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猫のおうちマガジン Case3 秘密基地の場合

2015年03月12日

Yahoo!不動産編集部

猫のおうちマガジン Case3 秘密基地の場合

俳優・池内万作の猫とヒト用コラム

猫のおうちマガジン Case3 秘密基地の場合

5500万年前

今からおよそ5500万年ほど前、現在のヨーロッパは深い森に覆われていました。と、これはなかなかに壮大な出だしではありませんか。
はい。三回目なので少し調子に乗ってどーんと遡ってみました♪
そんなことはともかく、5500万年前のヨーロッパの森の中ですね。そこにはイタチに似た猫よりも少し小さい生き物が住んでいたのだそうです。

その名前は「ミアキス」。
彼らの一部は森から草原へと足を踏み出し、やがて犬へと進化していきます。そして、森にとどまったグループはやがて猫へと進化していったのです。そうなんですよ。犬と猫は今でこそペット界のシェアを食い合う二強として敵対関係にありますが(ないです)、実は祖先は同じなんですねえ~。
猫はその後、リビアで家猫として初めて歴史に登場し、やがてシルクロード経由で中国、インドに渡り、仏教の仏典とともに船に乗り、平安時代に遠い島国の日本にたどり着いたそうです。希少な外来種だった猫たちは江戸時代に爆発的にその数を増やし、現在に至るというわけ。

あなたが今日その辺で見かけたなんの変哲もない猫どもは、そんな長い年月を生き延び、命をつないだ一族の末裔なのですね。
なかなか壮大な話ですよね。ただただ壮大という理由だけで書いてみました。いかがだったでしょうか?
そんな風にいっちょまえに壮大な猫ですが、現在、家猫の数は全国でおよそ一千万匹。この国の住宅は55%が一戸建て、42%が集合住宅なので、家猫の97%が戸建てないしは集合住宅に住んでいるということになります。そう言われると俄然残りの3%が気になりますね。
「秘密基地だよ!きっとそうなのだ!」
と前回二回に渡り小さなミステリーを育んでまいりましたが、残念ながら秘密基地のわけがありません。現実は一般的に退屈で凡庸であるというのもそうですけど、100世帯中の三軒という数字は秘密基地としてはあまりにも多すぎなんですね。
そもそも総務省の統計に乗ってる時点で秘密基地としては失格ですからね。そういうわけで残りの三%の正解は「店舗その他の併用住宅」でした~。
とびきり退屈で凡庸ですなw

店舗その他の併用住宅

その3%である「店舗その他の併用住宅」に住んでいる猫というと、典型例はたばこ屋の店先で「あら~今日も店番してるの?」なんておばちゃんに絡まれて迷惑そうな顔をしている猫たちですな。
最近ではたばこ屋もめっきり減りましたし、蕎麦屋の片隅で猫が寝てるなんてのも「飲食店なのに...」なんて顔をしかめる人も増えましたから。なかなか「店舗その他の併用住宅」に住み猫たちには受難の時代なのかもしれません。
しかし世の中の時代とともに新しい道を見つけるのが生物です。
最近では「店舗その他の併用住宅」ではなく純粋な「店舗」にも猫の波は押し寄せてきているのです。
こんな暮らし方をする猫が、この国には存在するのですねえ~。

オフィスキャットですな。
これは以前ドラマの撮影でお邪魔した某制作会社です。本当にこのオフィスに住んで、ここで餌をもらい生活しているそうです。その恩返しというわけではないでしょうけど、社員が触ると「シャ~」と威嚇してくれるそうですよ。たまりませんな。人間が同じことやったら即クビですからね。
けれど撮影は終わっているのに制作会社に押しかけ「社員がいなくなった後の猫の様子を観察したいんですが、可能でしょうか?」というわけにもいきませんからね。
そういえば!!
と思いついたのがとある施設に住んでいる知り合いの猫さんです。厳密に言うと「店舗その他の併用住宅」というわけでもないんですが、住宅ではない商業施設に住んでいるのでよしとさせてください。
「なに?!これだけ引っ張っといて厳密に言うと間違っているだと!?」

とイラッとしたあなた。あまり小さなことに目くじらを立てていると早死にするという統計もあるそうですからね。深呼吸をして落ち着いてください。ちなみに猫はストレスや緊張が高まるとザリザリと毛づくろいをして心を落ち着かせます。
よかったら、お試しになったらいかがでしょうか♪

早速お宅訪問

そういうわけで、今回は神奈川県は真鶴町のとある施設に行ってまいりました。真鶴とは熱海と小田原の間にある小さな港町です。私事で恐縮ですが、筆者がパッとしない幼少期を過ごし、毎朝小学校に行くために電車に乗り込んでいた駅なのです。
またまた手近なとこで済ませやがって...
そんな声も聞こえてきそうですがそこは無視。
さっそくお宅を拝見いたしましょう

太平洋を一望にできる高台に位置し、初島が遠くに浮かんでおります。左手には石碑とベンチ、中央には長いアプローチ、そして右手には写っていませんがちょっとした博物館があったりします。
風光明媚で絶景ポイント。立地は最高としか言えません。猫的にそんな絶景をどう思っているのかは分かりませんが、少なくともオーシャンビューだからといって余分に家賃を払っていることだけはなさそうですね。

そうなのです。
ここが今回のお宅なのです。前回、前々回は集合住宅、一戸建てに住む猫さん達を訪問いたしましたが、今回は日本に一千万匹ほどいると言われている家猫の枠を踏み越え、なんとノラ猫さんに登場願うことに相成りました。
今まで同じ空間にヒトと猫の異なる住居が二つあってそれを比較するとろろろろろん、みたいなテーマがありましたが今回は「猫のおうちマガジン」の名前にふさわしく、まさに「猫のおうち」を突撃訪問したというわけなのです。
それではさっそくご登場願いましょう!

今回のお宅の主人、マナちゃんです~!

性別はメス、年齢は不詳ですが若くはないけど年老いているわけでもないといったところでしょうか。
そしてマナちゃんが気持ち良く伸びをしているこの場所がリビングですね。人が集まり開放感あふれ、松の木と太平洋も素敵です。気温や日当たりの関係なのか、マナちゃんは夕方にはだいたいこの場所でくつろいでおります。
食料確保の確率を増やすという意味では、非常に賢い住まい選びだと言えるでしょう。この美しい風景につられて人がこの地を訪れ、そのうちの数%はマナちゃんに、頼まれもしないのに、食料を持参し提供するのですから。
夕方にはリビングでくつろいでいるマナちゃんですが、では違う時間帯はどうでしょう?

仕事でこういう文章を書かせていただいている以上手を抜くわけにはいきませんからね。午前中の早い時間帯にマナちゃんを訪ねてみました(この記事のために、と担当の方にさりげなくアピールをしてみる♪)。
すると、いつもいるリビングに姿はありません。さて、どこかと辺りを見回すと、以前は見たこともない場所にマナちゃんはいたのです。

朝の光が建物に反射し地面に敷かれた砂利を温めているようです。集光機能による床暖房がついた寝室といっていいでしょう。陽だまりでうとうとしておりましたが筆者が近づいて写真を撮り始めると、ゴロゴロとベッドの上を転げ回り、やがて毛づくろいをして起き出しました。

しばらく辺りを見回しじっとしておりましたが、その後に救っと立ち上がって向かったのが...
これまた絶景なダイニング。

この場所を食事の場に選んだのが、皿を置いたヒトなのかマナちゃん自身なのかは定かではありませんが、頭上には餌を狙うトンビや隣人の猫も生息していますからね。ちょっと引っ込んだ所の方が落ち着くのでしょう。
猫は時間帯による日当たりや温度を敏感に感じ取り、その時々で一番快適な場所から場所へと移動しているようです。
(そして目的により明確に場所を分けているように思えます。例えばですが、トイレや食事する場所の近くでくつろぐ猫をあまり見たことがありません。)

もちろんこの他にも水場やトイレがあり、雨風が強ければそれを凌ぐ場所でじっとし、ヒトがくれる食料が枯渇すれば獲物がいる狩場へと出かけていくのですう。そして近隣の猫たちと付き合いながら、トンビに餌をさらわれても、必死に生きているわけです。

住まいとは何か

住まいというものの本質を考えてみると、猫のおうちも人のおうちもそれほど変わらないような気がします。そもそも住まいというのは生存のための機能であり、かつ生存確率をあげるための創意工夫です。
猫もヒトも同じ哺乳類なので生きていくために必要なものは、純粋に「生きていく」という意味においては、大して変わりはありません。水と食料を手に入れる手段と、雨風をしのげて安全に子育てができたり休息の取れる空間です。
本来は広範囲に散らばっている様々な機能を(屋根、台所、トイレ、冷蔵庫、お風呂、リビング、寝室などですね)を一点に凝縮したのがヒトの住み家です。これで狩りに出て数十キロ走って獲物を持ち帰り、たっぷり食べた後離れたところまで歩いていって用を足し、雲行きが怪しくなってきたので雨をしのげる洞窟まで移動してから眠る、みたいなことをしなくてすむようになったのです。

マナちゃんのおうちはその機能がもう少し広範囲にわたって分散したものです。こういう人の多く集まる場所を選ばなかった猫はさらに広範囲な「面」を使っての食料確保を行っていることでしょう。
マナちゃんの家には無駄は一切ありません。キーワードは生存と合理性です。いかに快適に、楽に生きていくかだけに焦点を絞ったのがこうした「猫のおうち」なのです。
あなたのおうちはいかがでしょうか?幸せに生きるための住処として機能していますか?もっと楽しく暮らすために創意工夫をしていますか??ノラ猫のマナちゃんでさえ快適に暮らすために日々努力を怠らないのです
からね。
自分の家は、突き詰めると一体なんのためにあるのか、そんなことを考えてみるのもいいのかもしれませんね♪

さてさて、次回は最終回!!
次回は猫とヒトが快適に暮らすためにヒトが健気にも歩み寄った(猫が歩み寄るとは思えませんからね)ある空間にお邪魔したいと思います!!
それでは皆さまのよりよい人生を祈りつつ、今回はこの辺で失礼します~。

池内万作(東宝芸能)
1995年映画『君を忘れない』で俳優としてデビュー。以後、映画・テレビを中心に活動中。代表作として「こちら本池上署」シリーズ(TBS)、映画「光の雨」、「この世の外へ~クラブ進駐軍~」、「犬神家の一族」等。

最終更新日:2018年12月20日

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