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庭師さんにあれこれ訊いてみた Part2 庭造りのイメージを...

2018年06月22日

池内 万作

庭師さんにあれこれ訊いてみた Part2 庭造りのイメージを膨らます方法

俳優・池内万作のおうちコラム

庭師さんにあれこれ訊いてみた Part2 庭造りのイメージを膨らます方法

作業真っ最中の庭。

前回までのあらすじ

「造園」というよりは「林業」に近い今回の作業。


家にある木が大きくなりすぎちゃいまして。

「これはマズい!」ということで「廻庭舎(かいていしゃ)」を営む庭師の菊地さんに木を切ってもらったのが去年の十一月。


当時の庭。クレーンに乗る菊地さん。


これから庭を造って楽しもうと思っている人、あるいは庭の収集がつかず困っている人の役に立てばと、菊地さんにいろいろと話を伺い、まとめてみました。


前回は「庭に植えるならどんな木がいいのか」、「剪定の重要性」みたいな話を伺いました。

前回記事はこちらからどうぞ!


今回はどんな話が聞けるのでしょうか!

よろしくお付き合いください!

植木屋さんの繁忙期

イケウチ「梅雨から夏は木が一番成長する時期なので、梅雨前に剪定すると樹木への負担が少ないって聞いたんですけど……実際、植木屋さん頼むのっていつがいいんですかね?」


菊地さん「松の芽を摘むのはそのくらいの時期ですね。その時期に出た芽で枝を作っていくので。でも、植木屋が忙しいのは、盆と年末年始です」


イケウチ「年末年始はアレですよね、正月に庭をキレイにして一年を始めたいみたいなことですよね。お盆は?」


菊地さん「お坊さんが来る前にキレイにしておこうっていう」


イケウチ「夏だから成長が早いとかじゃなく?」


菊地さん「ええ。人間の都合というか(笑)」


イケウチ「じゃあ、わりといつでもいいっていうか……」


菊地さん「ええ。いつでも、その時にできる範囲で」


軽く反省中の筆者。実は「植木を切るなら梅雨前らしいよ」とあちこちで吹聴していた。


とのことでした(笑)。

剪定すると枝も根も若返り、木の活性化に繋がるそうなので、庭の木はできる時にできる範囲で剪定してやって下さい。


あまり放置すると、筆者の家のように、どんどん木が大きくなり、高枝バサミや梯子じゃどうにもならなくなり、クレーン車が登場する、なんて事にもなりかねません。


もちろん自分でやってもいいと思うんですが、気がついたら庭が危険な状態になっていた、なんてこともあり得るので、たまに信用できるプロの方に見てもらうのもいいと思います。


それを実感したのが写真のヒノキ。

この中の一本は立ち枯れていたので、危ないのは分かっていました。

でも、この状態がそもそも「あまりよろしくない」んだそうです。

こういうことはプロに言われないと分からないですね。


あまり一般的なケースではないと思いますが、一応紹介しておきます!

謎の密集ヒノキ

問題のヒノキ。間隔が狭く、かなり密集している。


イケウチ「このヒノキの状態は『あまりよろしくない』っていうのは、どういうことでしょうか?」


菊地さん「ヒノキって植える時は細い苗木を植えるんですけど、通常は植えたとしても、後から間伐っていうか、二本に一本くらいずつ間引いていくんですね。でも、それをせず大きくなると……」


イケウチ「苗木がそのまま伸びて、間隔がなくなって、こんな風に……」


菊地さん「そう。すごく密集してしまう。密集してるから根っこは地中でからんでいる。栄養もよくないので立ち枯れるヤツも出てくる。最終的にどうなるかというと、四方に根っこが張れていないので、すごい台風とかが来ると五~六本まとめて倒れたりするんです。よく林の、道に近いところがだだだだって倒れていることがあるじゃないですか。根っこが充分張れていなくて、支えきれないから」


イケウチ「あああああ」


カメラマン「こわっ……」


そんなわけで切ってもらったヒノキ。


駐車場の脇にあるこの密集ヒノキの高さはどれも七~八メートル。そんなものが倒れたら車は確実に大破するし、もしその時そこに誰かが居合わせてしまったら……なんて考えると恐ろしいですよね。

木なんて毎日のように見るけど、知っていることはほとんどないのかもしれません。


ちなみに、伸びすぎたからといってヒノキを途中で切ると、下の写真のように中が空洞化して立ち枯れる原因にもなるそうです。

もし庭に密集してヒノキが生えているようであれば(まずないでしょうけど)、お気をつけ下さい!


中が空洞化していたヒノキ。外からはまったく分からない。

菊地さんの好きな木は?


怖い話も終わったところで、菊地さんにどんな木が一番好きか聞いてみました。

日頃から様々な種類の木に触れている庭師さんは、どんな木がお気に入りなんでしょうか?


菊地さん「そうですねえ、柑橘類とかは好きですねえ」


イケウチ「この辺は果物王国ですからね~」


菊地さん「あとは手入れの楽な木? 人気の樹種になっちゃうんですけど、庭に植えるんでもトネリコとか。トネリコとかはほとんど病害虫もないし、意外と涼しげな感じで、樹形も自分で勝手に、ある程度自然な感じに伸びてくれるんで」


イケウチ「へえ~! 堅くて丈夫な木ですよね、確か」


トネリコの木。(写真:アフロ)


菊地さん「常緑樹だとソヨゴとか。病害虫にも悩まされないし、植えた方もお客さんから『病気になっちゃった』とか『枯れそうだ』とかトラブルがないほうがありがたいんで(笑)」


イケウチ「なるほど!」


好きな木を語る菊地さん。


菊地さん「あと植木屋だから言うんじゃないですけど、松はやっぱり……好きですねえ(笑)」


イケウチ「松は『やっぱり』なんですね~(笑)」


菊地さん「松は別格っていうか。盆栽のような、お宅に植わっているような門被りの松じゃなくて全然いいんですけど。自然系の、赤松であればなおいいです」


カメラマン「へえ、赤松の方が好きなんですか?」


菊地さん「自然っぽい感じに作りやすいし。あと、赤松の方が葉っぱが痛くないんで(笑)」


イケウチ「なるほど(笑)」


菊地さん「松っていうと和の庭をイメージすると思うんですけど、こういう雑木の多い庭の中に松があるかないかでその庭のランクが変わるというか。有名な庭師のインスタなんかを見るとコンクリートのエントランスに自然な赤松を二、三本組んで植えてあったり。そういうすごく斬新なのを見るとかっこいいなあ~と」


トネリコ、ソヨゴなんかがキレイで丈夫で手間もかからない、庭師さんも安心な樹種のようですよ。

そして庭のアイデアを探している方は、有名な庭師さんのインスタなんかをチェックしてみるのもいいかもしれません。


こちらは酒田・本間家旧本邸 伏龍の松 (ペイレスイメージズ/アフロ)

お客さんが大事にしていることを察すること

イケウチ「菊地さんが仕事で気をつけてることとか、心がけてることってあったりします?」


菊地さん「事故ですかねえ、やっぱり。チェーンソーはキックバックというのが一番危険で。ホントはダメなんですけど、どうしてもたまに片手で扱っちゃたりする。するとミカンの木なんかは堅いので、チェーンソーがパーンと跳ね返ってきて、それが首に当たって頸動脈を……とかあるんですよ」


イケウチ「あああああ……」


樹上でチェーンソーを使う菊地さん。常に危険と隣り合わせ。


菊地さん「あと、若い時ってけっこう『なんでこんな事が分かんないんだ』『オレはこうだ、自分はこういうものを作りたい、こうじゃなきゃダメだ』みたいなことをお客さんに……」


イケウチ「言っちゃってましたか(笑)」


菊地さん「まだ勤めてた頃、独立する前ですけどね。『こんなのいらないから切っちゃいましょうよ』なんてことを。まあ、若かったんで(笑)」


イケウチ「仕事を受けるってそういうことだったりしますよね。大切なのは自分じゃなくて、相手だってこと」


菊地さん「庭の中でバランスが悪いっていう意味でいうと、僕も間違ったことは言ってないんですよ。だけどお客さんにとってみれば、それは亡くなった誰かが大事にしていた木だったりするわけで……」


「お客さんあっての仕事なんで」と語る菊地さん。


菊地さん「僕もお客さんに怒られたりしながらそういう経験をして、気をつけなきゃいけないなあって。庭の出来映えももちろん大事ですけど、お客さんの満足度というか、相手がなにを大事にしてるのかっていうのを察する、それが一番大事というか」

目の前の風景

最後に菊地さんに「いい植木屋さんの選び方」を尋ねたところ、


菊地さん「『いい植木屋さん』て、そのお客さんが何を求めているのかにもよると思うんですよね。見栄えはいいから金額をとにかく安くっていうお客さんもいらっしゃるし……キレイな庭を造りたいって人もいるわけだし」


イケウチ「たしかに」


菊地さん「自分の庭をよくしたいというお客さんなら、植木屋もよく考えて選ぶと思うんですよ。でも『お金払ってるんだから、これだけのことをやってください』『自分じゃ出来ないから頼んでる、だからちゃんとやってくれ』みたいなことだと、あんまりいい庭にはならないのかなあと。いい庭を造りたいなら、いろいろな庭を見て、どんな庭がいいのか、お客さんも勉強してもらわないと」


イケウチ「イメージがないものは作れませんもんね」


菊地さん「もちろんお客さんの話を聞きながら、提案はいろいろするんですけどね。たとえば、ここ、自分たちが子どもの頃こんな家に住んでたらワクワクするような家ですよね。こんだけ広くて。ヤギを飼ってみたりとか、どうです?(笑)」


イケウチ「ヤギっすか!(笑)」


菊地さん「草もある程度食べてくれるし。乳をしぼってチーズを作ってみたりとか。これだけの広さがあると夢が広がりますよねえ」


イケウチ「おおお!」


ここからようやく「庭造り」が始まるらしい。


ヤギを飼うかどうかは別としてですが(笑)、今回菊地さんに来てもらったことは、今後の庭を考える大きなきっかけになりました。

目の前の庭を荒れたままにしておくのも、見渡すと思わず笑みが浮かぶような風景に変えるのも自分次第。


そのためには自分も勉強しなくちゃってことですね。


でも、放置して伸びっぱなしになっていた木を切るのは、庭を造る「前段階」なので、本当の「庭造り」はまだ始まっていないようですけど(笑)。


そうそう、目の前の風景というので思い出しましたが、菊地さんの作業が終わると、木に覆われていた海が姿を見せてくれました!


戻ってきた海。


こんな風景を見る喜びを、再び与えてくれた菊地さんに感謝。

本当にありがとうございました!


今度は伐採じゃなく「庭造り」の方で相談したいと思います!

とはいえ、家の裏にも危険なヒノキなどあるんで、また近々お願いをすると思いますけど(笑)。

というわけで、今回はここまで。


次回は嵐で吹っ飛んだ家の門を作りたいと思います。

それではまた~!


(文・池内万作 写真・池内みちよ)


【取材協力】

池内万作(東宝芸能)

1995年映画『君を忘れない』で俳優としてデビュー。以後、映画・テレビを中心に活動中。代表作として「こちら本池上署」シリーズ(TBS)、映画「光の雨」、「この世の外へ~クラブ進駐軍~」、「犬神家の一族」等。

最終更新日:2018年08月30日

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