ページトップへ

Yahoo!不動産おうちマガジン は家探しのヒントが満載の情報サイトです!

>
>
>
<北欧>小さな部屋でふたり仲よく 変幻自在なイケアソファ

2017年04月15日

佐野 俊輔

<北欧>小さな部屋でふたり仲よく 変幻自在なイケアソファ

北欧デンマーク〈座る〉紀行 #3

<北欧>小さな部屋でふたり仲よく 変幻自在なイケアソファ

インテリア知らずの不粋な37歳男が、お洒落インテリアデザインの本場・北欧デンマークを中心に、シックで小粋でハイカラな椅子やらソファやら、理想の〈座る〉を追うこの企画。

家の中で快適に過ごしたい北欧の人たちにとって、〈座る〉という行為は、日々暮らすうえで欠かせない要素であるはず。そんな仮説をもとに、「市井の人たち」を先生に見立て、インタビューを通じて、そのポイントを教えてもらいます。インテリアのプロではない彼らの、リアルな暮らしぶりをご覧ください。


今回は、こぢんまりとした部屋に住む、仲よしなライフさんとスサンヌさんの二人にアタック。さてさて、どんな〈座る〉に出合えるのでしょうか。

【取材概要】

今回の先生:スサンヌ・エルケアさん(56歳)/ライフ・イェンセンさん(67歳)

素敵ハウスの場所:デンマーク フレデリシア

素敵ハウスの築年数:102年

街中にたたずむ100年超えのフラット

ユラン半島の東側に位置する地方都市フレデリシア。海に面しているため、かつては軍事拠点として栄えていました。ライフさんとスサンヌさんの素敵ハウスは、街の中心部にありました。これまで取材した一戸建てとは打って変わって、フラットと呼ばれる集合型の住宅です。フラットフレデリシア、パッ!とさいでりあ(※1)。


(※1)1990年代、テレビのCMソングでその名を広く知られるようになった家の外壁材。作曲家でタレントの小林亜星さんが作曲・歌を担当。「大好きな街だから 離れられない」という歌詞が、大好きな街よろしく、頭から離れません。


1905年築のフラットの、そのレンガ然としたたたずまいたるや。ちなみに、駐車場は特になく、建物の前に停めます。デンマーク、自由です。

フラットの中はこぢんまり。ほんのりとした灯りが、これまた可愛い。


二人の息子さんを育て上げ、ひと段落。フレデリシアを中心に幾度かの引っ越しを経て、いまは二人、この小さな部屋で静かに暮らしています。

基地みたいに、自分の暮らしのベースになる場所

それでは早速インタビュー開始です。

――あなたの好きな椅子、もしくはソファについて教えてください。


スサンヌ

このカウチソファね。2年前にオーフス(デンマーク第2の都市)のイケアまで出かけて買ってきたの。もともとカタログで見ていて、これにしよう!と狙い撃ち。それまでは床に座っていたから、「リラックスできるスペースをつくる」ってことが最優先だったの。L型のソファに追加して、同じ高さの足置きソファも買ったわ。値段は3,999DKK(デンマーククローネ)に999DKKで、合計4,998DKKね(1DKK=16.3円(3月中旬時)。換算で約81,500円)。

うちはそんなに広くないから、ひとつのソファで、いろいろな用途で使えるといいな、と思って。座るだけじゃなくて、寝ることだってできるのよ。 

リビングで圧倒的な存在感を放つソファ。「コ」の字型に仕上げ、大人二人が優に座れる広さに。


スサンヌ

それから、好きなのは、このカバー。どんな色のクッションやブランケットとも合わせられるニュートラルな色と、カバーを外して洗えるコットンの便利さがすごくいいの。

間接照明の色に染まる生成り色のソファとクッション。


スサンヌ

このカウチ部分にはブランケットなんかも収納できるの。外から見えない秘密の場所ね。この上はコーヒーカップも置けたりするからほんとに便利。

これまた可愛い模様のブランケット。


――お二人にとって、このソファはどんなものですか?


ライフ

僕たちにとっては、「ベース」みたいなものなんだ。ここから出発して、ここに戻ってくる。ダイニングテーブルでご飯を食べてここに座って、仕事に行って帰ってきてここに座って。テレビだって観られるし、アルコールだって飲める。寝たっていい。そうそう、夜テレビを観ながら寝てしまって、明け方の4時くらいに目が覚めることもある。でも寝心地がいいから、そのままここで眠るんだ。


スサンヌ

私も時々、このソファで眠るの。すごくぐっすりできるのよ。寝室だと、悪い夢にうなされたり、寝ぼけたりしてるライフの面倒を見なきゃいけないから! あなた気づいてないかもしれないけど、大変なのよ。


ライフ

あぁ、かわいそうなgirl……。それは悪いことをしてるねえ。でもね、僕もそうなんだよ。スサンヌ、君の面倒を見るのは大変だよ。はっはっはっ。

完全なリラックススタイルの二人。向かって右がスサンヌさん、左がライフさんの定位置。


――楽しそうでいいですね。

さてさて、私は理想の椅子やらソファやらを探しているのですが、どうやったら見つかりますかね? 何かアドバイスがあれば教えてください。


ライフ

JYSK(ユスク※2)に行くといいよ。ソファもたくさんあるから。……ああ、日本にはまだないのか、残念だなあ。いいお店なんだよ。


(※2)デンマーク発祥の国際的な小売りチェーン。47か国で2,400以上の店舗を展開。インテリア全般を比較的安価に手に入れることができる。


もし一緒に過ごす人がいるなら、一緒に買いに行くこと。相談するのは大事だよ。勝手に決めたりすると怒られたりするからね。ははは。

ともかく、誰かと一緒に過ごせるソファがいい。あとは、リラックスできるものを探すこと。背筋を伸ばして「ハロー!」「イエス! イエス!」(*ライフさんの声がいきなりよくなる)、なんて言って、あらたまって座らなきゃいけないソファは、ソファじゃないと僕は思う。ソファというのはこうやって、好きに足を延ばして、何も考えないで体を沈めてリラックスして座るものだと思うからね。ねえ、僕のアドバイス、どう思う、my dear?(*そう言いながらスサンヌさんの足をなでるライフさん)


スサンヌ

そうね、my dear。いいんじゃないかしら。


ライフ

このソファがいいのは、こうやって触れ合うことができること。どんなに言い合いをしたって、ここに座ろうと思ったら体は触れることになる。そうなると、いつまでも喧嘩しているわけにはいかない。だってすぐ隣にいるんだもの、自然と仲直りすることになる。いいソファというのは、そういうものだと思うんだよね。

「取材されてる記念」でセルフィ―を撮る二人。楽しそうです。

恒例のおまけ、素敵ハウス探索

最後に、ライフさんとスサンヌさんの素敵ハウスの素敵ポイントをご紹介。

ソファの中心に置かれるサイドテーブル。スサンヌさんのお爺さんお婆さんから、お父さんお母さん、スサンヌさんへと代々受け継がれてきたもの。なお、天板はタイル! 色はそのつど塗り替えられているらしく、黒から茶、そして現在の黄色に。「このテーブル史上、いまが一番素敵な色よ!」とスサンヌさん。

二人のお気に入りのモチーフを飾った棚。スサンヌさんはタツノオトシゴを、ライフさんはバスを集めています。この組み合わせはなかなかシュールですが、どことなくとぼけた可愛らしさがあります。

今回は、白を基調にこぢんまりとした「ステキッチン」。調理道具とともに、さりげなくバナナや玉ねぎ(写真中央)、ハーブ(右側)がぶら下げられています。ああ、なんてお洒落なんだ……。

「日本の人にぜひ紹介して!」とライフさんが激しくお薦めしてきた人形の“ニッセ”くん。

“ニッセ(NISSE)”はスカンジナビアに伝わる民間伝承です。ニッセは普段屋根裏に住んでおとなしくしていますが、12月になると彼のボスであるサンタクロース氏のために、世界中の子どもたちへのプレゼントの仕分け作業をするといいます。北欧の人たちは、彼ら(ニッセ)の仕事の労をねぎらうために毎日ミルク粥を用意するようです。しかしライフさん曰く「でも、実際にそういうことをするのは、僕らが最後の世代になってしまうかもしれないねえ」。なお、この人形は、ライフさんのお母さんお手製!

【今回の〈座る〉の学び】

理想の〈座る〉を求めた、3回目、いかがだったでしょうか?

今回の取材を通じた〈座る〉の学びをあらためて。


1.意識すべきはマルチユース

こぢんまりした部屋に住む二人が何度も口にしたのは、「このソファはいろいろな風に使える」ということでした。あるときはベッド、あるときはテーブル、あるときは収納、というように変幻自在、役割をいくつも持っていました。広くない場所を有効に活用するためには、意識しておくとよいのでしょう。日本の住宅事情を踏まえて、さらに納得。


2.暮らしの「ベース」としてのソファ

ともかく、このソファが大好きな二人。「これがなかったらどうなるんだろう」と思わせるほど、二人にとっては欠かせない場所でした。ソファを暮らしの「ベース」、いつも戻ってくる場所として捉えると、選び方も変わりそうです。「どういう気持ちで、毎日を過ごしたいか?」を自分に問うことになりますね。とことんリラックスしたいなら快適なソファ、ゴージャスな気分になりたいならラメ入り素材のリッチなソファ、ダメな自分を律したいなら堅い木のソファなど、自由自在です。


3.ソファが人の仲を取り持つ

「仲よき事は美しき哉」とおっしゃったのは武者小路実篤大先生(※3)だったでしょうか。二人の仲のよさの陰に、このソファの存在あり。いま風に言うと、「理想的な人間関係のあり方がソファというデザインに落とし込まれた結果、云々(うんぬん)」とかなるんでしょうか(しごく曖昧)。「ソファが人の仲を取り持ってくれる」というのは、新しい視点でした。いいソファには、〈座る〉以上の力があるのですね。


(※3)日本を代表する明治時代の文豪(もはや昭和ですらない)。白樺派。上記の言葉は、野菜とともに絵葉書によく書かれていた模様。国語の授業中、「国語便覧」みたいなもので目にした人も多いのでは。


――というわけで、デンマークからは以上でした!


(取材・文・写真 佐野俊輔)

最終更新日:2017年06月02日


キーワードを入力してください

キーワードから探す

本文はここまでです このページの先頭へ

Yahoo!不動産 おうちマガジンとは?

不動産にまつわるマジメな記事からおもしろ記事まで、家さがしが楽しくなる情報をお届け!新しい暮らしのヒントが満載のマガジンです。