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納税期間は10カ月! 慌てないよう知っておきたい相続スケジュ...

2019年03月01日

Yahoo!不動産編集部

納税期間は10カ月! 慌てないよう知っておきたい相続スケジュール

よくわかる初めての「相続」#3

納税期間は10カ月! 慌てないよう知っておきたい相続スケジュール

写真:アフロ

税制改正により課税対象者は2倍近くに拡大

2013年度税制改正により、相続を取り巻く環境は大きく変わりました。相続税の課税対象者が2倍近く拡大したのです。


というのも、2015年1月1日以降に発生した相続から「相続税の基礎控除額の引き下げ」ならびに「最高税率の引き上げ」が行われたからです(2013年度税制改正)。その結果、4%台だった課税対象者の割合が8%台に倍増し(図表1)、これまで相続税とは無縁だった人にも課税されるようになりました(文末のリンクも参照)。裕福な高齢者から税金を吸い上げようという国の狙いが透けて見えます。


【図表1】相続税の申告状況 4年間の推移

(出所)国税庁「平成28年分の相続税の申告状況について」


突然、「課税対象者が2倍近くに拡大」と言われれば、誰しも驚くでしょう。無理もありません。


読者の皆さんの不安をあおらないよう説明を加えると、相続財産の評価額が相続税の基礎控除額(下記参照)の範囲内であれば、相続税は課税されません。


【相続税の基礎控除額】

3000万円+600万円×法定相続人の人数


たとえば、父と母、長男と長女の4人家族の場合、父が死亡したとすると、残された母と長男、長女の3人が法定相続人となり、基礎控除額は4800万円(3000万円+600万円×3人)になります。父の遺産が4800万円以下であれば課税されず、相続税の納税申告は不要となります。


ただ、非課税の範囲内かどうかをはっきりさせるには、相続財産の調査と評価、法定相続人の確定が必要になります。これらの作業を相続人は決められた期限内に行わなければなりません。悲観に暮れている時間はないのです。そこで、いつ、どのような作業が必要になるのか、相続にかかる一連の手続きを時系列で見ていきましょう。

故人の見送りが相続手続きの第一歩 死亡届の提出は7日以内

GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ


不幸にして相続が発生したら、葬儀の準備をしなければなりません。葬儀は人生最後の儀式です。お通夜に告別式、初七日法要と、故人を送り出す弔事が続きます。その際、知っておいてほしいタイムスケジュールが「7日以内」です。死亡の事実を知った日から7日以内に死亡届を提出しなければなりません。医師による死亡診断書と印鑑を用意し、役所へ提出します。


補足として、お通夜や告別式には期限がありません。たとえば、海外で亡くなった場合、遺体を日本国内に搬入するには手間と時間がかかります。事故死の場合は警察医による検死が必要になるため、死後すぐに葬儀を執り行うことは時間的に困難です。通常は逝去して数日後に弔事は行われるのですが、このようなケースが考えられることから葬儀には期限が設けられていません。

すべてにおいて優先される遺言書 その確認は極めて重要な作業

写真:アフロ


続いて、重要となるタイムスケジュールが「3カ月以内」です。主な手続きを列記すると次のようになります。なお、カッコ内の“目安”とは「3カ月以内が望ましい」という意味で、法律上、必ず3カ月以内に行わなければならないと決められているわけではありません。言うまでもなく早いに越したことはありません。相続がスムーズに進むよう、このタイミングが相応しいという趣旨です。


3カ月以内の主な手続き

  • 遺言の有無の確認(目安)
  • 相続人の確認(目安)
  • 相続財産の調査(目安)
  • 「相続の放棄」または「限定承認」の申述


ここで最も重視されるのが遺言の有無の確認です。財産を「誰に」「何を」「どれだけ」承継させるか明記されているのが遺言なのです。


遺言がある場合、遺産の分割はその内容に従って行います。遺言には優先権があり、遺産分割協議(相続人による話し合い)や法定相続分(法的に定められた分割割合)より優先されます。それだけ被相続人(亡くなった人)の思いが込められた書面というわけです。見つかれば遺言の指示に従い、不存在が確認できれば相続人同士で話し合って決めていきます。


写真:アフロ


ただ、誰もが相続人になれるわけではない中で、相続人が確定していなければ話し合いはできません。相続人の確認も重要な作業です。遺言があれば、その内容(相続人の指定)が優先され、遺言がなければ民法の規定による順番(相続順位)が採用されます。


実際、相続人を確認するには戸籍を取り寄せなければなりません。戸籍とは親子や夫婦などの身分関係を登録して公証した書面です。被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍と、相続人に該当すると思われる人の戸籍を照らし合わせ、実際の相続人を確認します。


結婚すると、それまでは親の戸籍に入っていた2人が、それぞれの親から独立して新たな夫婦の戸籍を作ります。この時点で独身時代(親元の戸籍)と結婚時代(夫婦の戸籍)の2つの戸籍が存在するように、戸籍は1人に1つとは限りません。そのため、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍すべてを取得しようとすると、かなりの面倒を強いられることになります。


面倒といえば、相続財産の調査も一筋縄ではいきません。幸い、不動産には登記制度があるため、登記事項証明書(登記簿)を確認すれば被相続人名義の不動産は見つけられます。登記事項証明書には抵当権に関する記載もあるため、住宅ローンなどの有担保ローンを借りている場合は借入先と借入金額を同時に確認できます。無担保ローンについては信用情報機関に開示請求すれば調べられます。


むしろ厄介なのが金融資産の調査です。遺品整理の際、通帳やキャッシュカード、分配金の支払明細書や取引残高報告書など、“手がかり”がないか注意して探すようにしましょう。近頃はネットバンキングでの取引も珍しくありません。パスワードなどの問題はありますが、デジタル遺産の有無も忘れずに確認するようにしてください。


ペイレスイメージズ/アフロ

「相続放棄」「限定承認」のリミットは3カ月 家庭裁判所への申述が必要

話は変わって相続財産といえば、通常、不動産や株式といった「プラスの財産」が想起されますが、借金や未払金といった「マイナスの財産」も故人の遺産に含まれます。そのため、マイナスの財産を引き継ぎたくない相続人には「限定承認」と「相続放棄」という選択肢が用意されています(図表2)。どちらも熟慮期間は短く、相続の発生から3カ月以内に決断しなければなりません。


【図表2】遺産の承認方法 相続人に用意された3つの選択肢


限定承認するには、相続人全員で家庭裁判所に限定承認する旨の申述をしなければなりません。同じく相続放棄も家庭裁判所への申し立てが必要ですが、こちらは各相続人が単独で手続きできます。そして、限定承認も相続放棄もしなければ、自動的に単純承認したものとして扱われます。マイナスの財産が多そうな場合、早めの決断・行動が求められます。

遺産分割協議の成否しだいで「相続」にも「争続」にもなる

ペイレスイメージズ/アフロ


続いて、次のタイムスケジュールに移りましょう。重要となるのが「10カ月以内」です。その手続きとしては、以下のような項目が挙げられます。


10カ月以内の主な手続き

  • 財産目録の作成(目安)
  • 遺産分割協議(目安)
  • 相続税の申告と納付


相続人が確定し、相続財産の中身がはっきりした段階で財産目録を作成し、遺産分割協議に入ります。誰が、どれだけの財産を引き継ぐか?―― 遺産の争奪戦が繰り広げられます。


遺産の内訳として、分割や換金が困難な不動産の割合が多いほど、もめやすくなります。換価処分(売却)しようにも愛着があり、また、遺族が住み続けるのであれば話は簡単にまとまりません。さらに、ひと口に不動産といっても、農地や山林といったケースもあるでしょう。どう活用するか、土地活用の見通しが立たないと、各相続人は対応しにくくなります。


遺産分割は様々な利害が対立するだけに、お互いが譲歩し、建設的な姿勢でのぞまないと、「相続」が「争続」になりかねません。分割協議の不調は相続人全員を不幸にします。前もって遺産分割がスムーズに行えるような財産構成(例:不動産の割合を減らしておく)にしておくなど、有効な事前対策の実施が欠かせません。


そして最後、相続税の基礎控除額を超える財産がある場合、その財産に応じた相続税を支払わなければなりません。その申告・納税は相続の開始から10カ月以内です。相続税の納税は現金での一括納付が基本となるため、納税資金の確保も重要な相続対策の1つとなります。


以上、相続人はこれまで説明してきた手続きを10カ月以内に行わなければなりません。あわてないよう、あらかじめ相続スケジュールを知っていることの有用性が、お分かりいただけるはずです。



(文:平賀功一)


【参考サイト】

最終更新日:2019年03月01日

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