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「狼チラシ」って何?不動産業者がしつこくチラシを投函する理由

2017年12月01日

日刊Sumai

「狼チラシ」って何?不動産業者がしつこくチラシを投函する理由

「狼チラシ」って何?不動産業者がしつこくチラシを投函する理由

 

これまで何回か書いてきましたが、不動産の契約に際しては物件を預かっている業者(物元)と客を付ける業者(客付け)という

2つの業者が共同して仲介する仕組みとなっています。

売り上げを増やすためにはお客様を増やさなくてならないのはもちろんのことですが、

同時に商品の品揃えを充実させておかなければなりません。

業者が不動産を預かって物件化するためには売主(貸主)と媒介契約を結ぶことが必要ですが、

この際の一連の行為を筆者が勤務していた会社では「物上げ(ブツアゲ)」と呼んでいました(「仕入れ」と呼ぶ会社もあります)。

実は売却物件の物上げで最も効果を発揮したのは、ポストに1枚1枚投函していくチラシなのです。

 

物上げ(ブツアゲ)に最も効果があったチラシとは?

チンク / PIXTA

分譲マンションにお住まいの方の多くは、ポストに投函される「売り物件募集中」というチラシの処理に悩まされているのではないでしょうか。

賃貸物件の場合、貸主は関係者以外わかりませんが、売買物件の場合は現在住んでいる家を売却するという事例がほとんどです。

そのためポストに投函するチラシは売主への直接のアピールとなり、意外なほど効果があるのです。

vito / PIXTA(ピクスタ)

実際、自社を選んでくれた理由を売主に聞いてみると、「チラシがしょっちゅう入ってくるから」という答えが最も多く、

そのため業者としては何と言われようがチラシ投函がやめられません。

1軒1軒足を棒にして歩かなければ投函できない戸建に比べ、マンションは一瞬で大量のチラシをさばくことが出来るので、

投函はどうしてもマンションの比重が高くなりました。

 

同業他社に勝つため、社内には輪転機が!

Dachs / PIXTA

売却物件を求めているのはどこの不動産会社も同じですから、ポストには当然のことながら様々な会社のチラシが投函されることになります。

その中から自分の会社を選んでもらわなければなりません。

基本はできるだけ高い頻度でチラシをまくことです。

筆者が在籍していた会社では社内に2色刷りの輪転機と山積みされたコピー用紙があり、常に誰かがチラシの印刷をしていました。

チラシをまく頻度が上がればそれだけ見た人の印象に残ります。

頻度だけでなく内容についても様々な工夫をしたことを覚えています。

 

切り札の「狼チラシ」とは?

atom / PIXTA

皆様のポストには「私のお客様に当マンションを限定で探している方がいます」とか

「当マンションを気に入って、是非引っ越したいと考えている人がいます」というチラシが入ったことはないでしょうか。

筆者の会社ではこのようなチラシを「狼チラシ」と呼んでいましたが、ここでいう狼とはもちろん「狼少年」の狼です。

「狼が来た」とうそをついて大人たちを惑わし続けた羊飼いの少年は周囲から信用されなくなり、

最後に本当に狼が襲ってきても信じてもらえず、羊を食べられてしまいます。

そこから転じて「狼少年」には「ウソをつく人」を指すようになりますが、

「狼チラシ」も同様で、そんなお客様は実際にはいないのです。

Tommy / PIXTA

自宅を売った方がいいのか、本当に売れるのか、またその場合どこの会社に頼めばいいか、

さんざん悩んでいる時に「このマンションで探している方がいる」と言われれば、

ついついその会社に頼んでみようかということになりますが、狼チラシの狙いはそこにあります。

筆者の場合は具体的なマンション名まで入れ、戸数分だけ印刷したら別のマンション名に貼り換えて印刷したりしましたが、

これでずいぶん多くの反響がありました。

「探しているというお客様はどうなった?」と言われれば「紹介してみたら若干条件面で合わなかった」等々、

いくらでもごまかすことはできます(実際に聞かれたことは一度もありません)。

 

チラシを投函するために涙ぐましい努力をしている!?

パレット / PIXTA

分譲マンションのポストにチラシを投函するという行為は管理員との戦いでもあります。

いまどきチラシの投函を自由にさせてもらえるようなマンションがあるはずもなく、

大抵は「チラシお断り」とか「通報します」というような警告がメールコーナーになされています。

しかし、それでビビっていては商売になりません。

営業時代の筆者は担当エリア内のマンションの管理員がいる時間帯を全て調べ、いない時間帯を狙って投函しに行っていました。

たとえ管理員がいなくても居住者から苦情を言われる場合もあります。

そのためできるだけ短時間で投函を済ませて立ち去れるよう、各営業は自分なりのテクニックを持っていました。

Bilbo / PIXTA

筆者の場合は二つ折りにしたチラシに人差し指を差し込み、内側から手首のスナップを利かせて投函していました。

これによりポストの蓋を人差し指で開けると同時にチラシをねじ込むことができ、

向きが縦でも横でも、また内部がぎっしりの状態でもきれいに入れることができます。

自宅の売却など考えてもいない大多数の方にとって、ポストに詰め込まれたチラシは迷惑でしかないことは重々承知していましたが、

厳しい競争の中で数字を伸ばすにはこれしかありませんでした。

チラシひとつとってもそこには営業の様々な工夫が込められています。

ポストを開けて大量のチラシが入っていても、舌打ちをする前に少しだけこのことを思い出していただけると幸いです。

最終更新日:2017年12月01日


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