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相続した不動産。名義変更の先延ばしで、将来売却が困難に

2019年12月29日

日刊Sumai

相続した不動産。名義変更の先延ばしで、将来売却が困難に

相続した不動産。名義変更の先延ばしで、将来売却が困難に

共同通信社等の報道によると、法務省は2019年12月3日、所有者不明土地問題の対策を議論する法制審議会の部会を開催、中間試案をまとめました。これにより、今まで義務ではなかった土地の相続登記が義務になる可能性が出てきました。

今回の審議内容には、土地または建物の相続人は所定期間内に登記しなければ、過料などの罰則を科されることも盛り込まれているようです。 宅地建物取引士で不動産会社に勤務する吉井希宥美さんに、今後の可能性について解説してもらいました。

1.相続登記していないと売却がうまくいかないことも

papa88 / PIXTA(ピクスタ)

不動産会社に勤めていると、多くの土地または建物の登記に関わることになります。よくあるのが、不動産を売却しようと思っている人と、登記名義人が異なっているというケースです。 親が亡くなってそのままになっていて、数十年放置されていた、というケースもあります。このような場合、登記名義人を円滑に変更することができず、売却がうまくいかないのです。

私が関わった案件の1つに、土地と建物が20年前に他界した父親名義になっていたというケースがありました。その物件は、すでに購入したい人が見つかっていました。

亡くなった父親には、3人の子どもがいました。長男、長女、次男です。それぞれに不動産の名義変更の必要性を説明しましたが、次男が賛成してくれませんでした。 父親が亡くなってからずっと、その土地と建物の固定資産税を長女が払っていたので、長男と長女は長女の名義にしようと考えていましたが、次男は面白くなかったのです。せっかく買い手が見つかっていましたが、売却の話はまとまりませんでした。

2.相続人が亡くなると、相続する人がどんどん増える

CORA / PIXTA(ピクスタ)

行政が大きな建物を建てたり、道を広げたりする際に、民間の土地を行政が買い取る場合があります。この際にも登記名義人が変更されていないと時間と手間がかかってしまいます。

例えば、登記名義人であるAが既に亡くなっていてAに子どもB・C・Dがいれば、売却のために3人の同意が必要となります。

ところがDが既に亡くなっていてDに3人の子ども(つまりAの孫)がいれば、B・Cに加えDの子ども3人の同意が必要になります。相続登記を速やかに済ませておけば1人の同意だけで売却できましたが、登記を先延ばしにしたことで、5人の同意が必要となってしまったのです。

相続登記を先延ばしにしている人は意外に多いのが現状です。とくに行政が大きな建物を建てる場合は、多くの人から土地を購入する必要があるので、同意を必要とする人が増えてしまい、計画がうまく進まないこともたびたびあるようです。

freeangle / PIXTA(ピクスタ)

相続人は増えれば増えるほど、相続のための同意が円滑に得られにくくなります。

知らない人が養子だと名乗って相続人として現れる、時間が経ち過ぎて相続人の連絡先が分からない、というケースもあります。 所有者不明の土地は、現在国内に3割ほどありますが、相続登記をすぐに行わないことが影響しています。

3.まとめ

mits / PIXTA(ピクスタ)

今回の中間試案について、法制審議会は2020年1月から中間試案に対するパブリックコメント(意見公募)を実施し、広く意見を募ります。その後、その内容を踏まえて、2020年の臨時国会に民法と不動産登記法の改正案を提出する予定です。

現在、相続登記は義務ではないために、とくに評価額が低い土地や建物の相続を避ける人が多くいます。「売却してもいくらにもならない」「マイナスになってしまうような不動産に無駄なお金をかけたくない」というのが理由です。

早期に相続登記すれば円滑な不動産の売却が行え、現在抱えている空き家問題の解決にもつながります。そのためにも相続登記は速やかに行うことが必要です。


宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー(AFP)/家族信託コーディネーター®吉井希宥美


【参考】 ※ 国土交通省「所有者不明土地の実態把握の状況について」

最終更新日:2019年12月29日

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