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家具屋で一目惚れ “お母さん”のようなソファに抱かれて

2017年01月20日

佐野 俊輔

家具屋で一目惚れ “お母さん”のようなソファに抱かれて

北欧デンマーク〈座る〉紀行 #1

家具屋で一目惚れ “お母さん”のようなソファに抱かれて

インテリアの「イ」の字も知らぬ不粋な37歳男が、お洒落インテリアデザインの本場・北欧デンマークを中心に、シックで小粋でハイカラな「椅子」やら「ソファ」やら、理想の〈座る〉を追うこの企画。市井の人たちを先生に、できない英語を駆使してインタビューを敢行します。
今回は、手作りの素敵ハウスに住むイエッタァさんにアタック。さてさて、どんな〈座る〉に出合えるのでしょうか。いや、そもそも、きちんとインタビューができるのでしょうか……?

【取材概要】
今回の先生:イエッタァ・ストックホルムさん(51歳)
素敵ハウスの場所:デンマーク スヴェンボー
素敵ハウスの築年数:11年

「家を手作りする」という大技

デンマーク第3の都市・オーデンセから港町・スヴェンボーまで電車に乗ること45分、そこから車で30分。四方草木に囲まれた土地の中に、イエッタァさんの素敵ハウスがありました。

部屋から漏れる照明のあかりが素敵!


イエッタァさんは生物学者。地方自治体で環境影響評価の仕事に就いています。自然環境に対して高い関心を持つイエッタァさん。だからこうした自然の中に住むのですね。
なお、この二階建ての建物、造船技師の旦那さんとそのご友人のお手製。
「え、え、デンマークって家自体もDIYなんですか? シルバニアファミリー(※1)じゃないんだから!」という突っ込みも、驚きのあまり引っ込みます。恐るべきDo It Yourself精神。大技すぎる……。
(※1)1980年代に一世を風靡した、ミニチュアのハウスの玩具。ウサギやリス(名称不明)の家族などが住んでおり、大変に愛くるしい。このように、本記事では、過去の「懐かしいもの」も挟み込んでいきます。

焚火好きの私から見ると天国のようです! 家の中で焚火し放題ですよ!

せっかく買ったのに問題発生

ひとりで突っ込んだり引っ込んだりしている場合ではありません。早速インタビューです。

――アナタノ スキナ イス、モシクハ、スキナ ソファニツイテ オシエテクダサイ
(片言英語だったので、このようにイエッタァ先生の耳には届いているはず。
訳=「あなたの好きな椅子、もしくはソファについて教えてください」)

イエッタァ
私の好きな椅子は、この赤いソファね。18年前に仕事でグリーンランドからデンマークのコペンハーゲンに引っ越した時に買ったの。ILVA(デンマークの家具屋さん)で見て、一目で気に入ったのね。ブランド? どこのブランドかはわからないわ。新品だし、すごく高かったけれども、お金を貯めていたから思い切って買ったの。
でもね、買ったあとに問題発生。当時住んでいたアパートメントは地下にあったんだけど、ドアが小さすぎて入らないの。お店で見たらそんなに大きく感じなかったのにね。困ってしまって、友だちのケイトに電話して、二人で解決策を考えたの。ケイトはエンジニアだったから、こういうのは不得手ではなかったみたいで、結局ソファを3つに分解して、窓から入れたの。買ったばかりのソファをバラしたのよ。まさに、夜を徹して、家の外で格闘したの。夏だったからまだよかったけれどもね。そういう意味で、すごく思い出深いソファだわ。

――コノ ソファノ ドンナトコロガ スキデスカ?
(訳=「このソファの、どんなところが好きですか?」 以下、片言英語は省略)

イエッタァ
このソファが気に入っているのは、この色。すごく赤くていいでしょ? いまはちょっとくすんでしまってるけど。それからこの形ね。3人で座れるくらい大きいし、しかも左右対称じゃなくて、形がすごくオーガニック(有機的)なの。

素材は、布……? (なにぶん、語彙が足りないのです。どうかご寛恕ください。)


――このソファに座るときはどんな時ですか? ここで何をしますか?

イエッタァ
私、夏と冬で好きなものが変わるのね。夏は日が長いから、ダイニングチェアに座って庭を眺めるの。反対に、冬は日が短いから、このソファに座って精神に関する本を読んだり、インターネットを見たりするの。夏は心が「外に」向かうけれども、冬は心が自分の「中に」向かうのね。
夕食が終わったり家事が終わったりしたあとに、このソファに座るわね。ほっとした気持ちでね。私、このソファに座ると、守られているような気持ちになるの。“Big Mother”と言ったらいいかしら。お母さんに抱かれているような、すごく親密な気持ちになるのね。
グリーンとピンクのクッションを添えるのも、気に入ってるのよ。でも、旦那さんは好きじゃないみたい。男の人って、色ものが苦手だったりするわよね。だから今度は、彼の好みのブルーのクッションにしようかなと思ってるわ。

ソファの上で胡坐、その姿はさながら求道者。ちらりと見える、グリーン(どちらかと言えば黄緑かな)のクッションが効いている!


――僕はデンマークで、理想の椅子やらソファやらを探しているのですが、何かアドバイスがあれば。

イエッタァ
それは難しいわねぇ……。理想の椅子やソファって、すごく個人的なものだから。私にとって、この赤いソファはすごく素敵だけど、ほかの人にとっては、威圧的というか、びっくりさせちゃうようなものかもしれないしね! 大型の家具店で探すとデザイナーの素敵な家具がたくさんあるけれども、そういうのって、ちょっと大きすぎるかもしれない。私の個人的な意見では、だけど。私、そういう場所に行くと、迷子になって、迷路にいるみたいな気持ちになるの。

「理想の〈座る〉は、その人次第」という至極真っ当なご意見を頂戴しました。確かに、そりゃそうですよね……。ただ、実際はどんな場所で買うかも重要かもしれないですね。迷子になったら、理想の〈座る〉などと言ってる場合ではありません!

恒例(にしたい)おまけ、素敵ハウス探索

ここで、最後に、イエッタァさんの素敵ハウスの素敵ポイントをいくつかご紹介!

広々している素敵なキッチン。略して「ステキッチン」! 


柱に、お子さんの伸長を記録! デンマーク語で書かれているだけで、もうお洒落! ちなみに左側の鉛筆画と顔のワッペンはお子さん謹製。


お手洗いも王宮のような素敵さ。写真だと小さくて見にくいのですが、蛇口の左側についている楕円の物体は、固形の石鹸。「さすがデンマーク、お洒落ですね!」と称賛したら「それ、デンマークのものじゃなくて、フランスのものよ」と言われました……。

【今回の〈座る〉の学び】

理想の〈座る〉を求めた、記念すべき1回目、いかがだったでしょうか?
今回の取材を通じた〈座る〉の学びをあらためて。(今回は記念すべき1回目なので項目多めです!)

1.ソファを買うときは、サイズを確認しよう
日本では比較的常識の部類(というか、基本の「キ」)に入るようなのですが、なにぶん、「インテリア知らず」なもので、私、基礎から学びます。“リメンバー赤ソファ、リメンバー荒井注(※2)”
(※2)元ドリフターズの荒井注さんが、カラオケ店を開店する際に、カラオケ機を搬入しようとしたところ、設計ミスから入りきらず、結局閉店せざるを得なかったという悲しい昭和の事件。

2.“オーガニック”という言葉は、ソファに使うことも可能
デンマーク人だからなのか、生物学者だからなのかは判別しづらいですが、イエッタァさんのソファに対する言葉は大変に含蓄があります。食べ物や衣服以外のものに、「オーガニック」と評した人を、私はいまだかつて知りません。――しかし、形を指して、オーガニックかそうじゃないか言うことは、なかなか難しいところです。とりあえず、丸みを帯びていたらオーガニックと言うことにしましょう。

3.「添えもの」はときに大胆に
赤いソファに、グリーンとピンクのクッション。大胆に色を使うものありかもしれませんね。特に赤とグリーンは、派手になる、色相の「補色」の関係にあたるんですね。クッションひとつふたつで雰囲気が変えられるとしたら、かなりお得な方法なのでは!(……え、これもインテリアの常識なんですか!)

4.褒めるときは、さぐりさぐりにしよう
もはや〈座る〉とはズレますが、褒めるときは慎重にしないといけないですね。北欧にあるからといって、北欧のものとは限りません(当たり前だ!)。今回は石鹸という小さなもので済みましたが、これがソファや椅子だったら大変でした。今後は気をつけます。

(取材・文・写真 佐野俊輔)

最終更新日:2017年01月20日


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