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小笠原のおうち 拝見Part5 DIYで建てた家。メンテナン...

2018年10月19日

池内 万作

小笠原のおうち 拝見Part5 DIYで建てた家。メンテナンスも自分でやる

俳優・池内万作のおうちコラム

小笠原のおうち 拝見Part5 DIYで建てた家。メンテナンスも自分でやる

小笠原諸島、父島。

前回までのあらすじ

取材に伺った市野さんのおうち。

10月に行われる「Ogasawara Music Festival」のプレイベントで、音楽ライブの生配信をしに小笠原諸島は父島にやってきた筆者イケウチとカメラマン。

せっかくここまで来たので「おうちコラム」の取材もさせてくださいな!

というわけで紹介していただいたのが、アキビーチ シーカヤック クラブ代表で、シーカヤックのガイドをしている市野さんのお宅でした。


市野さんと、市野さんが家を作った際に制作した模型。


なんとなんとこの家、4年半の歳月を費やし、市野さんがDIYで建てたおうちなのです!

前回、前々回では、自分で家を建てた理由や建てた時の苦労などを伺ってきました。


小笠原のおうち拝見Part4 DIYで建てた家。必要な資材の量を割り出す方法


最終回となる今回はインテリアや家のこだわり、湿気対策、小笠原の魅力、そして「なぜ壁には壁紙が貼られていないのか」などなど、聞き残したことを片っぱしから聞いていきたいと思います!

それでは最後までよろしくお願いいたします~。

まずはこだわりポイントから

イケウチ「今度はちょっと内装とかの話を聞いていこうと思うんですが…『ここはこだわりました!』みたいなとこってありますか?」


市野さん「……こだわりですか?」


イケウチ「たとえば……あの電灯の笠とか、すごくかわいいじゃないですか」


市野さん「ああ! そうですね、こういうのはネットで選んだんですよ。スイッチとかも絶対こういうのにしたかった。今ほとんどの家って『押す』タイプじゃないですか? これはかなりこだわって選んだ」


「カタログの中からお選びください」ではなく、全部自分で選んだ内装品。


イケウチ「あ……スイッチは白と黒のがあるんですね」


市野さん「白い方は蛍光で夜には光るんですよ。重要なスイッチは暗くても分かるやつにしようと思って」


イケウチ「へえ~!」


市野さん「あとは、洗面台の鏡とかも、コンパネに直付けするのイヤだから、余った端材をつけて……」


イケウチ「あ、床材ですね、これ(笑)」


カーテンレールの上にある、屋根と床を区切る「見切(みきり)」も市野さんのこだわりの一つ。


市野さん「そうそう(笑)。あとねえ、カーテンレールとかって、かわいいやつは高いじゃないですか?」


イケウチ「こんなモノなのに、なんでその値段するの!? みたいなのありますよねえ!」


市野さん「だから、カーテンレールは自分で作った。アルミパイプを繋げて、IKEAで売ってた金具と組み合わせたら、もの凄く安くできた」


イケウチ「へえ~!」


このように、スイッチ、電灯、建具などなど、なんでも自分の好きなものを選べるのも(あるいはカーテンレールを手作りにして節約できるのも)、DIYで家を建ててよかったことの一つだと、市野さんはおっしゃっていました。

通常家を建てる時には、時間がかかるのでたいてい「カタログの中から選んでください」になっちゃいますもんね。

インテリア→台所→湿気

整然と調理器具の並ぶ台所。新築祝いにもらったホットサンドイッチメーカーもよく使うのだとか。


イケウチ「台所もキレイですねえ!」


市野さん「道具粗末に使うといいモノは絶対できないですからねえ」


イケウチ「料理とかします?」


市野さん「しますします。料理けっこう好きなんで」


イケウチ「ですよねえ。この感じは料理する人の台所だもん」


台所。シンクは業務用を使用。食器棚に扉がないのだが、それにも理由が。


市野さん「そうそう。食器棚に蓋したくなかったんですよ。蓋するとカビ生えるんですよね。小笠原湿気が多いから」


イケウチ「そんなにですか!」


カメラマン「うわっ~!」


筆者とカメラマンの住む湯河原の家も湿気が多いので、これは人ごとではありません。

そんなわけで台所の話は一瞬で終わり、話題は湿気対策へ!

湿気について・屋根

屋根板の一部が外されている。


カメラマン「じゃあ、ちょっと家を空けるなんて時どうしてるんですか? 閉めっぱなしだと湿気がたまるじゃないですか?」


市野さん「基本的には換気扇つけて出ます。あと、あの天井の一番上、塞いでないでしょ?」


イケウチ「ホントだ」


市野さん「最初塞いでたんですよ。すると、熱がこもって結露しちゃって」


イケウチ「結露はまずいですね……」


市野さん「そうなんですよ、家いたみますからね。で、一番上の板だけ外したら、屋根の中に溜まった暖かい空気が出ていってくれて……」


カメラマン「結露しなくなったんですか⁉」


市野さん「だから今でも外したままにしてるんです(笑)。で、上でサーキュレーターを回して、こもった熱を飛ばして。風の流れって重要ですよ。換気扇つけっぱなしにする時は、一番遠い窓を開けて空気の流れを作るとか、色々考えないと」


開かれた窓。湿気が多い土地柄、市野さんは東西南北全てに窓をつけている。


家は建てたら建てっぱなしというわけにはいかず、結露が出たら、湿気の管理をしたり空気の流れを考えたりと、維持管理が必要となります。

自分で建てた家なので、維持管理するのも当然建てた市野さんということに。

実は、壁紙が貼られておらずビスも見えているこの家の壁も、そんな「維持管理」と関係しているのでした。

メンテナンスも必要

未塗装でビスが見えている壁。


市野さん「最初はね、壁に珪藻土とか塗るとオシャレかなとも思ったんだけど、あまりに面倒臭いんでやめました(笑)」


イケウチ「そうなんですか(笑)」


市野さん「最初はビスが気になってたんですよ。ビス見えててカッコ悪いなあって。でも気がついたんですよね」


イケウチ「……何にですか?」


市野さん「修理する時のこと考えると、壁を釘で留めたり壁紙貼ったりしちゃダメだって。自分でメンテナンスしたい時に、すぐに外せないとダメだから」


カメラマン「ああ、そうかあ」


イケウチ「じゃあ珪藻土なんて論外ですね(笑)」


市野さん「そうそう(笑)。それで、もうこのままでいいことにしようって思って暮らしてたら、慣れちゃったみたいな(笑)」


自分で家を建てるってことは、自分で維持管理していくこと。

なにか不具合が起こった時も「最終的な責任は全て自分が背負う」って覚悟が必要なんですね。

自分で家を建てる本当のすごさって、労力や技術はもちろんなんですけど、実はその「覚悟」なのかもしれません。


ちょっといやらしいことも聞いてみる


イケウチ「ちなみに……自分で家を建てるのって、人にオススメします?」


市野さん「うーん、おもしろいっちゃおもしろいけど……粘りが必要でしょうね。根気が。でも、好きな人は自分でやっちゃうんでしょうねえ」


イケウチ「そりゃあそうか(笑)。ちなみに、ちょっとイヤらしいこと聞いちゃいますけど……」


市野さん「うんうん」


イケウチ「自分で建てるのと、業者さんに建ててもらうのだと、どのくらい違うんですか、金額的に?」


市野さん「どれくらい変わるんですかね? 僕この前ちょっと計算しましたけど、手間賃なしの材料費だけで、いっさいがっさい含めて400万くらいでしたね」


この時、取材に立ちあってくれていたツヨシさん(筆者のSUPの師匠)がこう教えてくれました。


ツヨシさん「小笠原だと、分譲地でこのくらいの大きさの家が2500万から3000万くらいって感じでしたよ。だから……だいたい6倍から8倍……」


イケウチ「おおおお! すごいじゃないですか!」


市野さん「まあまあまあ、でも時間があるから(笑)!」


イケウチ「そこ考えたらダメじゃないですか(笑)」


市野さん「まあ、そうですね(笑)」

島の暮らしのいいところ

小笠原の生活を満喫している市野さん。


さてさて。

気になるお値段のこともキチンと聞けたので、最後にこの島の暮らしのことを。

市野さんは元々は川のカヤックの競技をやっていたんだそうです。

カヤック関係の仕事で生活していきたいと思い、小笠原にいた知り合いを頼って埼玉から小笠原に移り住んだのが18年前のこと。


イケウチ「どうですか、前の暮らしと比べると?」


市野さん「もう18年いるからここが本拠地って感じですかね。今までの人生の中で、ここに一番長く住んでるから。思い入れが一番深いっていうか……ま、家も建てちゃったし(笑)」


イケウチ「そりゃあそうですよね(笑)。じゃあ……『この島に住んでてよかったなあ~』って思うことってどんなことですか? 魅力というか」


市野さん「人が少ないことじゃないですか。人が少ないから……なんだろ。『人がいないところに自分しかいない』って状況がけっこう簡単に作れるんですよ」


イケウチ「ほおお」


市野さん「シーカヤックやってるとそういうのすごく多いですね。海でちょっと離れたところいったら誰もいない。誰もいない浜に上陸したりとかね。そういうことができる暮らしが僕はすごく好きなんで」


カヤックのガイド中に見つけ、集めた宝貝。大きさ順に並べてあるのが市野さんらしい。

住んでるところと職場の近さ

イケウチ「小笠原でちょっと思ったんですけど……なんというか仕事と遊びの距離がすごく近いですよね。『この前どこそこで釣り行ったけど釣れなかった』とか『今日は波がよかった』とか、仕事してるんだけど、みんなそういう話をフツーにしている」


市野さん「やっぱ住んでるところと仕事場が近いっていうのが、余裕がある要因の一つだと思う。移動時間がないっていうか、通勤時間がないに等しい」


イケウチ「ここの前に取材に行かせてもらった『シェアハウス海』なんて、目の前が海ですもんね。通勤の満員電車で死にそうになって……とかまずないし(笑)」


市野さん「それは住んでるところが違うんでアレですけど(笑)。内地では移動にあててる時間を遊びにあてられているのかも。それは島のすごくいいところだと思うんですよね」


イケウチ「じゃあ……ずっとこっちで暮らしていこうって感じですか?」


市野さん「そうですね。よっぽどのことがない限り、どっかに移るってことは選択しないと思いますね」


釣り道具、カヤックのオールにサーフボードなど、楽しげなアイテムがいっぱい。


市野さんだけでなく、小笠原では「どういう風に生き、暮らしていきたいか」というビジョンを明確に持っている人が多いという印象を受けました。

自らの意志でこの島での暮らしを選択した移住者が多い、小笠原ならではの文化と

いえるのかもしれません。

本当は、自分はどんな場所でどういう風に暮らしたいのだろう?

日々の暮らしに追われて忘れがちですが、たまにはそんなことを考えてみるのも悪くないかもしれませんよ。

はじめのはじめ

「シェアハウス海」「市野さんのおうち」と5回にわたってお届けしてきた小笠原シリーズも今回でおしまい!

「シェアハウス海」のオーナーのKaiさん、絶えない笑顔で取材にお付き合いくださった市野さん、そして島の皆さん!

本当にありがとうございました!

この記事がアップされる頃には、10月20日~10月25日に開催される「Ogasawara Music Festival」もかなり近いのではないでしょうかね。

興味のある方は定期連絡船「おがさわら丸」に乗って遊びに行ってみてください。

あと、イケウチとカメラマンが配信したプレイベントでのライブを貼っておきますので、よかったらご覧ください。


原点かもしれないという椅子。


そうそう。

上の写真の椅子は、市野さんがこの家を建てる前に自分で作ったものだそうです。

「こういうのが家づくりの……まあ、はじめのはじめ、かもしれないけど」

と市野さんは言っていました。

この椅子を作っているうちに家を建てられるようになっちゃった人もいるんですね!

そんなレベルにはとても到達できないでしょうけど、自分もできる範囲で家のメンテナンスなどなど、できる事は楽しくやっていこうと思いました。

というわけで次回は再び湯河原に戻ります。

それでは、また!


(文・池内万作 写真・池内みちよ)


最終更新日:2018年12月20日

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