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<北欧>二日酔いでも受け止めて 無料で入手の巨大ソファ

2017年07月12日

佐野 俊輔

<北欧>二日酔いでも受け止めて 無料で入手の巨大ソファ

北欧デンマーク〈座る〉紀行 #6

<北欧>二日酔いでも受け止めて 無料で入手の巨大ソファ

インテリア知らずの不粋な37歳男が、お洒落インテリアデザインの本場・北欧デンマークを中心に、シックで小粋でハイカラな椅子やらソファやら、理想の〈座る〉を追うこの企画。

家の中で快適に過ごしたい北欧の人たちにとって、〈座る〉という行為は、日々暮らすうえで欠かせないはず。そんな仮説をもとに、「市井の人たち」を先生に見立て、インタビューを通じて、そのポイントを教えてもらいます。インテリアのプロではない彼らの、リアルな暮らしぶりをご覧ください。


今回は、シェアハウスで3人の友人たちと暮らすシーナさんにアタック。さてさて、どんな〈座る〉に出合えるでしょうか。


【取材概要】

今回の先生:シーナ・キスビュウ・ヴィンタ・サヨ・ミケルセンさん(22歳)

素敵ハウスの場所:デンマーク オーフス

素敵ハウスの築年数:不明

“私の場所”という名のシェアハウス

デンマーク第2の都市、ユラン半島に位置するオーフス。シーナさんの素敵ハウスは、オーフス駅から歩いて10分ほどの街中にありました。


落書きがアヴァンギャルドな外観。現在は閉鎖されていますが、1階部分はもともとパブでした。

建物裏側の扉を抜け、階段を上がると入口が。外観とは打って変わってシンプルな白色の壁、落書きもなしです。夏にはビールを飲む場所となるデッキが素敵。


シーナさんは、オーフスにあるデザインスクールの学生。現在はEU圏内にあるアートアカデミーを目指して勉強中です。デンマークの学生は英語が流暢に話せるため、学校選びも国内に限らないようです。なお、絵がこのうえなく下手くそな私にとって、シーナさんに対しては羨望のまなざししかありません。私の中の「絵画部門」尊敬ランキング1位は、シーナさんか、あるいはボブ・ロス先生(※1)か、ですね。


(※1)1990年代のテレビ番組『ボブの絵画教室』でおなじみ、髭とアフロがトレードマークの油絵画家。30分もかからず1枚の絵を描き上げるその手法、本当にお見事でした。

あまりに上手い、シーナさんのイラスト。これは撮らずにはいられません。


このシェアハウスでは、3人の友人たちと一緒に暮らしています。そのうちの1人はスウェーデン人。コミュニケーションは英語でとります。実は、デンマーク・スウェーデン・ノルウェーは言語が似通っているため、70~80%程度はお互いに自国の言葉で話しても通じます。しかし、若い世代になるほど、英語に慣れ親しんでいる割合が高いので、英語を使った方がスムーズに通じることが多いようです。

共用スペース。外は完全な暗がりではありませんが、照明をほのかに灯すのがデンマーク式です。

お年寄りカップルから譲ってもらったソファ

それでは早速インタビュー開始です。


――あなたの好きな椅子、もしくはソファについて教えてください。


シーナ

私が好きなのは、このソファね。大きいからみんなで一緒に座ることができるの。友だちが何人遊びに来ても平気。それから、一番いい点は、酔っぱらって帰ってきて、すぐにここに倒れられることね。

残念ながら、色が好みじゃないことと、生地の素材のせいでクッションが滑ってすぐ落ちちゃうことは好きじゃないけど、それは気にしないようにしているわ。

滑ってすぐ落ちてしまう、不甲斐ないクッションたち。落ちないように、もうちょっと踏ん張ってください!


――このソファ、どのようにして手に入れたのでしょうか。


シーナ

このシェアハウスには、去年の10月から住んでいるの。でも最初は何もなかったのね。というのも、リノベーションして新しく貸し出されたばかりだったから。家財道具を全部揃える必要があったの。それで中古品を扱うインターネットサイトの “dba”で探したら、お年寄りのカップルがこのソファを出品してて。「取りに来てくれるなら、タダで差し上げます」と書いてあったから、両親の車とトレーラーを借りて取りに行ったわ。とてもフレンドリーなカップルだった。ちなみに、トレーラーを使うのはデンマークでは一般的。もし自分で持ってなくても、無料で借りることもできるのよ。無料なのは、トレーラーに広告がついてるから。うまい仕組みが出来てるのよね。

広々ソファ。シーナさんの定位置は、ソファ向かって左側です。しかし、「定位置」という考え方は、広いから使えるんですよね、きっと。


――それにしても、無料というのはすごいですね。


シーナ

デンマークでは、タダで家具を手に入れるのはそんなに難しいことじゃないの。オーフスだと、家の前とか道路の脇とかに置かれていることも多いし。いらなくなった家具をリユースセンターに持って行けば引き取ってくれるし、何か欲しいものがあったら探しに行けばいいのよ。うちにある家財道具も、全部そうやって手に入れたから、全然お金かかってないのよ。ふふふ。


――どんな時にこのソファに座りますか?


シーナ

家にいるときはいつも。自分の部屋にいないで、いつもここにいるわ。テレビを観て、音楽を聴いて、紅茶を飲んで。それから、もちろんビールも。寝るときは自分の部屋のベッドも使うけど、酔っぱらって帰ってきたらここで寝るわ。土曜日の夜とか、ね。翌朝もここで過ごすの。このソファは、二日酔いの私も受け止めてくれるソファなのよ!

土曜日の夜の様子を再現してもらいました。眠るシーナさんと友人のモニカさん。2人が寝ても十分なスペースが確保されているという秀逸さ!


このシェアハウス、1階部分はもともとはパブだったんだけど、お店の名前は“Vores Sted”、「私たちの場所」って意味なの。私はそれがとても気に入ってて。

このソファに座っているときは、リラックスした気持ちでいられるの。安心することができるのね。「ああ、私、いま家にいるんだわ」って実感できるのね。私にとっては、このソファは“Hygge Station”とも言うべき場所。“Hygge”というデンマーク語は聞いたことある? そう、リラックスして、心地いい時間を過ごすってことね。

だからこの場所にいることは私にとってはとても大事なことなの。

私の場所、私のHygge Station。


――さて、私は理想の椅子やらソファやらを探しているのですが、どうやったら見つかりますかね? 何かアドバイスがあれば教えてください。


シーナ

快適であることをどうか大事に。それから低い背もたれはダメね。低すぎるものもダメね。

セカンドハンズ(中古品)ショップや、リサイクルセンター・リユースセンターに行ってみるといいと思う。いまだとフェイスブックで「free stuff」なんてグループがあるから、そこで探してみるのもいいんじゃないかしら。奇妙に聞こえるかもしれないけれど、タダで手に入れることって、けっこう簡単なのよ。

恒例のおまけ、素敵ハウス探索

最後に、シーナさんの素敵ハウスの素敵ポイントをご紹介。

シーナさんの描いた絵が収められた額。ランダムな配置がこれまたアーティスティックです。

木製製品の茶色と壁の白色のコンビネーションが素敵です。玄関にまで椅子が2脚あるのが何ともデンマーク的。

巨大ソファの前には、2脚のチェアが。植物がアクセントになって美しいです。シーナさん曰く「家の中に植物を置くのは大事なこと。自然を自分の中に取り込むことができるから」と。「子どもを育てるみたいに可愛がっているの。水やりをしたり、ね。残念ながらほかのメンバーは全く興味がないみたいだけれども」と苦笑するシーナさん。

【今回の〈座る〉の学び】

理想の〈座る〉を求めた6回目、いかがだったでしょうか?

今回の取材を通じた〈座る〉の学びをあらためて。


1.お金をかけなくても幸せは手に入る

我が身を振り返るに「お金をかけたら幸せになれる/快適になれる」とどこかで思っていたような気がしています。しかし、手間さえ惜しまなければ、そうしたものは手に入れることができるのかもしれません。むしろ、その手間をかけた分だけ、より愛着を持って使い続けることができそうです。


2.ぬくもりを分かち合う

デンマークには、抱きしめて受け止めて、ぬくもりを分かち合う文化が根付いています。

こちらに来て驚いたことのひとつに、「ハグの頻度の高さ」があります。出会い頭にハグ、別れ際にハグ、楽しいときにハグ、悲しいときにハグ。いつも誰かの温かさを身近に感じているのです。

ソファにもその文化は反映されているよう。二日酔いでも受け止めてくれるソファ。これは言ってみれば、ソファにハグされているのです。デンマークは幸福度の高い国だと言われていますが、今回の取材でその理由を垣間見れた気がします。


――それにしても、道に家財道具が落ちてる世界というのは、豊かですよね。私もちょっと外に出て、探して来ようかしら。たまには、自分の意思とは離れた「偶然」に身をゆだねてみるのもいいですよね。


(取材・文・写真 佐野俊輔)

最終更新日:2017年07月12日


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