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一戸建てやマンションを相続したら…… まずは不動産の評価額の...

2019年03月29日

Yahoo!不動産編集部

一戸建てやマンションを相続したら…… まずは不動産の評価額の算出から

よくわかる初めての「相続」#7

一戸建てやマンションを相続したら…… まずは不動産の評価額の算出から

GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ

土地の価格は「1物5価」 利用目的によって分類されている

まもなく1つの時代が終わろうとしています。平成は2019年4月末で終わり、翌5月からは新元号へと改められます。31年間にピリオドが打たれようとしています。 


その平成をふり返ると、個人的にはデフレに苦しんだ時代だったという印象を拭(ぬぐ)いきれません。「失われた20年」という言葉が表意するように金融機関は不良債権処理に追われ、不動産価格も下値を探る展開が続きました。


しかし今般、所得・雇用環境の改善に伴う住宅需要の高まりや、外国人観光客の増加によるインバウンド効果によって、ようやくデフレ脱却の足音が聞こえ始めました。2018年9月に公表された「基準地標準価格」は全国の全用途平均が27年ぶりの上昇となりました。地価の底入れ・復調傾向が見られるようになったのです。脱デフレへ近づきつつある証拠といえます。


この「基準地標準価格」とは国土利用計画法に基づく基準地の土地価格を指し、毎年、各都道府県によって公表されます。土地価格といえば「公示地価」が有名ですが、公示地価とは国土交通省が地価公示法に基づき評価した標準値の土地価格です。どちらも利用目的は類似しており、土地取引の基準・指標としての役割が与えられています。さらに土地価格には「路線価」「固定資産税評価額」「実際の取引価格」があり、日本の地価は“1物5価”で編成されています(図表1)。利用目的によって5種類の地価が存在しているのです。


さて、前置きが長くなりましたが、実は相続財産の評価方法にも“2価”が利用されています。「路線価」と「固定資産税評価額」により相続財産の評価額が導き出されます。相続税や贈与税に係る財産評価を目的とした土地価格が「路線価」で、不動産などの固定資産を評価するための土地価格が「固定資産税評価額」です。


【図表1】5種類ある土地の価格

宅地の財産評価は、路線価に調整率を乗じて算出する

以下、相続財産を「住宅」に限定して話を進めますが、ご存じ、住宅は敷地(宅地)と建物から構成されています。そのため、一戸建て・マンションを問わず、敷地は敷地、建物は建物で別々に財産評価します。その際、敷地は「路線価」、建物は「固定資産税評価額」をもとに算出します。簡単な例で見てみましょう。


【宅地の評価方法】


評価する宅地は80万円の路線価が付された道路に接道しており、普通住宅地区に所在しています。地型は奥行き8メートル×横幅15メートルの長方形で、地積は120平方メートルになります。その宅地の評価にあたっては路線価を基礎とし、宅地が面する道路からの奥行距離に応じた「奥行価格補正率」という画地調整率を乗じて算出します。


宅地の評価額 = 路線価 × 奥行価格補正率 × 地積


奥行価格補正率は、文末リンクの調整率表に記載されている「奥行価格補正率表」から係数を見つけます。例題は奥行きが8メートルなので、「奥行距離8メートル以上、10メートル未満」の欄から普通住宅地区の奥行価格補正率は0.97となり、計算式に当てはめると宅地の評価額は(A)9312万円になります。この9312万円という数字は相続財産としての金額であり、売り出した際の売買価格(時価)ではありません。相続税額の算定基礎となる価格に他なりません。


(A)宅地の評価額=路線価80万円×奥行価格補正率0.97×地積120㎡=9312万円 


【宅地が普通借地権の場合の評価方法】

相続財産には借地権も含まれるため、宅地が借地権だった場合(他人に賃貸している土地)の評価方法も知っておくと安心です。計算方法は簡単で、宅地の評価額に借地権割合を乗ずるだけで算出できます。


借地権の評価額 = 宅地の評価額 × 借地権割合


例題の宅地が借地権(借地権割合80%)だったとした場合、相続財産としての評価額は(B)7449万6000円になります。各所在地の借地権割合は路線価図に記載されています。


(B)借地権の評価額=宅地の評価額9312万円×借地権割合80%=7449万6000円

建物の評価額は固定資産税評価額に等しくなる

【被相続人が自己使用していた物件の評価方法】

続いて、建物評価の計算方法も見てみましょう。自宅や別荘といった自己使用を目的とした建物の財産評価は簡単で、その評価額は固定資産税評価額と同じになります。実際の固定資産税評価額は、毎年、郵送されてくる固定資産税の納税通知書に記載されています。 


建物(賃貸目的の建物を除く)の評価額 = 固定資産税評価額


【分譲マンション(被相続人が自己使用)の評価方法】

この算出方法は一戸建ても分譲マンションも同じなので、分譲マンションの建物(専有部分)評価も固定資産税評価額に等しくなります。送られてくる納税通知書で確認できます。


他方、敷地の評価はどうなるかというと、まずは上述した【宅地の評価方法】によりマンションの敷地全体の評価額を計算します。次に、区分所有者ごとの敷地権割合を乗じて自身が共有する敷地の持ち分に応じた評価額を算出します。この金額が区分所有するマンション1室に対応する敷地の評価金額となります。


そして、専有部分の固定資産税評価額と、持分割合で案分した敷地部分の評価額を合計すれば、分譲マンション1室の財産評価額になります。各人の持分割合(=敷地権割合)は登記事項証明書(登記簿)やマンションの管理規約で確認できます。


建物の評価額:専有部分の固定資産税評価額に等しくなる

敷地の評価額:敷地全体の評価額に持分割合を乗じて算出する


【例題】親の所有かつ居住する分譲マンション1室を相続する場合の評価額は?

マンション概要

  • 専有部分の固定資産税評価額:1500万円
  • マンションの敷地全体の評価額:5億円
  • 区分所有者の持分割合:100分の5(5%)


【解答】

建物(専有部分)の評価額は固定資産税評価額と同じ1500万円になり、敷地の評価額はマンションの敷地全体の評価額5億円に持分割合5%を乗じた2500万円となります。そして、両者を合計した4000万円がマンション1室の財産評価額です。


なお、同じマンションでもマンション一棟を所有する賃貸オーナーの場合は話が異なります。マンションの敷地も建物も賃貸オーナーの単独所有となるため、区分所有という発想はなく、一戸建てと同じ算出方法で財産評価します。


自身が相続人にならなければ知る機会もない相続財産の評価方法。5種類ある土地の価格が把握できていれば評価方法も理解がスムーズになります。本稿を参考に、財産評価の基本的な仕組みを知っておいてください。


(文:平賀功一)


【参考サイト】

最終更新日:2019年03月29日

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