課税されるの?」と疑問に思う人がいても不思議ではありません。


確かに、管理組合は営利を目的としない非営利団体です。収益事業を行っている分譲マンションは決して多くありません。実際、分譲マンションは管理費と修繕積立金、そして敷地内の駐車場使用料を組合収入の柱(主な収入源)としており、こうした収入に法人税は課税されません。にもかかわらず、アンテナの設置料収入には課税されるのです。


はたして、課税・非課税の分岐点はどこにあるのか?――「収益事業から生じた収入」か否かが分かれ目となります。上段で、駐車場使用料には課税されないと述べましたが、それは「マンション居住者に賃貸した場合」という条件が付いた場合の話です。近年、マイカー離れで敷地内駐車場に空きが目立つようになり、その駐車スペースを居住者以外の第三者(不特定多数)に賃貸するケースが見受けられます。これは立派な収益事業となり、その収入には法人税が課されます。こうした行為は法人税法上の駐車場業に該当するため、営利を目的とした行為とみなされ、管理組合には税金が課されます。


では、実際にいくら法人税が課税されるのか、基地局をマンションの屋上に設置した場合で試算してみましょう。たとえば、アンテナの設置料収入が月額5万円とすると、年間収入は60万円(5万円×12カ月)となります。計算にあたっては、この収入から電気代などの必要経費を差し引くことができるのですが、「おおかた、こうした経費(電気代)は携帯電話会社が負担してくれます」(内情に詳しい税理士)。よって、丸々60万円が管理組合の収入となり、税率15%を掛けた9万円(60万円×15%)が法人税額となります。管理組合は事業年度の終了後2カ月以内に納税申告し、自ら税金を納めなければなりません。 


【屋上に基地局を設置した場合の法人税額(参考例)】

  • 年間収入60万円(月額5万円×12カ月)
  • 法人税率15%(年間収入800万円以下の場合)
  • 法人税額9万円(年間収入60万円×15%)


消費税には「課税される項目」と「課税されない項目」がある

写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート


課税といえば、消費税も無関係ではありません。消費税は商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して広く公平に課税される税金ですが、項目によって課税される場合と課税されない場合があります。管理組合に関係する項目ごとに分類すると、課税の有無は次のようになります。


【消費税が課税される項目】

  • 共用部分にかかる光熱費(電気代や水道代、電話代など)
  • 管理会社へ支払う業務委託費
  • エレベーターや機械式駐車場などの保守点検費用
  • 突発事故あるいは計画的な修繕のための工事(修理)費用
  • 第三者に貸し付けた敷地内駐車場の賃貸料


【消費税が課税されない項目】

  • 共用部分に掛けたマンション保険の保険料
  • 管理費と修繕積立金、修繕積立金基金、駐車場使用料


ここで気になるのが、なぜ、管理費や修繕積立金には消費税が課税されないのか?―― 国税庁のホームページに解説があり、「マンション管理組合は、その居住者である区分所有者を構成員とする組合であり、その組合員との間で行う取引は営業に該当しません。従って、マンション管理組合が収受する金銭に対する消費税は課税しません」と説明しています(文末リンク参照)。


消費税は事業者が事業として対価を得て行う売買やサービス提供が対象であり、区分所有者(組合員)同士のやり取りは該当しないというわけです。そもそも、管理費も修繕積立金も対価(報酬)ではありません。非課税に異論をはさむ余地はないでしょう。 

管理組合に固定資産税は課税されない

最後、固定資産税に触れておきます。結論から申し上げて、管理組合に固定資産税は課税されません。ただ、その理由は「収益事業から生じた収入」とか「事業者が事業として対価を得て行わなければ……」といった理屈ではなく、もっと単純な理由です。


分譲マンションは専有部分と共用部分で構成されており、専有部分は各区分所有者の単独財産、共用部分は区分所有者全員の共有財産です。つまり、分譲マンション(専有部分と共用部分)の所有者は区分所有者のみであり、管理組合の持分割合はゼロです。


固定資産税とは、その固定資産の所有者に対し、その固定資産の所在する市町村が課税する税金です。ここでいう固定資産とは、土地・建物および償却資産を指します。マンションの所有者ではない管理組合に対し、固定資産税が課税されることはありません。


まとめとして、管理組合は非営利団体ですが、収益事業から生じた収入には法人税が課税されます。また、消費税は項目によって課税される場合と課税されない場合があります。他方、固定資産税は一切、課税されません。本稿を参考に、分譲マンションにかかる課税関係を整理しておきましょう。 


最終更新日:2019年11月01日

キーワードを入力してください

キーワードから探す


本文はここまでです このページの先頭へ

Yahoo!不動産 おうちマガジンとは?

不動産にまつわるマジメな記事からおもしろ記事まで、家さがしが楽しくなる情報をお届け!新しい暮らしのヒントが満載のマガジンです。