ページトップへ

Yahoo!不動産おうちマガジン は家探しのヒントが満載の情報サイトです!

>
>
>
猫も成長するのです! 音楽家夫妻と猫のおうち・後編

2017年01月16日

池内 万作

猫も成長するのです! 音楽家夫妻と猫のおうち・後編

俳優・池内万作のおうちコラム

猫も成長するのです! 音楽家夫妻と猫のおうち・後編

昨夏、本多家にやってきたココ(四ヶ月メス)

前回までのあらすじ

どうもどうも。
猫のいる家に行ってはあれやこれや尋ねている変な人、イケウチです。
今回も引き続き、動物が苦手な作曲家・サックスプレイヤーの本多俊之さん、そして猫を愛してやまない作曲家・ピアニストの本多尚美さん夫妻のお宅でお話しを伺っております~。
前回は、俊之さんの動物が苦手な理由や、そもそも動物が苦手なのになんで家に猫が来たのかを伺い、二階リビングから一階の猫がいる部屋へと移動したところまででした。


本多家の先住猫リズム(四歳オス)。


そして今回は、我々が玩具を取り出すとリズムが遊び始めたところからとなります。
猫お気に入りの部屋で昼寝をしていたリズムですが、フサフサの玩具を見た途端に遊び始めました。玩具を捉えようと素早く前足を繰り出し、やがて瞳には野性が宿り「シャー!」と威嚇音を出し牙をむき始めたではありませんか!

尚美さん「リズム、凄ーい!」

俊之さん「シャー言った、りったんがシャー言った!」

イケウチ「りったん……?」

カメラマン「シャーはダメなんですか?」

俊之さん「シャーは怖いよ……」


リズムが家に来て四年、だいぶ猫のいる生活にも慣れたはずの俊之さんですが、こうなるとやはり怖いのだとか(笑)。

盛り上がるリズム(りったん)。嬉しそうな尚美さんと筆者。そして、一人微妙そうな俊之さん。


いやいや、笑ってはいけない。
やはり幼少期のトラウマというのは根が深いのですね~。
これだけはハッキリ言っておきたいのですが、別に「動物が苦手」なのを無理に克服する必要なんてないのです。
そして克服出来た人の方が人間的に上だなんてことも絶対にありません。
こういうのはむしろ個性です。
ただ……
家にはもう猫がいますからね(笑)。

「りったん」のシャーが気にならなくなる日が来ることを、祈っております!

猫が来て変わったこと

イケウチ「えっと……猫がいる暮らしにどれくらいで慣れました?」

俊之さん「どれくらいだろうね、慣れたのかな(笑)」

イケウチ「じゃあ、猫が来てなんか、変わったこととかありました? よかったこととか、逆に困ったこととか?」

俊之さん「やっぱり癒されるっていうのは凄くあるかも。まったりしてる時とか、寝っ転がってる時、抱きしめたくなる瞬間はあるよね。そんなの今までに経験がないことだったから。困っちゃうのは、二人で出かけちゃう時に誰が面倒を見るのかっていうことだよね。あんまり空けられないよね、家を」

イケウチが夫婦共々お世話になっている、本多俊之さん、尚美さんご夫妻。


そうなんですよね。
家に動物がいると、長期間家を空けるのは難しくなりますからね。
特に本多さん夫妻のように一緒に音楽をやっていて、仕事で両名共に家を空けなければならない場合は大変でしょう。

イケウチ「けっこう行きっぱなしとかになっちゃったりするんですか?」

尚美さん「長いと五日間とかかな」

イケウチ「五日間も家を空けるのは無理ですもんねえ」

俊之さん「そういう時は人に頼んだりしてるんだけどね。あと、夏だったら網戸にしてとか、そういうのが当たり前だったけど、戸を開けられなくなったよね。脱走するから」

脱走。
どの家でも同じような悩みを抱えているようですね~。
このコラムでも以前取り上げたし、これからも取り上げる……というか、さっそく今日も取り上げていますけどね(笑)。
実は、本多家にも猫が逃げださないような工夫がいくつもしてありました。

二階の窓は突っ張り棒と金網で防御。リズムは二階から脱走して屋根伝いに三軒先まで逃げたことも。


脱走対策はみんな頭を悩ますというか、「猫あるある」なのですね。
猫ごときに大袈裟な、なんて思う方もいるかも知れません。
でも、こんな統計があったりします。
ちょっと古い資料ですが、平成九年の東京都の調査では、東京都だけで年間約2万4000頭の猫が死体として収容されたそうです。おそらくこの多くは交通事故で命を落としたものでしょう。全てが全て交通事故だとは言えないし、今は以前より室内で飼う人が増えていますので、交通事故で命を落とす猫も減っていると願いたいです。
しかし、猫が交通事故で命を落とすケースは思っているより遥かに多いのです。

脱走事件

扉にはヒモが常備され、猫の行方を阻む。

さてさて。
リズムが家に来てまだ間もない頃。
俊之さん、尚美さんが演奏の仕事で札幌に行き、一泊二日の旅から帰ってきた時のことですね。
家に帰り、扉を開けてもリズムが姿を現さなかったんだそうです。
名前を呼びながら探しても、どこにも見当たらない。
これはおかしい、そう思ってリズムがよくいる部屋をもう一度調べてみると、なんと……窓の取っ手が回され、窓が小さく押し開けられていたそうです。
空いた隙間からは外の冷たい風が吹き込んでいたのかもしれません。
たぶん吹き込んでいたはずです。そういうことにしておきましょう(笑)。

逃走経路となった窓。


「窓から逃げだしちゃったんだ……」

そう悟った尚美さんは札幌から帰ってきて休む間もなく、リズムの名を呼びながら外に出て近所の探索を始めました。
寒く曇った冬、尚美さんは白い息を吐きながら(想像です)二時間以上リズムを探し続けたそうです。
当時のことを思い返してお二人はこう語ります。

尚美さん「近くの駐車場に行って一台一台車の下を見たりとか、ず~っと探してても見つからなくて。『もう、これでお別れかな』って思って……」

俊之さん「その時『ホントにいなくなっちゃった……』って言うんだよ。人間ってこんな哀しい顔するのかなって思うほど、哀しい顔して……」

その時、近所に住む当時小学校三年生だった女の子が『一緒に探してあげるよ』と、尚美さんに声を掛けてきてくれたのだそうです。
子供ならではの視線なのか、あるいは大人と違う行動範囲のせいなのかは分かりませんが、リズムは隣の家の奥の方にいるところを発見され、無事に本多家に戻ったんだそうです。めでたしめでたし!

特注の格子窓

そんな事件を受けて、元々はコンクリート打ちっ放しの壁に窓が開いているだけだったところに、脱走防止策として白い格子戸が取り付けられたのです。
この格子が実に良く考えられて作ってあるんですが、その前に筆者はその窓の頑丈さにビックリしてしまいました。

以前リズムが逃げだした窓に付けられた格子。その格子を開けてみると……


イケウチ「ウソでしょ!? この窓を開けたんですか!?」

尚美さん「頭をね、取っ手と枠の隙間に入れて、こうぐいっと……」

格子を開けてビックリ。とても猫が開けられるとは思えないほど重くしっかりとした取っ手。


筆者が拳でやっているように、頭を取っ手の隙間に押し入れて、グイグイと上に押し上げ、重い窓を体で押し開けて出て行ったのだとか。
戸を開けたり、ドアの取っ手に飛びつき扉を開ける猫はいくらでも知っていますが、カムラッチハンドル(というんだそうですよ)を開けて出ていく猫の話を聞いたのは初めてでした。
猫はモフモフして可愛く見えるけど、実は結構力が強く、三歳児並みの知力を持ち、ついでに非常にしつこい性格をした生き物ですからね。
一筋縄ではいかないのです。

コンクリネジで留めてある格子。格子の裏側(左上、奥)についているのが鍵。


さてさて、取り付けられた格子をよく見てみましょう!
ご覧のように、コンクリートにドリルで穴を開けて、蝶番をコンクリート用のネジで留めるという非常にシンプルな作りになっています。
そのためそれほど費用もかからなかったとか。
ちょっとした知識と工具さえあればDIYも可能でしょう。
コンクリートの壁に何かしようと思うと、すごく大変に思えますけど、この単純明快なアプローチは凄く美しいと思いました。

裏側についた鍵。猫の手が届くことはない。


鍵も格子の裏側にあるので、人間が人差し指で表側から指を入れ、裏の金具を下ろさないと鍵が開かない仕組みになっています。
リズムには残念ですが、この窓からの脱出は完全に不可能となってしまいました。
まさにエンジニアリングの勝利です。
猫の脱走に悩む皆様、こんな対処法もあるので是非是非参考になさって下さい~!

そんなことは文字通り、歯牙にもかけないリズム。


多頭飼いの効能

なんとなく二階のリビングに戻った猫と人間。

月日が経ち家に来た頃は仔猫だったリズムは現在四歳。
本多家には今年の夏に仔猫のココがやってきました。
するとリズムに思いがけぬ変化が見られるようになったそうです。

俊之さん「これが(ココ)来る前までは、この人(尚美さん)がよく噛まれてたんだよね。毎日毎日」

尚美さん「いつも遊ばれてたのね。お手洗いから出てくると、曲がり角に潜んでいて、角を曲がるとバッと襲われる、みたいな。そういうの全くしなくなっちゃった」

俊之さん「最近そういうのやってくれないから寂しいんだよね」

尚美さん「そうなのよ(笑)。ホントにおとなしくなったよね」

一匹だった時のリズムは、扉を開ければ本多夫妻と会えると思っていたようで、扉を片っ端から必死に開けていたそうです。
しかしあまりの必死さに、尖った取っ手で頭や手を切り、床が猫の血で赤く染まったこともあったとか。

リズムの出血事件を受け、ドアの取っ手は角のないものに取り替えた。


尚美さん「ココちゃんが来てからは、そういうことがなくなったみたい」

俊之さん「二匹になってからちょっと態度が変わったみたい」

尚美さん「もの凄く変わった、お兄ちゃんになって~」

俊之さん「ビックリしちゃった。なんつーんだろ……優しくなったよね?」

尚美さん「優しくなった」

イケウチ「そんなに違いますか!」

俊之さん「うん、違う。よかったよね、だから、二匹にして」

尚美さん「ねえ~。こんなに変わるとは思わなかった。面倒見るなんてなかったもんね。今じゃあココちゃんのために扉を開けて回っているし」

俊之さん「本当に変わったよ、リズムは」

尚美さん「大人になるんだなあ~と思って」

尚美さんが近所のペットグッズのお店に行った際、里親募集が行われており、目と目が合ってしまったのがココ。

初対面から慣れるまでは?

イケウチ「最初から結構仲良かったですか?」

尚美さん「最初ココちゃんをケージの中に入れて、リズムには見せないように他の部屋に置いていたんだけど、一日目はもう、うう、うう~って凄くて」

俊之さん「二週間くらいかかるって言われてたんだけど……」

尚美さん「二日目からかな。慣れたのは」

イケウチ「二日目!? 一日で慣れたんですか?」

尚美さん「そうなの(笑)」

俊之さん「本当に面白かったなあ。最初ココを連れてきた時、違う部屋にいてもずっと様子を窺ってるの。そしてジリジリジリジリ近づいていってね。ちょっといったらまた下がって。だんだん距離が縮まっていって。最終的にはケージに鼻をつけて」

尚美さん「やっぱりこう、舐めあったりしたのを見て、涙が出てきたよねえ」

イケウチ「二人で泣いてたんですか(笑)」

俊之さん「感動的だよね、やっぱり(笑)。そんなもんなんだあって思って。分かるんだなあ~って。仲良くならなかったことも想定してたからね」

イケウチ「でも、トシさん動物苦手なんですよね? 二匹目飼いましょうって尚美さんが言い出した時、『さすがに二匹目とか勘弁してくれよ』とか、思わなかったんですか?」

俊之さん「あ、そこはね、もう一匹いた方がいいなと思ってたわけ」

イケウチ「ええっ!?」

尚美さん「色々な人に聞いたら、一人で寂しいと脱走するけど、もう一匹いて仲良くしてれば、脱走もしにくくなるって」

俊之さん「やっぱり,人間としか接してないってよくないしね」

尚美さん「ね」

俊之さん、すっかり猫を慮る人になっているじゃありませんか(笑)。
こうやって人は猫に飼い慣らされていくのかも知れません。

仲良く連れ立って歩くリズムとココ。

スタジオへ

取材も終わったところでお二人から「スピーカーを買ったので設置してみない?」という、なんとも抗しがたいお言葉を頂き(笑)、ぞろぞろと地下の方に。
ここが楽器の練習やレッスン、リハーサルなどが行われているスタジオです。

せっせとスピーカーを設営する筆者イケウチの奥にはピアノが二台。


なにやら作業する本多夫妻


スピーカーを設置して配線が終わると、今度はお二人はキーボードをいじり始めました。「リバーブがさあ」「それゲートでしょ」なんて言っているのでキーボードのエフェクトをいじっているのでしょう。
ああだこうだ言いながら二人でキーボードのエフェクトをいじる夫婦も珍しいですが、こういう風に共通の言語を持っているというのは素晴らしいですね。

「ほら、夫が定年退職して急に奥さんとずっと一緒にいなきゃならなくなって、何話していいのか分からなくなる、なんて言うじゃない。うちはそういうのないからいいよね。一緒にいる訓練が出来てるから(笑)」

俊之さんが取材の前に言っていたそんな言葉を思い出しました~。

最後は記念写真。棚には大量のレコードが。


はい。
そんな本多夫妻のライブが近日中に行われます~。
時間が合いましたら是非是非行ってみて下さい!

【ライブ情報】

というわけで本多俊之さん、尚美さん、本当にありがとうございました!
次回はちょっと猫から離れ、筆者イケウチの「自宅アパート」に焦点を当ててみたいと思っております!
ではまた!
(文・池内万作 写真・池内みちよ)

【取材協力】
【参考サイト】

池内 万作
1995年映画『君を忘れない』で俳優としてデビュー。以後、映画・テレビを中心に活動中。代表作として「こちら本池上署」シリーズ(TBS)、映画「光の雨」、「この世の外へ~クラブ進駐軍~」、「犬神家の一族」等。

最終更新日:2017年01月30日


キーワードを入力してください

キーワードから探す

本文はここまでです このページの先頭へ

Yahoo!不動産 おうちマガジンとは?

不動産にまつわるマジメな記事からおもしろ記事まで、家さがしが楽しくなる情報をお届け!新しい暮らしのヒントが満載のマガジンです。